1

えずこ芸術のまち創造実行委員会「キク、ミル、ツナガル~えずこ復興応援プロジェクト~」

  • 実施日時
    2020年11月4日~2021年2月7日
  • 実施場所
    柴田町立船岡小学校、大河原町立金ヶ瀬小学校、白石市立越河小学校
    えずこホール
  • プログラム

    ・音楽アウトリーチ
    ・0歳からのえずこクラシックデビューコンサート
    ・ココロがツナガル コトバがツナガル ワークショップ&アウトリーチ
    ・音楽喫茶♪ezuko

  • 出演

    中川賢一(ピアノ)×村上敏明(テノール)
    上田假奈代(詩業家)、片岡祐介(音楽家)
    えずこヴァイオリンアカデミー、えずこチェロアカデミー、えずこギターアンサンブル
    えずこウィンドアンサンブル、えずこ男声合唱団、e☆GG(えずこゴスペル)

主催者からのレポートをお届けします。
 震災後10年目の節目を迎えながらもコロナ禍で人との触れ合いが少なくなる中、多くの地域の住民と子どもたちに音楽がもつ人を元気にする力によって笑顔を届けることができました。

 キク、ミル、ツナガル~えずこ復興応援プロジェクト~は、東日本大震災の教訓を胸に決して忘れられない、わすれてはいけない、この出来事を乗り越え、放射能や風評被害など目に見えないものとの戦い、さらに2020年は新型コロナウイルスの影響で日々の暮らしに暗い影を落としている中、今も懸命に生きる人々のために、音楽の力で、「今までとこれから」を照らし、人々とつながり、心が安らぐ時間を提供するプロジェクトです。

●音楽アウトリーチ
 宮城県仙台市出身のピアニスト中川賢一と藤原歌劇団トップテノール歌手村上敏明が、2018年台風19号の豪雨に見舞われた宮城県の仙南地域の小学校を訪れ、目の前で生のパフォーマンスを披露し、アーティスト自身の東日本大震災の体験談を語りました。このプログラムは現場の小学校の先生と打ち合わせを行い、こどもたちに合わせたプログラムを実施しました。「帰れソレントへ」、オペラトゥーランドットより「誰も寝てはならぬ」など名曲6曲を披露。震災当時まだ生まれていない世代への、アーティストからの熱い言葉にこどもたちも真剣に耳をかた向けていました。また、圧巻のパフォーマンスに圧倒されつつも、親しみやすい雰囲気と言葉巧みなアーティストの話術にこどもたちのマスク越しからも笑顔がこぼれました。

●0歳からのえずこクラシックデビューコンサート
 小学生しか体験できなかったアウトリーチプログラムを0歳から入場可能として開催したファミリー向けのコンサート。新型コロナウイルス感染予防対策として客席を制限し、検温、消毒、演奏中のホールのドア開放など対策を徹底して開催しました。劇場全体を震わすパワフルな歌声と繊細さの中にしっかりと熱量を感じる伴奏、国内トップクラスのアーティスト2名によるコンサートに来場者も絶賛。来場者からは「こどもの生まれて初めてのコンサートでした。」「こども自らお腹で聞いている感じとの発言があり、こどもながらに感じているのだなと驚くとともに嬉しく思いました」と声が寄せられました。コロナ禍の中、こどもから大人まで楽しめるコンサートをお届けできました。

●ココロがツナガル コトバがツナガル ワークショップ&アウトリーチ
 詩業家上田假奈代と「詩」を創作し、創作した「詩」に音楽家片岡祐介と曲を付けてオリジナル曲を作成するワークショップを開催しました。アウトリーチとして障害者施設を訪れ、心から音を奏でる楽しさをアーティストと楽しみました。ワークショップでは、60~70代の参加者を中心に疲れたココロをほぐすようにゆったりとコトバと向き合う時間を大切にする静かなワークショップと、ついつい身体が踊りだす音を奏でる楽しさを味わう動きのあるワークショップの「静と動」を楽しみました。「自粛生活に疲れていたから楽しかった」と参加者からも感想をいただき、テーマである「心が安らぐ時間」を提供できました。

●音楽喫茶♪ezuko
 えずこホールで活動している音楽団体えずこ♪ミュージックアカデミーによる演奏と、ココロがツナガルコトバがツナガルワークショップ参加者による創作音楽の発表するイベント。えずこ♪ミュージックアカデミーの各団体は、様々な感染予防対策を行いつつ練習を重ねてきましたが企画していた公演が中止し、発表の場がなくなる中で落胆していたところ、今回の企画によって演奏する喜びを感じ、音楽の楽しさを再確認いたしました。また、演奏者は4歳から70代まで幅広く参加しました。演奏者として初めて舞台に立った小学生には声援の拍手が贈られ「頑張って練習してきたから、お客さんの前で弾けて嬉しかった」とコメントし音楽がもつ、人をつなげる力を実感しました。