2024年7月26日(金)、27日(土)、サントリーアートキッズクラブでは、3~6歳(さい)のみんなのための夏休みプログラム「いろいろドレドレ ―美術(びじゅつ)と音楽に親しむワークショップ&コンサート― vol. 8 へんしん! なりきりファッションショー」をサントリーホール ブルーローズ(小ホール)で開催(かいさい)しました。
参加者のキッズのみんなは、まずは入口から入ってすぐのスペースでぶたいかざりを作りました。うすい色紙をかさねて、山折り・谷折りを順番にくりかえしてテープでひとつにまとめ、広げてととのえると・・・まるで大きなお花がさいたようです!会場の真ん中の通路の両側(りょうがわ)にひとつずつならべてかざりました。
そしてマットにすわり、段(だん)ボールと銀色に光る台紙と持ち手の棒(ぼう)を組み立て、手かがみのような形の「へんしんステッキ」を親子で作りました。銀色に光る台紙はかがみのようにうつりこむので、かがみの中をのぞきこんだり、手に持ってふったりして、わくわくしながら開演(かいえん)を待ちます。みんなのお花のぶたいかざりも通路にならび、ファッションショーのランウェイが出来上がりました。
Music Players おかわり団(だん)のみなさんが登場し「あつまれチンドンドン」という楽しいメロディーの曲でコンサートがはじまりました。お花でかざられたランウェイをヴァイオリン、トランペット、ピアニカ、テューバ、サクソフォーン、パーカッションの順に一人ずつ歩きながらソロパートを奏(かな)で、最後にご案内役の神崎ゆう子さんが入場。ランウェイをファッションモデルのように歩き、今回のテーマ「なりきり!ファッションショー」がはじまりました。
これは「へんしんステッキ」のかがみにうつっている自分が、音楽にあったいろいろな衣裳(いしょう)を着ているすがたを思い浮かべると、たとえ着がえを持っていなくても、それぞれ頭の中で自分の好きなデザインの衣裳に変身することができるという、特別なファッションショーなんです。キッズのみんなは、かた手で高く上げて、まほうの呪文(じゅもん)「へんしん!なりきりファッションショー」と、となえながらステッキで円をえがき顔の前に持ってきて、思い思いのファッションを頭にうかべました。
ファッションショーの始まりの音楽は、アンダーソン作曲「舞踏(ぶとう)会の美女」。3拍子(びょうし)のワルツの軽やかなリズムの曲から、プリンセスのようなドレスを思いうかべた人が多かったかもしれません。次の曲はお正月によく耳にする「春の海」。もともとはお箏(こと)と尺八(しゃくはち)で演奏(えんそう)する日本の曲なので、七五三で着た着物など、日本ならではの衣裳(いしょう)を思いうかべたお友達も多かったようです。
季節と国ががらりと変わって次は夏のブラジルの音楽。ボサノヴァの「サマー・サンバ」をききながら変身します。ピアノのかっこよいメロディーにあわせて、海で泳げる水着やアロハのような明るいもようのついたシャツなど、夏ならではのいろんな服が思いうかびます。
ここで神崎さんからみんなに「何か習いごとをしていますか」と問いかけがありました。「ピアノやヴァイオリンといった楽器や、お絵かきや工作などのアートの教室、そして体を動かす習い事もありますね。」人気ある習いごとのひとつ、クラシックバレエの有名な音楽から、チャイコフスキー作曲「四羽の白鳥の踊(おど)り」をききながら、白鳥のような白いバレエの衣裳を思いうかべて、くるくると回ったりとびはねたり踊っているお友達もいましたね。
そしてヴェルディというイタリアの作曲家が作った音楽「凱旋(がいせん)行進曲」をききました。もともとは、オペラの作品の中で、「戦いに勝って、いさましく行進しながら故郷(こきょう)に帰ってきた」という場面につけられた曲なのですが、そのいさましくてかっこいい曲のイメージから、サッカーの日本代表の応援(おうえん)にも使われるようになりました。トランペットの音色もいさましく、サッカー選手のユニフォームや、兜(かぶと)をつけて剣(けん)をもった勇者など、自分が変身したい姿(すがた)をイメージしながらききました。
コンサートのしめくくりには、この公演のオリジナル曲「いろいろドレドレのうた」を神崎さんと会場がひとつになって歌って、約1時間のプログラムを終えました。