はるか昔から、皇帝に最高のお茶を献上するという習わしがあった中国。明の時代に入り、もっともっと香りのよいお茶を皇帝に献上しようと、つくり方に工夫が重ねられました。その結果生まれたお茶こそ、ウーロン茶。ちなみに、ウーロン茶は漢字で烏龍茶と書きますが、「龍」の字は、皇帝をさす、とても高貴な言葉だったと言われています。
中国茶には1000種以上とも言われるほど膨大な種類がありますが、これらのお茶はすべてツバキ科の一種、「カメリア・シネンシス」という植物からつくられています。では、お茶の違いとはどこで生まれるかというと、それは、茶葉の発酵度の違いによって生まれてくるのです。代表的なお茶でいえば、紅茶は完全発酵、緑茶は反対にまったく発酵させません。そしてウーロン茶は、絶妙な発酵度で勝負する半発酵のお茶なのです。
発酵は、茶葉の中の酵素の働きで起きる現象ですが、ウーロン茶は途中で火入れして、その発酵をほぼとめてしまいます。というのも、茶葉の主な香り成分「テルペン類」が、半発酵のときに最も引き出されるからです。発酵をとめる最適のタイミングをつかまえることは、長い経験と高い技術がモノを言う、手間のかかる作業。おいしいウーロン茶の味と香りには、そんな背景があるのです。
プレミアムクリアに使われている黄金桂のほかに、東方美人、水仙、文山包種を用意しました。代表的なウーロン茶を飲み比べてみます。
ウーロン茶と一口に言っても、色も味もまったく違います。発酵度の高いものから低いものまで飲み比べをして、その違いを楽しんでみました。
発酵度:約10%
特徴台湾のお茶。緑茶を少し甘くした感じで、ほんのりと花の香りがします。香りを楽しむため、味わいはすっきりとしています。緑茶に近くなじみやすいです。
発酵度:約30%
特徴福建省の南、安渓のお茶。香りは甘い花のようで、よい香りが口の中で長く続きます。若干の渋みがあり、さわやかな味で大変飲みやすいです。
発酵度:約60%
特徴果実のような甘さを香ばしく仕上げていて、味に膨らみがあります。日本人になじみやすい味です。
発酵度:約80%
特徴香りは完熟した果実のようで、マスカットの香りと形容されることもあります。香りの強いものが非常によいとされています。
プレミアムクリアは、黄金桂ならではの渋みがなくてクリアな味わい。そして、大きな特長である上品な香りを楽しめます。みなさんもぜひ、茶葉から飲む黄金桂とプレミアムクリア、それぞれの味と香りを飲み比べてみてはいかがでしょうか?それでは次の機会まで、バイ茶!
ウーロン茶発祥の地“武夷山”の周辺は、お茶どころである福建省の中でも、古くから銘茶の産地として知られています。それは、雨が多く、豊富なミネラル分を含む土壌のおかげで、おいしいお茶の木がすくすくと育つから。ウーロン茶の代表として知られる “武夷岩茶(ぶいがんちゃ)”は、その名の通り、武夷山を代表するお茶です。また、明の時代、皇帝に献上した香り高いウーロン茶も、まさにこの地で生まれました。