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北海道農民管弦楽団「北海道農民管弦楽団 第22回定期演奏会 名寄公演」
- 実施日時
- 2016年1月31日(日)14時開演
- 実施会場
- 名寄市文化センターEN-RAYホール
- プログラム
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EJ.シュトラウス2世::喜歌劇「こうもり」序曲
E.グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調
P.I.チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調Op.36
- 出演
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中村 幸(ピアノ独奏)、牧野時夫(指揮)、北海道農民管弦楽団(管弦楽)
主催者からのレポートをお届けします。
私達「北海道農民管弦楽団」は、1994年夏に脱サラ農民3名からスタートし、1995年1月に第1回の演奏会を開催。 以降、年々仲間を増やし現在約70名で活動しています。宮沢賢治が成しえなかった夢を現代へ甦らせようと「鍬で大地を耕し、音楽で心を耕す」をモットーとし、毎年農閑期の11月頃から練習し毎冬1回の定期公演を北海道内で続けています。
今回は2011年のデンマーク公演を除けば国内最北の地での公演です。名寄市には昨年の5月に木のぬくもりを感じる、市民の念願であったEN-RAYホール(エンレイは市花である延齢草)が完成しました。ホール座席も当初は名寄に因み746席の予定でしたが、最終的には647席になったそうです。道北地方の文化の拠点として益々の活用が楽しみなホールです。
写真1:名寄市の冬は寒く、雪が多く・・・-20℃以下になると太陽が空気中のダイヤモンドダストに反射して柱状に輝いて見える幻想的な自然現象が、サンピラー(太陽柱)です。
写真2:ホテルより「雪質日本一」のピアシリスキー場を望む。
公演に先立ち、当団としては2回目(1回目は2013年の花巻公演)の「ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞」の授賞式が行われました。公益財団法人サントリー芸術財団の勝田哲司専務理事より、当団の牧野代表へ受賞記念のレリーフが手渡され、ご挨拶もいただきました。関係者の皆様にはあらためまして団員一同感謝致しております。
1曲目は、本日1月最後ということでニューイヤーの気分を「こうもり」序曲で幕開け。
ウィンナワルツを表現するのに練習でも苦労しましたが、オペレッタの楽しい場面が目まぐるしく詰まった序曲に聴衆からは大きな拍手をいただきました。
2曲目は、このホールのピアノ、スタインウェイの弾き込み奏者でもある中村幸さんを迎えて厳寒の名寄にふさわしい、北欧の作曲家・グリーグのピアノ協奏曲を共演しました。
劇的な冒頭から、2楽章の抒情的なメロディ、ノルウェーの民謡調のリズムが印象的な3楽章、中村さんの演奏をじっくりと飽きることなく聴衆と共にステージ上のメンバーも聞き惚れてしまいました。
3曲目は、クラシックでは人気の高い作曲家、チャイコフスキーの交響曲第4番に挑戦しました。牧野代表もいつかは農民オーケストラで演奏したいと望んでいた曲です。しかし、技術的にはとても難しく10月末から始まった練習でも苦戦しましたが、団員一人ひとりの諦めない姿勢が実を結びました。チャイコフスキー同じ北国に住む同志ですから、自然と風景や音楽に共感できる部分が多々あります。熱演でフィナーレが終わり万雷の拍手をいただき、ホッとしました。
この日のアンコール1曲目、チャイコフスキーの暑さをクールダウン、同じロシアのラフマニノフ作曲の「ヴォカリーズ」を牧野代表のヴァイオリン独奏と弦楽伴奏版で、しっとりとしたメロディを聴衆は静かに聞き入っていました。
アンコール2曲目は、今回当団の演奏会の現地実行委員長を務めていただいた佐藤勝氏(農家、前市議会副議長)の熱望により「ラデツキー行進曲」を会場の皆さんも手拍子で参加し大盛況のうちに演奏会を閉じることが出来ました。
また、私たちは北海道内各地でオーケストラの演奏をするだけではなく、少しでも農業の振興の一助になればという思いで活動しております。今回は、前日から昼食などは地元の社会福祉法人「陽だまり」による、下川うどんやカレーライスの炊き出し、開演前にロビーでの地場産の大福(名寄はもち米の生産日本一!)や団員の加工品(ぶどうジュース等)も販売されました。沢山の方の応援があり、私達の活動が成り立っております。温もりの感じるコンサートを今後も続けてまいりたいと思っています。