- 10
いわてフィルハーモニー・オーケストラ 「第3回定期演奏会」
- 実施日時
- 2014年4月19日(土)19:00開演
- 実施場所
- 岩手県民会館大ホール
- プログラム
-
シベリウス:フィンランディア
サン・サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番
ベートーベン:交響曲第5番
- 出演
寺崎巖(指揮/宮古市出身)
伊藤奏子(ヴァイオリン/宮古市出身)
主催者からのレポートをお届けします。
第3回目を迎えた「いわてフィルハーモニー・オーケストラ」定期演奏会は大盛況でした。
8月よりBBCスコティッシュ交響楽団の副コンサートマスターに就任が決まっている伊藤奏子さんをソリスト及びコンサートマスターに迎え、指導・共演を通して大きくステップアップしました。
事前のリハーサルでは、伊藤奏子さんの的確な指導でどんどん音がまとまっていくのがわかります。また、前週のリハーサルでは、BBCスコティッシュ交響楽団首席チェロ奏者のマーティン・ストーリー氏も駆けつけ、スペシャルレッスンを受けることができました。
交響詩「フィンランディア」は被災地岩手の復興の思いと重なるところがあり、悲痛な叫びから勝利への道筋を共に実感しながらのオープニングとなりました。
サン・サーンスのヴァイオリン協奏曲では、伊藤奏子さんの祈りのこもった名演となりました。宮古市出身の伊藤奏子さんは、震災後、被災地での多くの演奏活動を行い、たくさんの感動を届けています。
ベートーベンの交響曲第5番はまさに今立ち上がろうとしている岩手にふさわしい楽曲です。私たちは今までとは違う多くの共感をもってこの曲を演奏しました。
リハーサルを重ねるごとに、この素晴らしいシンフォニーに内在する精神世界に感動し、共感を深めていきました。
また、楽章を進むごとに我々演奏家が一体となって共振し、やがて観客を含めて思いを一つにした稀有な体験でした。
音楽を通じて人が結びつき、心を癒し、新たな希望を生む。
そんな素晴らしいひと時でした。
いわてフィルハーモニー・オーケストラでは、この後、大槌小学校金管バンドへの継続指導(トヨタ子どもとアーティスト・こどもサポート基金)や大船渡公演など被災地支援も含めた取り組みが控えています。更にステップアップして、県民に感動を届けられる楽団に成長していきたいと思います。ご支援ほんとうにありがとうございました。