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どさんこ青少年オーケストラ協会 「どさんこジュニアオーケストラ道北公演(名寄市・旭川市)」
名寄市 公演
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- 実施日時
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2017年3月19日(日) 13時開演
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- 実施場所
- 名寄市文化センターEN-RAYホール
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- プログラム
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クラリネットこわしちゃった、エーデルワイス、ドレミの歌
名探偵「コナン」メインテーマ、パイレーツ・オブ・カリビアン
シベリウス : 交響詩「フィンランディア」
ビゼー : 「アルルの女」第2組曲より“メヌエット”“ファランドール” ほか
旭川市 公演
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- 実施日時
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2017年3月20日(月祝) 14時開演
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- 実施場所
- 旭川市公会堂ホール
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- プログラム
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バッハ : 2本のバイオリンの為の協奏曲より第1楽章
ヴィヴァルディ : 和声とインヴェンションの試み第1集「四季」から“春”
レスピーギ : シチリアーナ
ビゼー : 歌劇「カルメン」より“ハバネラ” ほか
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- 出演
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菅野宏一郎、池田大介、助乗慎一、野村 聡
独奏 : 湯原佑衣(バイオリン)、宮嵜 響(バイオリン)、町田奈津実(チェロ)、小林優希(メゾ・ソプラノ)
管弦楽 : 名寄市少年少女オーケストラ、金星少年少女オーケストラ(岩手県花巻市)
どさんこジュニアオーケストラ
主催者からのレポートをお届けします。
どさんこ青少年オーケストラ協会は「咲かせよう、北の大地にジュニアオーケストラの花を」を合言葉に2013年4月に設立、以後’13年に江別ジュニアオーケストラ、’14岩見沢ジュニアオーケストラ、’16名寄市少年少女オーケストラを立ち上げて指導運営しています。また当協会が呼びかけて道内に12団体あるジュニアオーケストラのネットワーク構築にも力を入れています。
今回は、「日本最北のオーケストラ」として誕生した「名寄市少年少女オーケストラ」の設立を道内各地のジュニアオーケストラのメンバーと多彩なゲストと共に披露公演を行いました。名寄市は夏は暑く、冬は-20℃以下になる日もあります。ひまわりやアスパラ、もち米の生産が日本一の街としても知られています(伊勢名物の「赤福」にもち米が使われています)。そんな名寄市に2年前、市民の念願だったEN-RAYホールが完成しました。道北の文化の拠点として様々なイベントが行われ、ジュニアオーケストラも毎回ではないですが、練習の段階から使用させていただいています。プロのオーケストラでも羨む環境です。
第1部は、名寄市少年少女オーケストラの披露で、園児や小学生低学年が「キラキラ星」を弾きながら入場すると、会場からは自然と微笑ましい拍手が送られていました。名寄市のゆるキャラ「なよろう」が指揮で登場したり、中級では、作編曲家として首都圏で活躍されている池田大介先生の指揮、先生ご自身が子ども達のために編曲をされた曲を4曲演奏。外はマイナスの名寄ですが、池田先生は浴衣姿で登場し、会場を沸かせてくれました。先生のエネルギッシュな指揮ぶりに虜になった方々も多いとか。
休憩を挟み後半はクラシックの名曲を演奏しました。指揮はルーマニア在住で東京室内管弦楽団の指揮者でもある菅野宏一郎先生で、リハーサルの段階から子ども達にもわかりやすく指導していただき、音楽的にもどんどんとサウンドがよくなってきました。本番では大人顔負けの演奏に大きな拍手が送られていました。また、ゲストとして「TSUNAMIバイオリン」の演奏を東京芸術大学3年生・湯原佑衣さんにお願いし、「チャルダッシュ」と「愛の挨拶」、チェロ奏者の町田奈津実さんと「ユーモレスク」を演奏し、親しみある曲が続きお客さんも真剣に聞いてくれました。お2人の演奏には、子ども達も憧れ、チェロを始めたいという子どももいました。また、今回北海道でジュニアオーケストラの活動を始めるきっかけ、出会いを作ってくれた岩手県花巻市の「金星少年少女オーケストラ」から4名の子ども達が名寄まで駆けつけてくれました。金星ジュニアの設立記念演奏会がついこの間のようです。東日本大震災後、設立された金星ジュニアの活躍はめざましく、花巻では今やなくてはならない存在と聞いています。復興は半ばですが、未来を担う子ども達が楽器を手にして仲間とハーモニーを奏で続ける限り、将来は明るいと確信しました。
コンサートも終盤、「アルルの女」の“メヌエット”ではあの有名なソロを江別ジュニアオーケストラの中学生が担当、ハープも名寄在住の中学生にお願いしました。“ファランドール”では大演舞で圧巻のフィナーレでした。アンコールは出演者全員(120名)で「夢をかなえてドラえもん」を演奏し終了しました。ジュニアオーケストラフェスティバルとしては’14年8月の江別市での開催以来、初めての団員、保護者も多く本番が終わるまでは不安でしたが、演奏会が無事に終わるとその思いは消えていました。
翌日はバスで移動し、北海道第2の都市である旭川での公演です。「春分の日」ということで、陽射しもどこか柔らかく感じましたが、北国はまだまだ寒いです。開演に先立ち「第5回ウィーン・フィル&サントリー音楽復興記念賞」の授賞式が行われました。東京より、公益財団法人サントリー芸術財団の佐々木亮音楽事業部長より、当協会の助乗代表へ受賞記念レリーフが手渡されました。当協会としては初受賞で大変光栄です。
旭川公演では、地元の高校生と大学生との共演がありました。高校3年生の宮嵜響くんは札幌のHBCジュニアオーケストラのコンサートマスターの重責を務め音大受験中、バッハとヴィヴァルディで溌剌とした演奏をしてくれました。これからの活躍がますます楽しみです。旭川出身の作家・三浦綾子さんが唯一作詞した歌謡曲「ナナカマドの並木路」を教育大学大学院に在籍している小林優希さんに独唱をお願いしました。オーケストラと歌との共演は常にバランスに注意を払いますが、指揮者の菅野宏一郎先生や講師陣の的確なアドバイスで、旭川の風景が浮かぶような素晴らしい演奏が出来ました。今後もこの曲を子ども達と受け継いでいきたいですね。
旭川市では、今年度から「旭川市少年少女オーケストラ」の設立を目指して活動が開始しています。仲間が新たに加わります。
多くの方のご理解がなければ続けることのできない活動です。息の長い活動になりますが、これからも子ども達と地道に励んでいきたいと考えております。