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公益社団法人日本アマチュアオーケストラ連盟「高円宮殿下メモリアル第15回日本マスターズオーケストラキャンプ」
- 実施日時
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2015年1月10日(土)~12日(月・祝)
*12日に「公開リハーサル」として演奏会形式で一般公開
- 実施場所
- 京都府立府民ホール アルティ
- 研修曲目
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グリーグ:組曲「ホルベアの時代から」op.40
モーツァルト:交響曲第40番ト短調 k.550
- 講師
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森田昌弘(ヴァイオリン・NHK交響楽団)
御法川雄矢(ヴィオラ・NHK交響楽団)
藤森亮一(チェロ・NHK交響楽団)
*「公開リハーサル」では講師演奏として
ベートーヴェン:弦楽三重奏のためのセレナード ニ長調 op.8 より
第1、4、5、6楽章 が披露された
主催者からのレポートをお届けします。
「高円宮殿下メモリアル日本マスターズオーケストラキャンプ」(略称 MOC)は、(公社)日本アマチュアオーケストラ連盟(略称 JAO)会員オーケストラ及び公募による参加者がオーケストラアンサンブルや奏法・表現方法等について一流の講師から学び、ここでの成果を各自が所属するオーケストラに持ち帰ること、及びそのオーケストラで指導的な役割を果たすことにより、演奏レベルの向上とひいては地域の音楽文化の普及・向上に資することを目的としています。
第2回MOCにご来臨くださいました当時のJAO総裁 故 高円宮殿下は、MOCに格別のご関心を示されておりました。MOCの前途に大きな期待を抱かれていた殿下のご遺志を尊重し、MOCの名称に「高円宮殿下メモリアル」を冠しております。
「第3回ウィーンフィル&サントリー音楽復興祈念賞」受賞の栄誉に浴しました第15回MOCは、NHK交響楽団の奏者としてご活躍中の 森田昌弘氏(ヴァイオリン)、御法川雄矢氏(ヴィオラ)及び藤森亮一氏(チェロ)を講師にお迎えし、オーケストラ演奏におけるアンサンブルの要素を中心的なテーマとした研修を行っていただきました。
研修曲目に有名曲2曲が取り上げられたためか、講師陣から指揮者なしの演奏指示がありました。普段アマチュアオーケストラの中核メンバーとして活躍している参加者にとっては演奏経験のある楽曲であるのにもかかわらず、88名のオーケストラによる指揮者なしの演奏には最初はかなり戸惑った様子がうかがえました。しかし、現役オーケストラ奏者として活躍中の講師陣自ら模範を示しながらの説得力に富んだ指導により、研修時間の経過と共に顕著に演奏水準が向上していることを参加者全員が実感することとなりました。
講師陣からは、ボウイングやビブラート等の奏法による表現力向上の方法や、低声部を土台としたアンサンブル精度の向上方法等についての指導の他、アンサンブルとして音を合わせることに加え、参加者一人ひとりが単に大きな音を出すのではなく、豊かな響きを奏でるための重要な奏法について丁寧なご指導をいただきました。
キャンプ終了後に参加者から回収したアンケートでは、「皆が自発的に音を出したときの響の素晴らしさを知った」「今回の研修のようなアプローチは初めての経験だったが、素晴らしい経験をした」「今回の研修のポイントを自団でも取り入れてみたい」等の記載が多くあり、主催者として今キャンプの成果を大いに実感するところとなりました。
キャンプ最終日の「公開リハーサル」には、京都府のご協力により京都府在住の東日本大震災被災者の方々の内10数名のご来場を得、多数のご来場者に本キャンプの成果を披露することができました。
JAOは、上記のような内容のMOCこそ公益目的に適う重要な事業と位置づけ、今後も毎年開催してまいります。
最後になりますが、「第3回ウィーンフィル&サントリー音楽復興祈念賞」を授与くださいました(公財)サントリー芸術財団並びにご関係の皆様に厚くお礼申し上げます。