バラはクレオパトラやローマ皇帝ネロはじめ古くから世界で最も愛されてきた植物です。現在栽培されているバラ(学名:Rosa hybrida)のほとんどは、世界各地の野生種のバラ8種程度を人為的に掛け合わせること(人工交配)により生み出されました。四季咲きのバラ、黄色やオレンジのバラも、長年の人工交配による品種改良の結果、誕生したものです。ナポレオンの妃ジョゼフィーヌが自分のマルメゾン宮殿の庭で人工交配をさせ、たくさんの品種を生み出したことは有名で、これらのバラが多くの現在のバラのルーツになりました。
青いバラを作ろうという努力もされてきましたが、多くの青い花に含まれる青色色素(デルフィニジン)を作る能力がバラにはないため、いくら交配を繰り返しても実現には至りませんでした。このため、Blue roseは、「不可能」「存在しないもの」の意味も持つほどです。「幸せを象徴する青い花を作って世の中を明るくしたい、勇気づけたい」、「バイオテクノロジーを用いればバラで青色色素を合成させることができ、青いバラができるはず」、「サントリーのDNAであるやってみなはれにふさわしい」。これが夢への挑戦の始まりでした。1990年にこの研究プロジェクトをスタートし、14年の年月を経て、2004年にようやく開発の成功を発表。「青色色素が花びらに存在する、世界初の青いバラの誕生」と大きな反響を呼びました。その後、2008年に生産販売に必要な認可を取得、2009年から「サントリーブルーローズ アプローズ」(花言葉「夢 かなう」)として好評発売中です。