主催者からのレポートをお届けします。
名取交響吹奏楽団は、1983年に宮城県名取市内中学校・高校吹奏楽部OB・OGにより結成された、宮城県名取市を拠点に活動している吹奏楽団です。現在団員は約70名となり、定期演奏会、全日本吹奏楽コンクールへの出場、各種演奏会への出演など精力的な演奏活動のほか、地元中高生への指導など地域に根ざした活動を行っています。
4年前の東日本大震災により、名取市も甚大な被害を受け、当団も一時活動のできない状態になりました。多くの方が家族や家々を失い、希望を失いつつある中で、我々に何ができるのか答えを模索する日々が続きましたが、我々の演奏で被災者の方の心の復興に繋がればと思い、活動を再開しました。現在も「地元の復興は自分たちの手で」をモットーに、チャリティーコンサートなど復興支援を目的とした活動を続けています。
そして今回6月28日（日）に、名取市文化会館大ホールにて第31回定期演奏会を開催いたしました。今回は、名取市内の仮設住宅にお住まいの方にお声がけし、約40名の方をご招待させていただきました。
演奏会第1部、第3部ではクラシックステージを行い、J．マッキー作曲「ワイン・ダーク・シー」やE．ウィテカー作曲「ゴースト・トレイン」などを演奏し、最新の吹奏楽オリジナルの曲をお聞きいただきました。
第2部では、TBC東北放送アナウンサー安東理紗さんを司会に迎え、“愛”をテーマに「拝啓、名取より愛を込めて」と題したプログラムをお届けしました。昭和歌謡メドレーでは、演奏をバックに当団団員と安東さんのデュエットを披露し、会場を盛り上げました。
懐かしの曲を口ずさむ方、楽しそうに笑う方、涙を流す方など、たくさんの表情をお見受けし、私たちが音楽を通して何ができるかを再確認することができ、非常にうれしく思いました。私たちの演奏活動を通じ、復興が必要である地元に強く根差し、これからも多くの幸せを届けられるよう精進してまいります。
そしてこの度の第3回ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞を受賞、団員一同とても光栄に思っております。
日頃の活動でもそうですが、この様なかたちで評価していただいたことは、団員皆の励みになります。未だ困難な生活を強いられている方々の心の復興を願いながら、今後も地元の復興、更なる発展を祈念し音楽活動を行ってまいります。