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みんなで歌う第九の会「復興祈念 みんなで歌う第九の会 第7回演奏会 新春の第九」
- 実施日時
- 2020年 1月12日(日)13:30開演
- 実施場所
- けんしん郡山文化センター 大ホール
- プログラム/出演
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ヴィヴァルディ:「四季」より 協奏曲四番 ヘ短調作品297「冬」第1楽章
弦楽合奏:キューティーストリングス
独奏:柳澤良音
ベートーヴェン:交響曲第九番 ニ短調作品125「合唱付」全楽章
指揮:佐藤守廣
ソプラノ:朴瑛実
メゾソプラノ:中島郁子
テノール:小原啓楼
バリトン:福島明也
復興祈念郡山第九オーケストラ2019(コンサートミストレス:大倉礼加)
合唱:みんなで歌う第九の会 小学生・中学生・高校生有志
合唱指導:今泉一八 各学校合唱部指導者
練習ピアニスト:岡野貴子
主催者からのレポートをお届けします。
みんなで歌う第九の会は東日本大震災の2年後、福島県内の人々の折れた心を勇気づけたいと、郡山市内の合唱愛好家に呼び掛け発足し、以来第7回目の演奏会となりました。
年々参加者も増え今回は合唱430名、オーケストラ98名の大所帯となり満員の観客の中大成功を収めることが出来ましたことから、震災復興を願う演奏会として地域に定着したと感じております。
オーケストラは、前回に引き続き当会の企画編成アドバイザーでもある指揮者佐藤守廣氏の声掛けにより発足した「復興祈念郡山第九オーケストラ2019」です。
佐藤守廣先生の教え子(地元の学生・一般奏者そして地元出身の音大生とプロ奏者、そしてその仲間)で編成され、プロかと思うほどの素晴らしい演奏でした。
まずウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞の授賞式が行われ、その後に弦楽合奏団「キューティーストリングス」(地元小中高生と音大生)による、ヴィヴァルディ作曲協奏曲「四季」より「冬」の第1楽章が演奏され、子供達とは思えない見事な演奏で拍手喝采を受けました。
若きコンサートミストレスの大倉礼加氏に率いられたオーケストラは前回今回共大好評でしたが、大人数で時間差が生じないようにとコンミスや各パート主席には様々な苦労があるようです。(あるパート主席などは、前日リハーサルが終わった後、1人退館時間ぎりぎりまでホールの音や響きを確認しておられました。)
でもステージではそんな苦労も見せずに、ある時は繊細に、またある時は火花の散るような好演、熱演(とにかく情熱的な演奏なのです!)で聴衆を魅了し、ふるさと復興への想いを示しました。
4楽章の声楽部分の冒頭を担うバリトンソリスト福島明也氏の、重厚でありながら明るく柔らかいソロは、正に「さらに快く、さらに喜びに満ちた調べを、ともに歌おう。」と語り掛けてきます。
トルコマーチのソロを担うテノールソリスト小原啓楼氏は、高貴な美声で男声合唱を率いるリーダーの様で、惚れ惚れします。(この方が地元郡山出身と思うとなおさらです!)
ソプラノ朴瑛実氏、メゾソプラノ中島郁子氏も、息の合った絶妙なアンサンブルで今回も聴衆や出演者を魅了しました。
合唱・ソリストは3楽章が終わってから入場します。高齢者多数を含む430名以上が速やかに動き、整列がなんと3分で完了。見た目も美しい整列で、4楽章前の音楽の中断を間延びさせないのが自慢です。
合唱は年々男声、特にテノールの人数が減少しており、今年はアルトの女性に希望者を募り、黒い上着で男性に混ざってテノールパートを歌ってもらいました。
今回デビューの女声テノールですが、人数も少なくまだまだ存在感を示すまでに至ってはいませんが、今後も頑張って存在を増していきたいと語っています。
小中高生の内、小学生の参加が前回の1校から3校になりましたが、児童生徒さん達には合唱部の絆以外でも、世界中で歌える歌に触れたことを今後の財産にしていただきたいと思います。
そして430名の熱い想いで無事に歌いきり、沢山の拍手とスタンディングオベーションに驚き感動し、大きな歓びの内に演奏を終える事が出来ました。
これを励みにソリストやオケの素晴らしい演奏に少しでも近づける様に、合唱も1歩1歩努力していきたいと思います。
地元の小中高生も入るとはいえ、力のある奏者を多数招集してオーケストラを編成するのは大変な事でしたが、この度のウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞受賞のおかげで大きな挑戦が可能になり、お陰様で音楽的に前進することが出来ました。
東日本大震災も来年で10年目の節目をむかえます。
復興は少しずつ進んでおりますが、福島県の場合は原発災害を抱え未だに5万人を超える被災者が故郷に戻れておりません。
真の復興がなされるまで歌い継がなければとの想いです。