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名取交響吹奏楽団「名取交響吹奏楽団 第35回定期演奏会」
- 実施日時
- 2019年6月23日(日)14:00開演
- 実施場所
- 名取市文化会館 大ホール
- プログラム
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<第1部>
R.ジェイガー:シンフォニア・ノビリッシマ
V.ネリベル:交響的断章
M.ピュッツ:タイム・フォー・アウトレイジ!<第2部>
企画ステージ「Thank You!~平成と共に去りぬ~」
<第3部>
I.ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」1919年版
<アンコール>
歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
近藤悠介:マーチ エイプリル・リーフ
- 出演
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奥村伸樹・宍戸篤(指揮)
名取交響吹奏楽団
安東理紗(司会・ナレーション)
主催者からのレポートをお届けします。
名取交響吹奏楽団は1983年に結成され、宮城県名取市を中心に活動している吹奏楽団です。定期演奏会の開催、吹奏楽コンクールへの出場、さらに地元の小中高生との交流の場として「名取ブラスバンドコンサート」「仙南吹奏楽祭」の企画運営など地域に根差した演奏活動を精力的に行っております。近年では中高生と合同バンドを組み、一緒に演奏をすることで音楽の楽しさを間近で感じてもらう機会も増えてまいりました。
今回の定期演奏会では、東日本大震災で甚大な被害を受けた名取市閖上地区に新しく再建されました閖上公民館のご協力により、地域の皆さまをご招待させていただきました。僭越ではございますが、これからも私たちは演奏という形で地元の復興へ少しでも貢献していきたいと思っております。当日は1000名を超えるお客様にご来場いただき、地域の方々を始めとする多くの皆さまに私たちの音楽をお届けすることが出来ました。
演奏会の第1部と第3部は、“100年”をテーマに選曲を行い、令和という新しい時代に長きにわたり演奏され続けてきた曲を演奏いたしました。
第1部のR.ジェイガー作曲「シンフォニア・ノビリッシマ」では華やかで高貴な音色、優しく温かいメロディー、生誕100周年を迎えたV.ネリベル作曲「交響的断章」では複雑なリズム、楽器の重なり合った音から生まれる独特の緊張感をお客様にも感じていただきました。また、M.ピュッツ作曲「タイム・フォー・アウトレイジ」では、世界中で起きているさまざまな危機、不平不満を音楽で表現しています。静かな沈黙から始まり、最後は連続した音で攻め立て、私たちの特徴でもある音圧とともに動揺や切迫感を表現いたしました。
第3部では、I.ストラヴィンスキー作曲『組曲「火の鳥」1919年版』を演奏いたしました。今回演奏をした1919年版は6つの楽曲からなり、20分を超える大作となっています。元はオーケストラで演奏される曲のため、ヴァイオリンのパートが割り振られた木管楽器は弦楽器のニュアンスを出すことに苦労しながら取り組みました。昨年に引き続き指揮を振っていただいた奥村伸樹さんは主にオーケストラの指揮をされています。細かな楽曲分析をしていただき、音の出し方にも工夫を加え、普段私たちが作る音楽とはまた違った音楽をお楽しみいただけたと思っております。
そして、毎年ご好評いただいている第2部の企画ステージでは「Thank You!~平成と共に去りぬ~」と題し、平成の時代にヒットした楽曲の数々を織り交ぜたプログラムをお届けしました。司会のTBC東北放送アナウンサー安東理紗さんと当団員の息の合ったやりとりも今年で7年目となり、この定期演奏会の風物詩となりつつあります。昨年からは大学生の団員によるダンスを加え、目で見ても楽しいステージをお届けしています。今回は令和へと元号が変わったこともあり、平成のヒット曲をメドレーにして皆さんにお聞きいただきました。その中で新たな試みとし、メドレーの中に何曲入っていたか、会場のお客様にクイズを出し、団員と会場が一体となって楽しい時間を過ごすことができました。
皆さまから温かい拍手、楽しそうな笑い声や歓声、励ましのお言葉をいただき、私たちは地域の方を始めとする多くの方々に支えられているからこそ、音楽を楽しむことが出来ていることを実感いたしました。皆さまからの大きな拍手により、私たちの方が応援されているような気持ちになりました。これからも迫力のある演奏と楽しいひとときをお届けできるよう、これまで以上の練習に励んでまいりたいと思います。
復興が進み、仮設住宅へ住んでいる方の数も減り、新たなコミュニティが作られつつあります。その中でも震災により甚大な被害を受け、傷ついた方々がたくさんいらっしゃることを忘れてはいけないと思っています。私たちは「地元の復興は地元の手で!」をコンセプトに、今後も演奏活動を通じて地域の復興に携わっていく所存です。
私たちのホームグラウンドである名取市を含めた宮城県の復興、さらなる発展を願い、地元地域に根差した演奏活動を引き続き継続して行っていきたいと思います。