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郡山市音楽教育研究会(管弦楽指導研究部) 「第1回オーケストラ・フェスティバル」
- 実施日時
- 2016年2月7日(日)13:00開演
- 実施会場
- 郡山市民文化センター 中ホール
- プログラム/出演
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第1部 参加各校のステージ
1. 橘小学校特設合奏部 指揮:大竹晃司
ブリテン:シンプル・シンフォニー 作品4 より
シベリウス:交響詩「フィンランディア」作品26
with 郡山第三中学校吹奏楽部
2. 芳賀小学校特設合奏部 指揮:遠藤達也
ベートーヴェン:祝祭劇「アテネの廃墟」序曲 作品113
ベートーヴェン:交響曲第1番 ハ長調 作品21 より 第2楽章
3. 開成小学校特設合奏部 指揮:髙橋洋行
ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 作品67 より 第4楽章
アンダーソン:ブルー・タンゴ
4. 赤木小学校特設合奏部 指揮:藤澤由宗
ベートーヴェン「エグモント」序曲 作品84
ハムリッシュ:アイスキャッスルのテーマ
5. 桜小学校特設合奏部 指揮:栗木 健
ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 作品67 より 第4楽章
伊福部昭:ゴジラ~メインテーマ~
6. 金透小学校特設音楽部 指揮:大室 聡
モーツァルト:歌劇「後宮からの逃走」序曲K.384
アンダーソン:シンコペイテッド・クロック
アンダーソン:ジャズ・ピチカート
7. 緑ヶ丘中学校管弦楽部 指揮:榎 治子
シベリウス:交響詩「フィンランディア」作品26
バデルト:パイレーツ・オブ・カリビアン
8. 郡山第二中学校管弦楽部 指揮:齋藤正夫
グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」より 序曲
シュトラウスⅠ世:ラデッキー行進曲 作品228
第2部 合同ステージ
9. 5年生合同オーケストラ(金透小、橘小、開成小、芳賀小、桜小、赤木小) 指揮:遠藤達也
ブラームス:ハンガリー舞曲第5番 ト短調
10.5年生合同オーケストラ(金透小、橘小、開成小、芳賀小、桜小、赤木小) 指揮:栗木 健
ブラームス:ハンガリー舞曲第6番 二長調
11.6年生合同オーケストラ(金透小、橘小、開成小、芳賀小、桜小) 指揮:大竹晃司
ロジャース&ハマースタインⅡ世:「サウンド・オブ・ミュージック」ハイライト
12.小学生&中高生有志によるオーケストラ 指揮:佐藤守廣
モーツァルト:ホルン協奏曲第1番 ニ長調 K.412/514(386b)
ソロ:大野雄太(東京交響楽団首席ホルン奏者)
13.中学生&高校生有志によるオーケストラ 指揮:佐藤守廣
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64 より 第1楽章
ソロ:土屋杏子(東京交響楽団ヴァイオリン奏者)
主催者からのレポートをお届けします。
私たちの住む郡山市は、多くの市民が音楽を楽しみながら、音楽の力を信じ、「音楽のある街」を目指して、戦後まもなくから今日に至るまで、たゆまず地道な音楽活動を積み重ねて来ました。その歩みは、未曽有の災害に遭遇した後も少しも変わることはありません。
とりわけ、子どもたちの音楽活動における活躍はめざましく、震災被害による校舎の改修等の困難な状況をも懸命に乗り越え、合唱や吹奏楽・管弦楽・弦楽など、各分野においてダイナミックな活動を日々展開して来たのです。
こうした歩みを続ける中、震災5年目を迎える今年2月、市内小中学校の管弦楽・弦楽合奏の活動を行っている団体が一同に会し、初の合同演奏会である「第1回オーケストラ・フェスティバル」を開催することができました。
この度、記念すべき第1回の合同演奏会に対し、栄えある「第4回ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞」をいただきましたことは、私たち関係者はもちろん、子どもたちや家族の皆さんにとっても、大きなよろこびでした。
また、演奏会当日には、わざわざサントリー芸術財団様にお越しいただき、開演前に本賞の受賞式を行わせていただきました。
演奏会においては、はじめに、参加8小中学校による各校それぞれのステージを行いました。当然のことですが、学校間でパフォーマンスの完成度に多少の差が生じたことは事実です。しかし、演奏に参加した児童生徒や指揮を務めた先生方にも、自らの音楽を客観的に見つめる良い機会になったものと思います。
次に、小学5年生と6年生それぞれの合同オーケストラによるステージを行いました。5年生においては、6校のメンバーを約50名ずつ2つのグループに分け、それぞれブラームスの「ハンガリー舞曲第5番及び第6番」を演奏しました。
6年生では、5校による約80名のメンバーで「サウンド・オブ・ミュージック」を演奏しました。日頃、活動を異にする児童が共にアンサンブルすることは、とても良い刺激になり、格好の勉強の場となりました。
演奏会の最後は、二人のソリストとの共演となりました。
小学生と中高生有志によるオーケストラでは、東京交響楽団首席ホルン奏者の大野雄太さんをソリストにお迎えし、モーツァルト作曲「ホルン協奏曲第1番、第1・2楽章」を演奏しました。
ソリスト合わせのリハーサルでは、大野さんから子どもたちに適切なアドバイスをいただき、オーケストラの音色や音楽表現がみるみるうちに変わって行きました。
そして、本番では、大野さんの澄んだ音色に触発されるように、さらにクオリティの高い素敵なパフォーマンスとなりました。
中学生と高校生有志によるオーケストラでは、東京交響楽団第一ヴァイオリン奏者の土屋杏子さんをお迎えし、メンデルスゾーン作曲「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」より第1楽章を演奏しました。前日のリハーサルでは、中学生たちが、土屋さんの美しい音色と鮮やかな技巧にすっかり魅せられてしまい、自分の演奏を忘れてしまう場面もあったほどでした。しかし、本番になるとソリストに呼応する見事なパフォーマンスを展開し、会場を埋め尽くした多くの聴衆の心に、深い感動を呼び起こしてくれました。
今回の「第1回オーケストラ・フェスティバル」には、いくつか改善すべき点がありましたが、それにもまして得るものが多くあり、初回としては満足すべき内容であったと考えております。
もちろん、演奏に関しては、各校とも、さらなる向上が望まれることを痛感しております。合わせて、合同オーケストラにおいては、事前の準備等にかなりのエネルギーを必要とし、今後、その充実に向けて力を尽くして行きたいと思います。
ともかく、何よりの成果は、子どもたちの音楽による交流と、素晴らしい二人のソリストと共演できたことで得られた感動であったと信じています。
お二人のプロとして真摯に音楽と向き合う姿には、無言の教えがありました。それは、子どもたちのみならず、私たち指導者にとりましても貴重な勉強の場であったことは言うまでもありません。
今回、受験のため参加できなかった中学3年生から、「来年は是非参加したいので、第2回オケ・フェス絶対やってください!よろしくお願いします!」との声があった他、聴衆として訪れていた高校生からも、「すごく楽しかったので、来年は高校生も参加したいです。」と強く要請されました。
こうした、多くの声を受けて、次回の「オーケストラ・フェスティバル」が、さらに良いものになるよう、内容を工夫しながらステップアップを図って行きたいと思います。そして、将来は、郡山市内の小・中学校だけでなく、高校や県内他団体との交流の実現に発展して行ければと願っています。