一柳 慧(1933- )

神戸市生まれ。高校時代(1949年)に毎日音楽コンクール(現・日本音楽コンクール)作曲部門第1位入賞。ピアノを原智恵子、B. ウェブスターに師事。19歳(52年)で渡米、ジュリアード音楽院卒業。この間にE. クーリッジ賞、A. グレチャニノフ賞を受賞。留学中にジョン・ケージと知己を得、偶然性や図形楽譜による音楽活動を展開。61年、20世紀音楽研究所の招聘で帰国、自作品ならびに欧米の新しい作品の演奏と紹介でさまざまな分野に強い刺激を与える。ウィーン・モデルン、ベルリン芸術週間、イギリス・BBC響、パリ管、チューリヒ・トーンハレ管、フィンランド・Avanti! 室内アンサンブルなどによって作品が演奏され、欧米各地で精力的に作品発表と演奏活動を展開。国内では尾高賞を5回、フランス芸術文化勲章、毎日芸術賞、京都音楽賞大賞、サントリー音楽賞ほか受賞多数。2008年より文化功労者、16年度日本芸術院賞および恩賜賞を受賞。18年文化勲章を受章。現在、神奈川芸術文化財団芸術総監督。作品は4曲のグランド・オペラ、10曲の交響曲、12曲の協奏曲、6曲の雅楽、電子、コンピュータ音楽など、上演回数もきわめて多い。

森 円花(1994- )

2014年、20歳で第83回日本音楽コンクール作曲部門(オーケストラ作品)第2位受賞。18年、第3回一柳慧コンテンポラリー賞を最年少で受賞。同年、神奈川芸術文化財団芸術監督プロジェクト「ミュージック・クロスロード」にて『音のアトリウムⅢ 独奏チェロとオーケストラのための』(18)改訂初演。19年、田原綾子ヴィオラリサイタルにて『Aoide for Viola』(田原綾子委嘱作品)を発表。21年には銀座の名門、東京画廊にて小清水漸氏とのコラボレーション作品『生成』を発表予定。桐朋女子高等学校(男女共学)音楽科を経て、桐朋学園大学卒業。在学中に武生国際音楽祭や韓国で行われたNong Projectに特待生・派遣生として参加、またE. タンギー、I. フェデーレ、S. ジェルヴァゾーニなどのマスタークラスを通し、研鑽を積む。17年、桐朋学園大学研究科を修了し、同年、桐朋学園大学・高校非常勤講師に就任。20年、森音楽事務所設立。これまでに作曲を三瀬和朗に師事。関連書籍に、青柳いづみこ著『音楽で生きていく!10人の音楽家と語るこれからのキャリアデザイン』(アルテスパブリッシング)など。

カールハインツ・シュトックハウゼン(1928-2007)

1928年8月22日、ケルン近郊のメードラートに生まれる。トータル・セリエリズムを用いた51年の『クロイツシュピール』を皮切りに先鋭的な作品を次々と作曲、一躍時代の寵児となる。電子音楽の分野でも、その黎明期から多くの作品を発表し、その影響はビートルズ、ビョークら、ポピュラー音楽のミュージシャンにまで及ぶ。60年代半ばから、彼の音楽は、世界中の様々な思想、文化などを積極的に取り入れた、独自の展開を見せるようになる。その一例として、様々な地域の民族音楽を相互変調した電子音楽『テレムジーク』や、世界中の祈りのジェスチャーを融合し音楽構造と有機的に結びつけた『祈り』が挙げられる。77年から2003年にかけては、7つのオペラからなる、演奏時間29時間の超大作『光』を作曲。オペラ単体としては全て初演されているものの、連作全体をまとめた上演は未だ実現していない。04年には、1日の24時間を音楽化する24の連作『クラング(音)』の作曲を始めるが、21時間目にあたる『楽園』までが完成、連作全体としては未完成に終わる。07年12月5日、キュルテンの自宅にて逝去。

[松平 敬]

権代敦彦(1965- )

桐朋学園大学卒業後、DAAD奨学生としてフライブルク音楽大学に留学。その後、文化庁芸術家在外研修員としてIRCAMでコンピュータ音楽を研究する。ブッキ国際作曲コンクール第1位、第6回芥川作曲賞、第52回芸術選奨文部科学大臣新人賞、第64回尾高賞など、国内外で多数受賞。2003年アーティスト・イン・レジデンスとしてノルウェーに滞在、04~05年オーケストラ・アンサンブル金沢のコンポーザー・イン・レジデンスをつとめる。シリーズ「東京20世紀末音楽集団 →2001」(渋谷ジァンジァン)、「権代敦彦シリーズ・21世紀への音楽」(神奈川県立音楽堂)など企画制作も手掛ける。また世界的振付家リン・フアイミン、ヴィデオ・アーティストの兼古昭彦、ダンサー・振付家の金森穣など、他分野における第一人者とのコラボレーションも多い。14年、初のオペラ『桜の記憶』がリトアニアで、17年にはソチ(ロシア)での「冬の国際芸術祭」でユーリ・バシュメットによりヴィオラ協奏曲「オメガ」が世界初演された。カトリック信仰に基づきつつも、独自の宗教死生観による音楽時間の創出を試みている。

杉山洋一(作曲・指揮)(1969- )

桐朋学園大学卒業。作曲を三善晃、F. ドナトーニ、S. ゴルリに、指揮をE. ポマリコ、岡部守弘に師事。作曲家として、ミラノ・ムジカ、ヴェネツィア・ビエンナーレをはじめ、国内外より多くの委嘱を受ける。代表作として、大統領令に基づく打楽器奏者のための『壁』、チベット民謡による『馬』、女声と室内楽のための『杜甫二首』、ブリアート族シャーマンの旋律に基づく三味線と弦楽合奏のための『歩み』、十七絃のための『鵠』がある。また日欧で指揮者としても活躍している。携わった主な劇場作品に、『プロメテオ』『ファルスタッフ』『クラーネルグ』『チョムスキーとの対話』『碁の名人』『大鴉』『飛行する宙づりの時間』『上司に対する賃上げ交渉の芸術と方法』『盗まれた言葉』などがある。作曲家として、「東京現音計画#01~イタリア特集」で第13回佐治敬三賞、第2回一柳慧コンテンポラリー賞受賞。指揮者として、第68回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。2010年サンマリノ共和国聖アガタ騎士勲章受勲。ミラノ市立クラウディオ・アバド音楽院教授。

山本和智(1975- )

山口県生まれ。独学で作曲を学ぶ。オーケストラ、室内楽、アンサンブル、合唱、独奏曲、映画音楽など作曲活動は広範にわたり、作品は東京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、京都フィルハーモニー室内合奏団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団などの演奏団体・演奏家らによって、日本をはじめカナダ、フランス、ドイツ、オランダ、ベルギー、アメリカ、マレーシア、ロシアなどで広く演奏されている。2006年モリナーリ国際作曲賞第1位、07年AIC/Mostly Modern国際作曲コンクール第1位、09年度武満徹作曲賞第2位(審査員:ヘルムート・ラッヘンマン)、10年第5回JFC作曲賞(審査員:近藤譲)など、作品は国内外問わず高く評価されている。09年より「特殊音樂祭」をプロデュース。現代音楽ファンのみならず多くの聴衆を獲得し注目度の高いイベントへと成長させた。今後も、作曲、プロデュースの両面で活躍が期待されている。現在、和光大学表現学部総合文化学科非常勤講師。
https://kazutomoyamamoto.b-sheet.jp

エリオット・カーター(1908-2012)

103年の生涯を独自のモダニズムの探究に捧げたアメリカの作曲家。アイヴズと親交を結んだのちハーヴァード大学に入学。ピストン、ホルストらに師事し修士号を取得(1932)後渡仏、エコールノルマル音楽院、およびプライヴェートでナディア・ブーランジェに学ぶ(32~35)。出世作となった『弦楽四重奏曲第1番』(50~51)以降、リズム、和声、旋律が緊密に交錯するテクスチュアのなかで、質朴剛健なエネルギーを伏在させ禁欲的で理知的な響きを展開する作風を確立。『二重協奏曲』(61)、『オーケストラのための協奏曲』(69)、『3つのオーケストラのための交響曲』(76)などで、空間性やテンポの重ね合わせの実験を一作ごとに深化させ、同じく影響力のあったコープランドとともに、20世紀アメリカの代表的作曲家とみなされるに至る。80年代以降はヨーロッパを主たる作品発表の場と定め、すでに手がけていた声楽曲に加え、オペラ(『What Next?』〔97~98〕)、さまざまな楽器のための小品、協奏曲を精力的に作曲。峻厳でありながら流麗、ときにユーモラスな晩年の作品群は第一線で活躍する音楽家から好意的に受け取られ、狷介孤高のモダニストとしての評価を盤石なものにした。

[平野貴俊]

山根明季子(1982- )

大阪生まれ。 日本を拠点に現代社会における消費過剰性、幼児性を、皮膚感覚を通して音一音、あるいは持続の質感に落とし込むことで探求を続けている。京都市立芸術大学大学院作曲専攻修了。ブレーメン芸術大学派遣留学。作曲では西洋の器楽から、声、雅楽、邦楽器のほか、各種メディアによる作品制作を通じて、質感の微細な違い、知覚の個人性と多様性を焦点に活動を続け、これまでにNHK交響楽団Music Tomorrow、ワルシャワの秋、アルス・ムジカ音楽祭、秋吉台の夏、武生国際音楽祭、ロワイヨモンセミナー、ミュージック・フロム・ジャパンなどで作品上演。受賞歴として武生作曲賞2005入選、現音作曲新人賞富樫賞、日本音楽コンクール第1位、芥川作曲賞。作曲活動のほかに、東京現音計画#10では資本主義をテーマに公演監修。持続音によるソーシャルインスタレーション「ハーモニーの部屋」を京都で企画。現在相愛大学非常勤講師。同世代の作曲家とともに中堅女性作曲家会議を継続。アミューズメント空間のフィールドレコーディング活動も行っている。

山根一仁(ヴァイオリン)

1995年生まれ。中学在学中、第79回日本音楽コンクール第1位、岩谷賞(聴衆賞)など副賞のほか、全部門を通じて最も印象的な演奏、作品に贈られる増沢賞も最年少受賞。ソロリサイタル、室内楽のほか、これまでにバーミンガム市交響楽団、ミュンヘン交響楽団、NHK交響楽団をはじめ国内外のオーケストラと共演を重ねる。横浜文化賞文化・芸術奨励賞(最年少)、岩谷時子Foundation for Youth、出光音楽賞、ホテルオークラ賞など受賞。明治安田クオリティオブライフ文化財団奨学生。現在ドイツ国立ミュンヘン音楽大学在籍中。クリストフ・ポッペンのもと、さらなる研鑽を積む。
http://kazuhitoyamane.jp/

上野通明(チェロ)

第6回若い演奏家のためのチャイコフスキー国際音楽コンクール第1位。第6回ルーマニア国際音楽コンクール第1位、第21回ブラームス国際コンクール第1位、第11回ルトスワフスキ国際チェロコンクール第2位。読売日本交響楽団、ロシア交響楽団、ワルシャワ交響楽団など国内外のオーケストラと多数共演。岩谷時子第1回Foundation for Youth、第6 回岩谷時子賞奨励賞、第26回青山音楽賞新人賞受賞。桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ・コース全額免除特待生、現在デュッセルドルフ音楽大学にてP. ウィスペルウェイに師事。ヨーロッパで活発な演奏活動を始めつつ更なる研鑽を積む。

松平 敬(バリトン)

東京藝術大学卒業、同大学院修了。湯浅譲二、松平頼暁、高橋悠治、西村朗など 150 曲以 上の作品を初演。これまでサントリーホール サマーフェスティバル、新国立劇場などに出 演。CD 録音においては、一人の声の多重録音を駆使した『MONO=POLI』(平成 22 年度 文化庁芸術祭優秀賞)など 3 枚のアルバムを発表。チューバの橋本晋哉との「低音デュ オ」名義でも2枚のCDをリリース。2019年には、著書『シュトックハウゼンのすべて』 を出版(第 32 回ミュージック・ペンクラブ音楽賞)。 「THE 鍵 KEY(ザ キー)」で、第 19 回佐治敬三賞受賞。

有馬純寿(エレクトロニクス)

エレクトロニクスやコンピュータを用いた音響表現を中心に、現代音楽、即興演奏などジャンルを横断する活動を展開。これまでに数多くの演奏会で電子音響の演奏や音響技術を手がけ高い評価を得ている。第63回芸術選奨文部科学大臣新人賞芸術振興部門受賞。2012年より国内外の現代音楽シーンで活躍する演奏家たちとアンサンブル「東京現音計画」を開始、第1回公演が第13回佐治敬三賞を受賞。また実験的な音楽家とのセッションや美術家とのコラボレーションも多い。現在、帝塚山学院大学リベラルアーツ学部准教授。京都市立芸術大学非常勤講師。

高木綾子(フルート)

東京藝術大学、同大学院修了。日本フルートコンベンションコンクール優勝、日本管打楽器コンクール第1位、日本音楽コンクール第1位、新日鉄音楽賞、J-P. ランパル国際フルートコンクール第3位、神戸国際フルートコンクール第3位など多数の受賞歴を誇る。国内主要オーケストラやサンクトペテルブルク響、パリ室内管などと共演。CDも多数リリース。本年はデビュー20周年となり、それを記念した無伴奏リサイタルを9月に予定している。東京藝術大学准教授、洗足学園大学客員教授、日本大学藝術学部、武蔵野音楽大学、桐朋学園大学の非常勤講師として後進の指導にもあたっている。

神田佳子(打楽器)

東京藝術大学卒業および同大学院修了。ドイツ・ダルムシュタット国際現代音楽夏期講習で奨学生賞を受賞。2014年、「東京現音計画」のメンバーとして、サントリー芸術財団より第13回佐治敬三賞を受賞。これまでに、ソリストとしてオーケストラとの共演や、国内外の音楽祭への参加のほか、多くの作曲家の作品を初演し、若手作曲家との共同作業も多く行ってきた。正倉院復元楽器の演奏、古楽器、和楽器との共演、ジャズピアノとのデュオを行うなど、時代やジャンルを超えた打楽器演奏の可能性にアプローチしている。
http://www.yoshiko-kanda.com/

篠﨑和子(ハープ)

桐朋学園大学卒業、ニース音楽院を審査員満場一致の金メダルを得て卒業。第6回USA国際ハープコンクールでVanderbilt Music Company賞受賞。第36回エクソンモービル音楽賞奨励賞、第19回出光音楽賞を受賞。文化庁派遣芸術家在外研修員としてパリに留学。国内外の主要オーケストラとの共演をはじめ、リサイタルや室内楽の演奏会、セイジ・オザワ 松本フェスティバルなどにも参加している。現在、いずみシンフォニエッタ大阪メンバー、日本ハープ協会理事、桐朋学園大学、洗足学園音楽大学非常勤講師、小澤征爾音楽塾講師。

黒田亜樹(ピアノ)

東京藝術大学卒業後、イタリア・ペスカーラ音楽院を最高位修了。ジローナ20世紀音楽コンクール特別賞。現代音楽演奏コンクール“競楽”優勝、朝日現代音楽賞。『タンゴ2000』『タルカス&展覧会の絵』など録音多数。『火の鳥』はイギリスBBCミュージックマガジン5つ星、レコード芸術誌特選盤。Spazio Musica現代音楽祭、マントヴァ音楽祭などイタリアを中心に活動。作曲家の指名により録音した『Piano Collections FINAL FANTASY』は世界中のファンに親しまれている。「東京現音計画」メンバーとして第13回佐治敬三賞受賞。

東京現音計画

現代音楽の第一線で活動する演奏家により2012年に結成。日本初演曲を中心としたプログラム、ユニークな編成の委嘱、若手演奏家/作曲家/スタッフへのワークショップなど演奏家サイドから新たな視点を提案していく。主催コンサートは、ひとりの作曲家に選曲を託す「コンポーザーズセレクション」、メンバーが選曲を担う「ミュージシャンズセレクション」の2シリーズを柱に、これまでの実施は14回を数える。第1回公演である、13年「東京現音計画#01 コンポーザーズセレクション1:杉山洋一」が、翌年サントリー芸術財団より第13回佐治敬三賞受賞。
メンバー:
有馬純寿(エレクトロニクス)、大石将紀(サクソフォン)、神田佳子(打楽器)、黒田亜樹(ピアノ)、橋本晋哉(チューバ)
http://tokyogenonproject.net/
レパートリーデータベース: https://archive.tokyogenonproject.net/

板倉康明(指揮)

東京藝術大学音楽学部、パリ国立高等音楽院を卒業。故アンリエット・ピュイグ゠ロジェから深い薫陶を受け、現在の多彩な演奏活動の礎を築いた。現代作品を中心に活発な指揮活動を行い、国内外の音楽祭に招聘されている。 指揮者としてのレパートリーは広範囲にわたり、特に現代作品の演奏には各方面から高い評価を得ている。サントリー芸術財団 サマーフェスティバル 2016のプロデューサーを務めた。2001年より東京シンフォニエッタ音楽監督就任。第18回中島健蔵音楽賞を受賞。日本音楽コンクール委員会特別賞を受賞。国立音楽大学客員教授。

佐藤洋嗣(ヴィデオロン)

高校時代はエレクトリック・ベースを演奏し、卒業後コントラバスの魅力に触れ、転向。2006年東京音楽大学卒業。現在は室内楽、オーケストラ、アルゼンチン・タンゴなどを下から支えつつ、コントラバスの新しい可能性を探りながら演奏している。アンサンブル・ノマド、シュテルン・クインテット、チコス・デ・パンパのメンバー。バンドジャーナル誌においてワンポイントレッスンを連載。これまでに5回のリサイタルを開催。将来が大変嘱望されている若手ベーシストの一人として注目を浴びている。

山田 岳(ギター)

現代音楽の演奏を活動の主軸とし、多くの新作初演に携わる。近年では楽器の枠を超えたパフォーマーとしての活動、ダンサーや造形家とのコラボレーションによる舞台制作など、さまざまな切り口で新しい表現へのアプローチを試みている。2017年にリリースしたソロアルバム『Ostinati』は、ギターのあらゆる可能性を示した鮮烈な録音として話題を呼び、レコード芸術誌にて特選盤に選出、加えて第55回レコード・アカデミー賞にノミネートされた。 第 9 回現代音楽演奏コンクール “ 競楽 IX” 第1位。第20 回朝日現代音楽賞受賞。

磯部英彬(ヴィデオロニクス)

作曲家。メディアアーティスト。1982年山梨県出身。作曲および音響技術、コンピュータ 音楽を土屋雄に師事。コンピュータとセンサーなどの電子デバイスを用いた作曲活動のほか、様々なほかの作曲家の電子作品のオペレーターを担当する。また、山本和智考案の「ヴィデオロン」や「ソステヌートブロック」「スーパーマレット」などの新しい音響をもった楽器の研究開発もしている。東京音楽大学非常勤講師。

東京シンフォニエッタ

1994年に設立、現在活動している作曲家たちの創作と直接関わり、同時代の音楽を優れた演奏によって紹介することを目的としている。東京での定期公演や国内の各種音楽祭への参加のほか、96年の仏・独公演を皮切りに世界の主要な現代音楽祭にも出演。これまでに140名以上の現代の作曲家による作品を取り上げ、世代が異なる17名の作曲家へ新曲を委嘱し、世界・日本初演を行っている。佐治敬三賞、レコード・アカデミー賞、日本音楽コンクールにおける演奏が委員会特別賞を受賞。

朝川万里(ピアノ)

ジュリアード音楽院、イェール大学大学院卒業。2012年、ニューヨークのカーネギーホール・ワイルリサイタルホールで、エリオット・カーターのピアノ作品のリサイタルを開催し、来場した103歳のカーターの賞賛を得る。長年にわたりカーター音楽を日、米、欧で演奏し続けてきた功績が認められ、17年にはカーターが存命中に設立したAmphion 財団より助成を得て、日本人アーティストとして初めてのカーター録音を行い、18年の夏にアメリカのCentaur Records よりリリースされ、東京とニューヨークでCD発売記念リサイタルを開催する。

松倉利之(打楽器)

東京藝術大学音楽学部器楽科卒業、同大学院音楽研究科修了。在学中に安宅賞受賞。1980年パリ国際現代音楽コンクール打楽器部門で第2位入賞(1位無し)。その後「ムジカ・プラクティカ・アンサンブル」のメンバーとして90年まで活動する。これまでに神奈川フィルハーモニー管弦楽団、藝大フィルハーモニア管弦楽団に在籍し、主に室内楽、室内オペラ、オーケストラの分野で演奏活動を行っている。現在、「東京シンフォニエッタ」「パーカッショングループ72」に所属。大分県立芸術文化短期大学名誉教授。

和田光世(打楽器)

東京藝術大学音楽学部器楽科卒業。同大学院修了。第7回日本管打楽器コンクールにおいて第3位入賞。1998年、奏楽堂においてソロリサイタルを行う。2002年、現代音楽演奏コンクール“競楽Ⅴ”において第3位入賞。東京佼成ウインドオーケストラ打楽器奏者。「東京シンフォニエッタ」「打楽器四重奏団“Shun-Ka-Shu-Toh”」「Percussion unit UNZARI」のメンバー。

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