主催者からのレポートをお届けします。
　22歳以下の東北在住・出⾝者より作品を募り、その中から選考した11作品によるコンサートを開催した。応募対象の楽器編成はヴァイオリンとピアノによる独奏か⼆重奏である。また、昨年からは、メロディー部⾨として、短いメロディーのみによる募集も⾏い、今回は応募のあった4作品を編曲しプレコンサートで演奏した。当⽇は⼩学⽣から⼤学⽣まで幅広い世代に渡る作品を、⼩⼭あずさ⽒(仙台フィルハーモニー管弦楽団ヴァイオリン奏者)と⻄村翔太郎⽒(ピアニスト、東京藝術⼤学講師)が披露した。コンサートの司会は、フリーアナウンサーの粟津ちひろ⽒にお願いした。

　今回も新型コロナウイルスによる感染症の影響があり、特に開催直前は感染者が急増し、コンサート運営に困難が伴った。しかし、このコンサートは選出者にとって貴重な機会であり、毎年継続することに意義があるので、出来るだけの感染症対策をとりつつ開催することとした。2021年の開催は、2⽉の地震の影響で当初予定していたホールが使⽤不可になり、代替のホールは収容定員が⼤幅に少ないため、⼀般の観客は極端に制限せざるを得なかった。しかし、多くの⽅々にご覧いただくために、コンサートを収録し、動画をYouTubeで配信した。開催後約2ヶ⽉が経過したが、動画はすでに700回近く視聴されている。

　2017年に初めて開催したヤングコンポーザーコンサートin東北(旧称)から通算して、本コンサートは5回⽬の開催となったが、回を重ねるごとに確実に選出作品のレベルは向上している。もちろん、応募者の能⼒の⾼まりもあり、複数回の応募者が本コンサートでの経験を⽣かして、ステップアップしていることも要因の⼀つである。⼿前味噌ではあるが、選考委員によるボランティアでの事前レッスンも⼤きいだろう。レッスンでは、演奏者に的確に作品の意図を伝えるために、正確な楽譜の書き⽅を中⼼に指導している。

　昨年のメロディー部⾨の全ての応募者は、今回も全員が応募をしたが、メロディーのみの応募からも作曲への関⼼の⾼まりにつながったと、当団体としては⾃負している。

　この企画は、東北という地域全体に出来るだけ⾳楽を創ることに関⼼を持つ⼈を増やすことにある。よって、課題としては、北東北(⻘森、秋⽥、岩⼿)の参加が少ないので、広報活動が⾏き届くように尽⼒したい。今回のコンサートでは動画配信もしているので、その活⽤によっては、この企画が認識されるための媒体として⼤きく作⽤するであろう。

　今回は、プレコンサートで初めて過去の選出者に参加の機会を与えることができた。これからもこれまでの選出者が、本コンサートに関わってゆく循環型の枠組みを形成してゆきたい。
動画視聴URL
https://youtu.be/CdEVjHGUf3o