おんがく

【アートのおしごと・ホール編(へん)】レセプショニストって何をするの?

2014.10.28

ホールのおしごと(レセプショニスト)

日本のコンサートホールでは、制服(せいふく)を着てお客様のご案内(あんない)をする人たちのことを「レセプショニスト」とよぶことが多くあります。実はこのレセプショニストによるサービスは、サントリーホールではじまったんだ。レセプショニストは、コンサートを聴(き)きにきたお客様に気持ちよく過(す)ごしてもらうために、いろいろなお仕事をしているよ。基本(きほん)のお仕事は、3つ。1つめは、笑顔(えがお)で「いらっしゃいませ」とお客様を出迎(でむか)えて、チケットを切ること。2つめは、クロークで大きな荷物やコートをあずかること。そして3つめは、座席(ざせき)へのご案内。このほかにも、道案内やホールのことなどいろいろなお問合せに答えたり、具合の悪くなった人の看病(かんびょう)をしたり、車イスなど手助けが必要(ひつよう)なお客様をご案内したりと、レセプショニストは大忙(いそが)し。どんなことにもすぐに対応(たいおう)できるように、レセプショニストたちは日々(ひび)勉強をかさねるほか、お客様の安全を守るために、定期的に救命(きゅうめい)講習(こうしゅう)を受けたり、避難(ひなん)訓練(くんれん)に参加(さんか)したりもしているんだ。

現在(げんざい)、サントリーホールではたらくレセプショニストは約(やく)100人。なんとホールがオープンしたときからはたらいている人もいるよ。一つのコンサートに、2,006席(せき)の大ホールでは25~30人、約400席のブルーローズ(小ホール)では5人のレセプショニストがつきます。

どんなことにも対応しなくてはいけない大変(たいへん)そうなお仕事だけれど、どんな時にやりがいをかんじるのだろう? 石飛加寿子(いしとびかずこ)マネージャーに話をきいてみたよ。

「やはりわたしたちのサービスをお客様によろこんでいただけたときです。たとえば、車イスでいらしたお客様から、「満席(まんせき)で他のお客様がたくさんいる中でも、スムーズに、スマートに案内してもらえてよかった」とわざわざお礼のお電話をいただいたときはとてもうれしかったです」

では、どんな人がこのお仕事に向いているんだろう?石飛さんはこう答えてくれました。

「音楽が好(す)きで、何かこまっている人がいたら助けてあげたいと思い、行動する勇気(ゆうき)を持った人ですね。長い間立ちっぱなしですから、体が健康(けんこう)であることも大事です。」

こんどホールに行ったときには、レセプショニストたちのお仕事のようすをかんさつしてみよう。

クロークでこどもレセプショニストに仕事の説明(せつめい)をする石飛マネージャー