おんがく

「こども定期演奏(えんそう)会」9月公演(こうえん)のききどころ※終了しました

2015.09.09

9月26日(土)(第55回)の指揮(しき)者は岩村力さん。音楽を専門的(せんもんてき)に勉強する前に、大学で理科系(けい)の勉強をしていたそうです。現在(げんざい)、兵庫芸術(ひょうごげいじゅつ)文化センター管弦楽団(かんげんがくだん)(PACオーケストラ)とともに、中学1年生を対象(たいしょう)とした「わくわくオーケストラ教室」の多くの公演を指揮(しき)しています。

20150909_こども定期_1 指揮者の岩村力さん

今回は、7月公演のシューベルトやメンデルスゾーンといったロマン派(は)の前期より少し後の時代で、"もっとロマンティック!"なワーグナー、ドヴォルザーク、チャイコフスキー、グリーグのワーグナーの曲を取り上げるよ。岩村さんが、このコンサートへの思いを語ってくれました。演奏する曲のききどころにも注目してね。

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■「こども定期演奏会」では何を聴(き)かせてくださるのでしょうか?

ロマン派の後期ということで、神尾真由子(かみおまゆこ)さんにチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲(きょうそうきょく)の第1楽章を弾(ひ)いてもらいます。神尾さんとは何度も共演(きょうえん)しています。ロマン派では、ワーグナーは避(さ)けて通れません。オペラのストーリーやオーケストラの華(はな)やかさから、すっとワーグナーの世界に入れる『さまよえるオランダ人』の序曲(じょきょく)を選び(えら)びました。それら2曲は生き生きとした音楽ですが、ドヴォルザークからは少し内面的(てき)で祈(いの)りのような交響曲(こうきょうきょく)第8番第2楽章を選びました。交響曲にこのような内省的(ないせいてき)な音楽を取り入れるようになったということで取り上げました。こういう音楽を飽(あ)きさせず、うまく伝(つた)えられれば嬉(うれ)しいですね。そしてグリーグの『過(す)ぎし春』はBGMでも使われるような音楽ですが、長調でも哀(かな)しみを誘(さそ)います。ロマン派は、前期はドイツ音楽が中心でしたが、後期になってくると、チェコのドヴォルザーク、ロシアのチャイコフスキー、北欧(ほくおう)のグリーグのように、各国(かっこく)へ浸透(しんとう)していきます。 


20150909_こども定期_2チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏する神尾真由子さん

■「こども定期演奏会」の聴衆(ちょうしゅう)の中心は小学生です。彼(かれ)らに楽しんでもらうためのアイデアはありますか?

みなさんに何か面白かったなと思っていただければと思います。親子で満足(まんぞく)してもらうのをモットーとしていますから。トークにもある種(しゅ)の技(わざ)が必要(ひつよう)かもしれません。曲そのものの歴史(れきし)を話しても授業(じゅぎょう)みたいになってしまいます。コンサートホールは教室ではないと思います。ですからいつもお客さんとオーケストラの距離(きょり)が縮(ちぢ)まるような工夫(くふう)を心がけています。作曲家にしても、ドヴォルザークがものすごい鉄道ファンだったことを話したり。先ほど述(の)べた後期ロマン派の周辺(しゅうへん)国への広がりには、電気技術(ぎじゅつ)や鉄道の発展(はってん)が関係(かんけい)あります。それから、ヴァイオリン協奏曲がありますので、ヴァイオリンの音程(おんてい)の難(むずか)しさやヴィブラートについてもお話しできればと思います.

■こども定期演奏会に向けてメッセージをいただけますか。

なんか面白かったな、聴いてよかったなと思っていただけるコンサートにしたいと思っています。できれば、お父さまお母さまだけでなく、3世代で来ていただいて、オーケストラを近くに感じて、世代を越(こ)えてオーケストラの話に花が咲(さ)くような一日にしていただければと思います。

「オーケストラを身近に感じるコンサートを、3世代で楽しんでほしい」山田治生(はるお)(音楽評論(ひょうろん)家)インタビューより

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開演(かいえん)前の10時40分からは、音楽ライターでこども定期演奏会のプログラムの曲目解説(かいせつ)を書いている、飯田有抄(いいだありさ)さんが、作品や作曲家、音楽の歴史(れきし)について勉強することの楽しさや大切さについてお話してくれる「プレトーク」もぜひ楽しんでね。

保護者のみなさまへ

この公演は小学1年生よりご入場いただけます。
年齢にかかわらず、チケットはお一人様1枚ご用意ください。
1回券:3,000円(全席指定)発売中
 
お電話でのお申込み・お問合せ
サントリーホールチケットセンター 0570-55-0017
TOKYO SYMPHONYチケットセンター 044-520-1511

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