Forum:Issue 017 Nationalism and Populism

Forum Report

2月10日、コロンビア大学(米国・ニューヨーク市)において「世界のナショナリズムとポピュリズム─日本は例外か?」と題するセミナーを、コロンビア大学東アジア研究所と同大学国際公共政策大学院、およびサントリー文化財団の共催で開催した。
世界中でポピュリズムが勢いを増す中、日本はポピュリズムの誘惑に抵抗していると考えられている。セミナーでは、これまでの世界のポピュリズムの経緯をたどった上で、特殊な事例とされる日本に焦点をあてた。
午前のセッションでは、コロンビア大学教授のナディア・ウルビナティ氏、マーク・リラ氏、ジャック・スナイダー氏が登壇し、同大学ジャーナリズムスクール教授のアレキサンダー・スティル氏が司会を務め、ヨーロッパとアメリカにおけるポピュリズムの定義とナショナリズムがどのように出現しているかについて議論した。
午後のセッションでは、なぜポピュリズムが日本でほとんど進歩していないのかに議題を移した。京都大学教授の待鳥聡史氏によると、その要因の一部は日本の政治構造にあるという。ミシガン大学教授の筒井清輝氏は、世界のポピュリズムの原因を究明し、日本との違いを指摘した。慶應義塾大学教授の田所昌幸氏は、日本では2009年の民主党への政権交代の際にポピュリズムの経験があると指摘した。 最後に、政策研究大学院大学教授・竹中治堅氏、コロンビア大学客員研究員・昇亜美子氏、コロンビア大学名誉教授・ジェラルド・カーティス氏がコメントし、議論を総括した。

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フォーラムのフォローアップとして開催したオンラインセミナー「Japan in a COVID-19 World: A Discussion on Japan's Responses to the Global Pandemic(COVID-19ワールドの日本:世界的パンデミックへの日本の対応)」
(竹中治堅、ジェラルド・カーティス、司会・彦谷貴子)