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東北農民管弦楽団 「東北農民管弦楽団 第5回定期演奏会 秋田県上小阿仁村公演」
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- 実施日時
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2018年 3月4日(日)13:30開演
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- 実施場所
- 上小阿仁村生涯学習センター(秋田県)
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- プログラム
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◆歌劇「いたずら農夫」序曲 作品37
作曲:ドヴォルジャーク 指揮:出井則太郎
◆交響曲第6番へ長調 作品68「田園」第1楽章
作曲:ベートヴェーン 指揮:相馬貴之
◆歌劇「魔弾の射手」序曲 作品77
作曲:ウェーバー 指揮:相馬貴之
◆「眠りの森の美女」 作品66より「ワルツ」
作曲:チャイコフスキー 指揮:折居周二
◆交響詩「フィンランディア」 作品26
作曲:シベリウス 指揮:折居周二 賛助出演:上小阿仁中学校吹奏楽部
◆「新日本紀行」
作曲:冨田 勲 指揮:折居周二
◆交響組曲「野人」
作曲:渡辺浦人 指揮:折居周二
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- 出演
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東北農民管弦楽団 上小阿仁中学校吹奏楽部
主催者からのレポートをお届けします。
当団は、これまで青森県弘前市、岩手県花巻市、宮城県仙台市、山形県天童市などの、比較的都市部と近接した地域で公演を行ってきましたが、今回は、農林業が地域の基幹産業として重要な位置を占めている秋田県上小阿仁村を開催地としました。
また、演奏会の曲目選定にあたっては、上小阿仁村のより多くの方々がオーケストラ演奏を気軽に楽しんでくださるよう、同村の美しいたたずまいも念頭に置き、「森の風景」をテーマに全体を構成し、地元、上小阿仁中学校吹奏楽部員6名の中学生との共演や演奏指導を行うこととしたほか、上小阿仁小中学校校歌を、オーケストラに合わせて来場された村民の方々とともに演奏しました。
演奏会に向けた練習は、2017年10月の合宿練習をスタートとして、以後、毎月2回のペースで花巻市に集まり練習を重ねてきました。団員が東北のみならず全国に散らばっていることや、悪天候で交通障害が発生するなど、一堂に会する練習量は不足しがちでしたが、個々人の練習と熱意でカバーし、無事演奏会を終えることができました。共演した上小阿仁中学校吹奏楽部員は、顧問の先生による的確な指導と当団からの出張指導を経て、難曲フィンランディアをものおじすることなく、しっかりと演奏し、出演した中学生たちからは、「貴重な体験で、とても緊張したけれど、一生忘れられない感動を味わいました。」などの感想を寄せていただきました。今回の体験が、彼らの成長にとって大きな刺激になることを心から期待しています。
今回の演奏会についての会場アンケートには、来場者の約40%の方が回答くださるなど、当団演奏会への関心の高さをうかがうことができました。
「秋田は郷土芸能の盛んな地で、働くよろこび、苦しみ、人生のすべてがその中にあり、魂が響き合う。こういった地域文化が豊かな地で、オーケストラを聴けて、今日はいい日になった。」
「熱のこもった演奏に引き込まれました。中学生たちもきっと良い経験になったと思いました。宮沢賢治さんもきっと喜んで聞かれたのではないでしょうか。心嬉しく、感動的な音楽会でした。清々しい気持ちで帰途に付けます。」
「農民オーケストラと聞いて素朴な感じなのかと思いましたが、すぐに裏切られました。音楽家が農業をやっているのでは?という感じでした。自然を相手とした農業と音楽を両立させているのはとても豊かなことだと思いました。」
「こんな山の中で、初めてオーケストラの演奏を目にし、耳にしました。素晴らしかったです。6名の中学生の拍手です。どんなにか感動したことでしょう。一生の思い出になったと思います。自分達から見ると村の良さの自覚が薄い面がありますが、今日の皆さんのオーケストラはそれに気づかせていただき、力強い後押しをしていただいていると感じました。我らが大事な生まれるふるさとに「うるおい」を与えてくださり感謝申し上げます。」
など多くの好意的な評価をいただきました。次回以降の公演においても、農民オーケストラの原点を見失わないよう心掛けていきたいと思います。