2016年9月10日(土) 11:00開演(かいえん)(10:30開場)
「流れる水のスタイル」
<出演(しゅつえん)>
指揮(しき):現田茂夫(げんだしげお)
ヴァイオリン:千住真理子(せんじゅまりこ)
司会(しかい):坪井直樹(つぼいなおき)(テレビ朝日アナウンサー)
オーケストラ:東京交響(こうきょう)楽団(がくだん)
<曲目>
J.シュトラウスⅡ: ワルツ「美しく青きドナウ」
ブルッフ: ヴァイオリン協奏曲(きょうそうきょく)第1番から第3楽章
マスネ:タイスの瞑想(めいそう)曲
イヴァノヴィチ:ドナウ河(がわ)のさざ波
スメタナ:連作(れんさく)交響(こうきょう)詩『わが祖国(そこく)』から「モルダウ」
9月10日(土) 「流れる水のスタイル」では、小学生のころからオーケストラや指揮に親しんでいたという現田茂夫さんがはじめてこども定期演奏会に登場(とうじょう)。ソリストにはヴァイオリニストの千住真理子さんをおむかえします。「流れる水のスタイル」というテーマで行うプログラムについて現田さんにお話しを聞きました。
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・・・・・・・今回のコンサートは「流れる水のスタイル」というタイトルですね。
今回は海や川で水に親しんだ夏休み明けのコンサート。その水が流れるというのは、人生や時も音楽もそうですが、人間にとって大事な要素(ようそ)。人類(じんるい)は水なしでは生きていけません。文明は川のほとりに生まれました。まさに川は恵みです。しかし、氾濫(はんらん)して怖(こわ)いこともあります。治水(ちすい)などの知恵(ちえ)が必要(ひつよう)です。水と共生(きょうせい)していく。われわれ人間は水や空気を守っていかなければなりません。
ドイツ語の好(す)きな言葉に『フリーセント fliesend(流れる)』というのがあります。音楽がいつも流れ、時間が流れていくことを聴衆(ちょうしゅう)のみなさんと体感したいですね。
・・・・・・・まずは、ヨハン・シュトラウス2世の「美しく青きドナウ」ですね。
流れる水といえば、川。川を題材(だいざい)とした一番有名な曲は「美しく青きドナウ」ですね。そして、ドナウ河の近くを流れる「モルダウ」。地元チェコではヴルタヴァ河といいます。『ドナウ河のさざなみ』は、子どもの頃にオーケストラで演奏したことがありますが、大人になって指揮するのははじめてかもしれません。
わたしは文化庁(ぶんかちょう)在外(ざいがい)派遣(はけん)でウィーンで勉強し、そのあとも数年ウィーンに住んでいました。ドナウ河は、川べりに行って日光浴(にっこうよく)をしたり、ピクニックに行ったり、四季(しき)を通じて美しい。ちょうどそのころには結婚(けっこん)していたので、家内(筆者注:ソプラノ歌手の佐藤(さとう)しのぶさん)も来ていて、懐(なつか)かしく思い出します。
・・・・・・・スメタナの「モルダウ」も取り上げられます。
オーストリアのとなりの国のチェコにもよく行きました。モルダウ河のほとりには、すばらしいドヴォルザーク・ホールがあり、川をはさんで、大統領府(だいとうりょうふ)もあります。そしてカレル橋がかかっています。スメタナが書いた「モルダウ」では、ちょろちょろとした流れが雄大(ゆうだい)になっていきます。踊(おど)りがあったり、月の光が描(えが)かれたり。そして激流(げきりゅう)があって、大きくなっていきます。すばらしい作品です。
・・・・・・・千住真理子さんとの共演(きょうえん)では、ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番第3楽章とマスネの「タイスの瞑想曲」を取り上げます。
千住真理子さんのリクエストです。
「タイスの瞑想曲」は、ほとんどのヴァイオリニストの弾(ひ)く有名な曲。何でもない分散(ぶんさん)和音に水の光を感じます。『流れる水のスタイル』にぴったりの作品です。
ブルッフのヴァイオリン協奏曲は炎(ほのお)のような作品ですが、流れる音楽でもあります。
・・・・・・・子ども向けのコンサートで心がけていることはありますか?
子どもでも大人でも関係(かんけい)なく、私がおいしいよと思うものをみなさんにおきかせしたい。子どもたちは好きなことには熱中(ねっちゅう)しますが、そうでないものにはすぐにあきてしまいます。そういう意味ではきびしい聴衆(ちょうしゅう)です。ですから子どもたちがとりこになるような演奏をしなければなりません。
「音楽がいつも流れ、時間が流れていくことを聴衆のみなさんと体感したい」山田治生(はるお)(音楽評論(ひょうろん)家)インタビューより
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開演(かいえん)前の10時40分から、オーケストラやホールのスタッフがわかりやすくお話してくれる「プレトーク」(約(やく)10分間)が始まります。今回は東京交響楽団の大野順二(じゅんじ)楽団長が「オーケストラの魅力(みりょく)」ついてのお話してくれますよ。こちらもお楽しみに。