サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社(社長:有代雅人、東京都港区)は、ケルセチン配糖体を配合した飲料を継続摂取した際の体脂肪低減効果に用量反応性※1があることを明らかにし、21st European Congress on Obesity(第21回欧州肥満学会議・期日:2014年5月28-31日・於:ブルガリア ソフィア)にて発表しました。
※1 用量反応性とは
今回の発表骨子は、以下のとおりです。
▼発表演題: |
「Quercetin glucoside-enriched beverage reduced body fat in obese human.」(ケルセチン配糖体配合飲料による体脂肪低減効果) |
▼発表者: |
サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社 研究部
中村淳一、吉村麻紀子、内田雅昭、福井宣之 |
<研究の背景>
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これまでサントリーでは、ケルセチン配糖体を配合した飲料を継続摂取することで体脂肪が低減することを明らかにしてきました。今回、飲料に配合するケルセチン配糖体の体脂肪低減効果の用量反応性を確認しました。 |
<方法>
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肥満1度(BMI※2が25kg/m2以上30kg/m2未満)の成人男女80名を対象に実験を行いました。対象者をケルセチンの配合量に従って、(1)対照群(ケルセチン配糖体を含まない飲料摂取群)(2)低用量群(ケルセチン配糖体を60mg配合した飲料摂取群)、(3)中用量群(ケルセチン配糖体を110mg配合した飲料摂取群)、(4)高用量群(ケルセチン配糖体160mg配合した飲料摂取群)の4群に均等に分け、ケルセチン配糖体配合飲料を1日1回12週間継続摂取していただきました。4週間ごとにCTスキャンによる腹部全脂肪面積の測定を行ない、ケルセチン配糖体による用量反応性を検討しました。なおケルセチン配糖体の量は、イソクエルシトリン※3に換算して表示しています。 |
<結果>
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対照群および低用量群では、試験飲料摂取前後で腹部全脂肪面積に有意な変化は認められませんでしたが、中用量群および高用量群では腹部全脂肪面積の有意な減少が認められました(グラフ1参照)。この結果から、ケルセチン配糖体を配合した飲料を継続摂取した際の体脂肪低減効果に用量反応性があることが明らかとなり、その有効用量はイソクエルシトリンとして110mg以上であると考えられました。
なお、本試験飲料を摂取した全ての被験者において、試験飲料に起因する有害事象は認められませんでした。 |
![グラフ1:腹部全脂肪面積の推移](/softdrink/news/img/sbf0152-1.gif)
サントリー食品インターナショナルグループは、今後もサントリーグローバルイノベーションセンター株式会社と連携し、本研究成果を飲料・食品の製造・販売事業の分野の付加価値創造に活用していきます。
▼European Congress on Obesity(ECO)について
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The European Congress on Obesity(欧州肥満学会議/ECO)は、EASO※4が運営する、欧州で開催される肥満についての最も重要な年次会議で、肥満が引き起こす重要な課題解決に貢献しています。 |
※2 BMIとは
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Body Mass Indexの略。
外見的な肥満度を判定する国際的な指標であり、BMI=体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)]という計算式にて算出されます。日本人の場合BMIが18.5kg/m2未満の方は「低体重(やせぎみ)」、18.5kg/m2以上25kg/m2未満の方は「普通体重」、25kg/m2以上30kg/m2未満は「肥満1度」、30kg/m2以上35kg/m2未満は「肥満2度」、35kg/m2以上40kg/m2未満は「肥満3度」、40kg/m2以上は「肥満4度」とされ、標準的な数値は22kg/m2といわれています。 |
※3 イソクエルシトリンとは
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ケルセチン配糖体のひとつで、ケルセチンにグルコースが1個結合したもの。
便宜的に換算している。 |
※4 EASO とは
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European Association for the Study of Obesity(欧州肥満研究協会)の略。
肥満学を発展させると共に、予防と管理を通して、欧州における不健康な過剰体重の負荷を軽減する活動を支援する会員制協会。31カ国が登録し、欧州で4,000人以上が所属しています。 |
▼サントリーグローバルイノベーションセンターホームページ
https://www.suntory.co.jp/sic/
▼サントリー食品インターナショナルホームページ
http://suntory.jp/sbf/
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