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合唱団パリンカ 「合唱団パリンカ創団30周年記念 第28回定期演奏会」
- 実施日時
- 2021年6月27日(日)
- 実施場所
- 多賀城市文化センター大ホール
- プログラム
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わせねでや〈男声版委嘱初演〉 内藤淳一 編曲
あすという日が〈委嘱初演〉 内藤淳一 編曲
くちびるに歌を 信長貴富 作曲
「言葉にできない~小田和正セレクション」西下航平 編曲
一匹の蝿〈改訂版初演〉 大場陽子作曲
俵積み唄 松下耕 作曲
- 出演
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指揮 千葉敏行 小野﨑友哉
ピアノ 田村聡子 菅野麻樹
独唱 鈴木真衣
合唱団パリンカ
主催者からのレポートをお届けします。
朝ドラ「おかえりモネ」が始まりました。主人公の故郷は気仙沼市の大島が何度も登場しています。今回のポスターやチラシ、表紙の写真は,震災前に家族で訪れたときの「大島小田の浜」の夜明け。震災復興の祈りを込めて選びました。
さて,少子高齢化による合唱人口の減少という課題を抱えながらも,国際化と情報化の進展により飛躍的に向上しました。そして,阪神大震災、東日本大震災で合唱の力が再認識され、合唱人や合唱団がつながることが日常となりました。
しかし、コロナ渦で、集まること、歌うことが否定・・・全てが変わってしまいました。
SNSで危機感を持つ合唱人と情報交換する中で、様々な課題が明らかになりました。「合唱の灯を消してはいけない」という使命感、何よりも「パリンカの仲間と合唱をしたい」という熱い思いが私を衝き動かし、さらに情報交換と模索を続け、2020年7月より活動を再開することができました。コロナによってもたらされた新しい「輪」です。
4か月の活動休止の空白を取り戻すのは難しく、たくさんの問題が突き付けられました。念には念を入れた5割増しのパリンカの感染予防対策は、団員の協力なくしては実現できませんでした。日々の自身の健康管理と行動制限、そして家族の健康管理。コロナによってもたらされた新しい「和」。
数々のハンディは,1年かけてパリンカの声とアンサンブルを鍛えました。可能性の発見もありました。「試行錯誤」「窮すれば通ず」、コロナによってもたらされた新しい「輝き」が生れつつあります。そもそもコロナといえば、「太陽大気の最外層で、皆既日食の際に、黒い太陽の周りを取り巻く淡く輝く部分。」のこと。コロナが生んだ「輪」「和」、そして「輝き」。苦しみながら得た「輝き」は、ポストコロナの合唱への架け橋となることを信じています。
3度目の正直のコンサートに向けてラストスパート、というタイミングで2回目の活動休止(3月下旬~4月)。その間に新作の楽譜4作品が届き、すべて演奏できるか?
しかし、すべての力を注ぎこんで創作した作曲家の先生への仁義として誠実に初演したいと考え、かつてないペースで練習に取り組むこととなりました。
コンサートのための感染予防策も前代未聞であり、団としての熱意と情熱、チームワークなくしては実現しなかったと思います。
今回の演奏会のために、内藤淳一先生、大場陽子先生、西下航平先生がすばらしい作品を書いてくださいました。和合亮一先生、松下耕先生、信長貴富先生、八木澤教司先生、小田和正氏、東京混声合唱団の皆様のご理解・ご協力によりこの演奏会は実現いたしました。
今回の演奏の後、さまざまなご意見をいただきました。
・震災、コロナ禍をテーマにしたかなり贅沢な演奏会。
・10年前の震災を忘れずコロナ禍にも立ち向かっている姿をみて歌の力を満喫しました。
・2年間の思いが沢山詰まった、メッセージも伝わるプログラムで素晴らしいです。
・希望をみつけようという想いが心から感じられるステージでした。
・震災から10年経った今でもあの日のことは忘れられませんが、これからも前を向いて歩んで行こうと思える勇気と元気を頂きました。ありがとうございます!!
・朗読の発声がすばらしく構成もよかった。男声合唱素晴らしいです。
・勇気ある演奏会に拍手です。いままで聴いたパリンカの演奏会で一番印象に残りました。
・異色の構成、でもとても印象的な演奏会でした。マスク越しでも伝わりました。
・響きがきれいでした。しっかり歌詞が聞こえてきた。
・マスクをしながら大変だったと思います。それでも声が前へ前へと伝わってきました。
・コロナ対応がばっちりだったと思います。
・今日の演奏会は大変励みになりました。
・コロナに負けない皆さんの熱意に敬服します。
・コロナ禍で練習時間やメンバーの確保が難しい中、これだけの曲数と充実した内容、すごいなと感心致しました。今後のご活躍も楽しみにしています。
・素晴らしいの一言に尽きる。コロナ禍でここまでの演奏を聴かせていただいたことに感謝。
作品を寄せていただいた先生方からもメッセージをいただきました。
・すばらしいです!思いのこもった歌の数々、感動しました。やっぱり合唱はいいですね!コロナ禍の渦中にあっても人はやはり歌わねば、歌を聴かねばと思いました。また,今回は「わせねでや」と「明日という日が」をアレンジさせていただきとてもうれしかったですし、こうした素晴らしい演奏会に関わらせていただけてとても光栄に思います。本当にありがとうございました!!刺激を受け,また合唱を書こうと思いました。意欲的に新作をまた聴きたいと思いました。くちびるに歌を持ちましょう!!(内藤淳一先生から)
・ハルモニア,アイディアは出したものの,本当にうまく成り立つのだろうか、と不安な中、本番前に大きな記事まで書いていただいてしまい、正直青ざめていました。本番、素晴らしかったです。大変なご苦労があったかとお察しいたします。会場のお客様からも、宇宙を感じたという感想をいただきました。(大場陽子先生)
・民謡を主体とする第一ステージの最後に大場先生の作品という構成が素晴らしかったです。第二ステージの「言葉に出来ない」他4曲、素敵に歌って下さり、本当にありがとうございます。「シンプルな~」などと謳っておきながら、決して簡単ではない拙稿をあれほどまでに形にしていただけたのは、編曲者としてこれ以上の歓びはありません。第三ステージ「わせねでや」の強い男声合唱ならではのハーモニーが素晴らしかったです。第四ステージ「ハルモニア」は新しい発想・試みになる幻想的な作品でした。また、ご一緒できれば幸いです。(西下航平先生)
・この度はお招きいただきありがとうございました。「わせねでや」では内藤先生による素晴らしいアレンジを皆さんの素晴らしい合唱で聴けて涙なしでは聴けませんでした。天国の内海さんの笑顔も浮かんでくるようでした。(雨宮高先生)
「合唱団パリンカ創団30周年記念第28回定期演奏会」は、たくさんの人々に支えられて盛会のうちに幕を下ろすことができました。今回の演奏や昨年から積み重ねてきた感染予防対策を高く評価していただきました。新しい団員も加わりました。ワクチン接種が終わったらまた戻りたいという声もいただきました。
ワクチン接種の進展で夜明けが見えたような思いでしたが、ウイズコロナはまだまだ終わりそうもないようです。ポストコロナを見据え、合唱の灯を未来に繋いでいきます。