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郡山市音楽教育研究会「第4回オーケストラ・フェスティバル」
- 実施日時
- 2019年 1月13日(日)13:00開演
- 実施場所
- けんしん郡山文化センター 大ホール
- プログラム/出演
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第1部 参加各校のステージ
1.橘小学校特設合奏部 with 郡山ジュニアフィルハーモニーオーケストラ
指揮:添田 直彦/添田 祐司
アンダンテ・フェスティーヴォ (J.シベリウス)
交響詩「フィンランディア」作品26 (J.シベリウス)2.開成小学校特設合奏部 with 郡山第一中学校吹奏楽部有志&中高生有志
指揮:髙橋 洋行
「サウンド・オブ・ミュージック」セレクション (R.ロジャース/O.ハマースタインⅡ世)
そりすべり (L.アンダーソン)3.緑ヶ丘中学校管弦楽部 指揮:榎 治子
「アルルの女」第2組曲 より (G.ビゼー)
行進曲「星条旗よ永遠なれ」 (J.P.スーザ)4.郡山第五中学校管弦楽部 指揮:本田あゆみ
歌劇「運命の力」序曲 (G.ヴェルディ)5.郡山第二中学校管弦楽部 指揮:齋藤 正夫
ディズニーメドレー (岩井直薄 編)
ラデッキー行進曲 作品228 with 開成小6年生 (J.シュトラウスⅡ世)第2部 合同ステージ
6.小学生合同オーケストラ 指揮:滝田 弓子/髙橋 洋行
海の見える街 (久石 譲/濱野 正)
ハンガリー舞曲第1番 ト短調 (J.ブラームス)7.白河地区合同オーケストラ
(白河一小、白河三小、白河中央中、白河南中、大信中、西郷一中、泉崎中)
指揮:大竹 晃司
組曲「惑星」より 木星、他 (G.ホルスト)8.中学生&高校生有志によるオーケストラ 指揮:佐藤 守廣
トランペット協奏曲 変イ長調 (A.アルチュニアン)
第1楽章 Andante – Allegro energico
第2楽章 Meno mosso
第3楽章 TempoⅠ
ソロ:野田 亮(トランペット)
主催者からのレポートをお届けします。
わたしたちの住む郡山市は、多くの市民が音楽を楽しみながら、音楽の力を信じ、「音楽のある街」を目指して地道な音楽活動を積み重ねています。震災8年目を迎える今年1月、市内小中学校の管弦楽・弦楽合奏の活動を行っている小中学校で、4回目となる合同演奏会「第4回オーケストラ・フェスティバル」を開催しました。
演奏会は2部構成で、前半は、郡山市内の参加各校によるステージを行いました。昨年同様、卒業生や地域の方、保護者が一緒にステージに立つ場面が見られた他、今回は新たに、地元の郡山ジュニアフィルハーモニーオーケストラがステージに参加したり、学区を超えて、中学校のステージに小学校の6年生が一緒に参加したりといった新しい展開も見られました。
後半は合同ステージで、初めに小学生合同オーケストラによるステージを行い、「海の見える街」と「ハンガリー舞曲第1番」を演奏しました。今回、「働き方改革」などの影響もあってか、昨年より小学校の参加校が減り、2校の小学校による合同オケとなりました。合同練習は、前日と当日の2回だけでしたが、6年生は前回、一緒に演奏した経験もあり、全体をうまくリードして本番の演奏に臨むことができました。はじめて合同演奏を経験した4・5年生も緊張しつつも楽しみながら演奏している様子がうかがえました。次回は、参加校が増え、たくさんの小学生で一緒に演奏ができることを願っています。
続いて白河地区の7つの小中学校に有志のみなさんが入った「白河地区合同オーケストラ」が、ホルストの組曲「惑星」より「木星」他を演奏しました。
昨年よりも30名多い、総勢160名がステージ上に並んだ様は圧巻でした。小学生のかわらしい「語り」を取り入れるなど、「木星」の演奏に至るまでの構成も工夫されて、次はいったい何があるんだろうというワクワク感がいっぱいのステージでした。そうして演奏された「木星」は、スケールの大きい素晴らしい演奏で、さながら宇宙旅行に出かけているようでした。
中学生と高校生有志によるオーケストラでは、ソリストにトランペット奏者の野田亮さんをお迎えして、アルチュニアン作曲「トランペット協奏曲変イ長調」を演奏しました。3週間前に行った合わせの練習では、野田さんの演奏にオーケストラがなかなか合わせることができず、これは本番までに間に合うのだろうかと心配されましたが、野田さんとの合わせを通して、それまで以上に、子どもたちがどのように曲に向き合えばいいのかを考えて、練習に取り組むようになりました。
前日の合わせでも、はじめは、オケにまだ不十分な点が見られたのですが、野田さんの演奏(音)に引き上げられるように、子どもたちの演奏がみるみる変化していきました。
そうして迎えた本番の演奏は、子どもたち一人一人が持てる力を十二分に発揮してソリストのパフォーマンスに応え、素晴らしい演奏となって会場を魅了したのでした。
今回の「オケ・フェス」も、合同演奏により児童・生徒相互の交流を図ることができました。
本番中の舞台袖で、白河から参加してくれた先生のお一人からこんなお話をお聞きしました。
「(白河地区合同オケに参加している学校の中で)メンバー2人で活動している学校もあるんです。」
総勢160人で参加してくれた「白河地区合同オーケストラ」。白河地区の7つの小中学校が中心になり、そこに有志のみなさんが入って編成された合同オーケストラですが、7校のうち、部員が2人で活動している学校があるというお話でした。その話を聞いて、「オケ・フェス」を開催できてよかったと思いました。2人だけで「木星」のような大曲を演奏する機会はないでしょう。「オケ・フェス」のステージで演奏することを目標に、他校のみんなと一緒に合同練習を行い「木星」の演奏に取り組んできたことは、前述の2人の子どもたちにとって、きっとかけがえのないものになったのではないか、そう感じ、とてもうれしく感じました。
協奏曲は、昨年度までは中学2年生と高校生有志が主体のオーケストラで行っていましたが、今回は、中学1・2年生全員が出演することになりました。その分、演奏がまとまるまでにいつもより時間がかかっていたように感じます。しかし、全員でソリストの野田さんと共演できたことはとても意義深く、それぞれの自信に繋がったのではないかと考えます。それは、終演後の子どもたちのキラキラした眼、生き生きした表情が物語っていました。そして、今回も合同オケや野田さんの演奏(曲)に向き合う姿勢から、子どもたちも私たち指導者も、たくさんのことを学ばせていただきました。それを、これからの各校での活動に生かしていきたいと思います。
今回の「第4回オーケストラ・フェスティバル」を通して、あらためて、
「普段、自分たちだけでは経験できないことが、この『オケ・フェス』なら経験できる!」
「いろいろな可能性がこの『オケ・フェス』にはあるのではないか!」
そう感じました。まだ正式ではありませんが、他の地区からも、今後「オケ・フェス」に参加してみたいという声をいただきました。そういった声を受けて、これからどういった展開ができるのか探っていきたいと思います。そして、次回「第5回オーケストラ・フェスティバル」が子どもたちにとって、もっともっとよりよいものになるよう努めていきたいと思います。