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中新田バッハホール「中新田バッハホール開館35周年記念演奏会
~35年間の持続的活動と新たな展開との融合」

  • 実施日時
    2015年2月14日(日)14:00開演
  • 実施場所
    中新田バッハホール(宮城県加美郡)
  • プログラム/出演

    バッハ:主よ人の望みの喜びよ 松尾泰江(オルガン)

    バッハ:管弦楽組曲第2番
      芦澤暁男(フルート)、遠藤麻衣子(チェンバロ)
      第12回バッハホール音楽コンクール審査委員推薦者演奏

    クープラン:演奏会用小品集 盛岡市立緑が丘小学校6年 若林出帆(チェロ)

    メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64第1楽章
      弘前大学教育学部付属中学校2年 澤田柊(ヴァイオリン)

    三善 晃:瞳に愛を オーケストラ編成 合唱付き 石島正博(編曲)

    ベートーベン:交響曲第9番 第4楽章
      申 寿美(ソプラノ)、高橋真美(アルト)、松尾英章(テノール)、千葉昌哉(バス)、
      バッハホール開館35周年記念合唱団

    アンコール

    バッハ:主よ人の望みの喜びよ
      金澤茂(音楽監督)、野津如弘(指揮)、バッハホール管弦楽団、
      宮﨑博(コンサートマスター)

主催者からのレポートをお届けします。
開館35周年記念演奏会の中新田バッハホールは、ほぼ満員のお客さんで埋めつくされました。
指揮者は野津如弘さん、コンサートマスターは仙台フィル首席ヴァイオリン奏者の宮崎博さん、演奏はバッハホール管弦楽団、合唱はバッハホール開館35周年記念合唱団が務めました。
バッハホールは、昭和56年2月15日に開館し、以来、この地域に音楽文化を提供し続けてきましたが、このたびこれまで様々な形でかかわって来たみなさんが、演奏して、歌って、開館35年という節目のお祝いをしました。

初めに、バッハホール音楽院オルガン科の講師を長く勤めている松尾泰江さんによるバッハの「主よ人の望みの喜びよ」のオルガン演奏。続いて、バッハの「管弦楽組曲第二番」。フルートソロは、仙台フィルの芦澤暁男さん、チェンバロは加美町出身の遠藤麻衣子さん。
続いて、昨年8月29日にバッハホールで開催された第12回音楽コンクールの入賞者で、審査員より推薦された岩手県盛岡市立緑が丘小学校6年の若林出帆さんと弘前大学教育学部付属中学校2年澤田柊さんが出演して、それぞれチェロとヴァイオリンの協奏曲を披露しました。初めてオーケストラと共演した若い二人には、大きな励みとなったようです。


後半は、「第4回ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞」の贈呈式で始まりました。一昨年に開催した「バッハホール管弦楽団の設立記念初演演奏会」に引き続き、今回も栄誉ある本賞を頂くことになりました。公益財団法人サントリー芸術財団から、勝田哲司専務理事様と礒山雅理事様が来町され、壇上で猪股洋文町長に楯を贈呈しました。
その後、贈呈式に続いて、加美町の前身中新田町(なかにいだまち)の町歌であった混声四部合唱「瞳に愛を」(作詞:宗 左近、作曲:三善 晃)のオーケストラ版の初演となりました。三善先生のお弟子さんで桐朋学園大学作曲科の石島正博教授が編曲し、歌詞も「なかにいだ」から「かみまち」に修正して、師弟二代による作品の継承となりました。
それに続いて、ベートーベンの交響曲第九番第4楽章と合唱が演奏されました。昭和56年5月24日に、バッハホール落成記念として、故芥川也寸志先生の指揮で、当時200名を超す方々が旧宮城フィルの演奏で大合唱しました。今回は、創設2年目のバッハホール管弦楽団と、長年地域で歌い続けてきた地元の合唱愛好家のみなさん80名が、昨年10月から石川浩先生の指導の下練習を重ね、「瞳に愛を」と第九の2曲をエキストラを入れることなく堂々と声高らかに歌い上げました。
そして、アンコールは、オーケストラのテーマ曲でもある「主よ人の望みの喜びよ」が厳かに演奏され、会場からは満場の拍手喝采をいただきました。

本ホールは、宮城県の音楽活動の拠点の一つとして、開館以来35年間活動を展開してまいりました。2年前には、アマチュアのオーケストラを創設して、地域の演奏家が演奏活動できるように動き出しました。子供からお年寄りまで年齢制限なく団員を受け入れ、演奏活動を開催してきました。同時に、音楽を通じて豊かな人間形成の場としても寄与していただくとともに、地域文化の発展にも貢献できればと念願しています。
活動3年目の今年は、少しずつ体制固めを進めながら、より充実を目指しています。本オーケストラは、ホール付という位置付けですので、4年目以降についても事業は継続して行っていきます。多くの方々に演奏会に足を運んでいただき、音楽の魅力を感じていただくとともに、精神的にも豊かな気持ちになっていただければ幸いであると思います。

ぜひとも、いつの日にか、ウィーフィルのメンバーと成長しているであろうバッハホール管弦楽団が、バッハホールのステージで共演させていただけば幸いです。
このたびの祈念賞の受賞には、バッハホールに関係してきている者一同心より感謝申し上げます。