中村 美保子Mihoko Nakamura
ブランドマネージャーの仕事はお客様の潜在意識の掘り起こしから始まる。
多くのハードルを乗り越えて
店頭展開することの重要性を知る。
北関東エリアに出店する量販店の個店担当として店舗を巡回し、本部の企画を最大限実現させると同時に、本部担当者と密に連携を取りながら、現場の生きた情報を届けるのが主な職務でした。
企画力だけではなく、競合による販促の状況や、他のカテゴリーとのバッティング、店舗担当者との関係性など、様々なハードルを乗り越えて売場展開することの重要性を学んだ1年でした。
夏場にBOSSとハーゲンダッツのコラボによるコーヒーフロート企画を店頭で展開。初めて自主企画が通った喜びもあり、相当な枚数の店頭展開写真を撮ったのがいい思い出となっています。
相手の課題を考えず我の強い商談をして
出入り禁止になった経験も。
1年間個店担当を経験した後、本部担当に仕事が変わりました。
本部への営業活動はチーム戦であり、関わる全ての人を巻きこんで総力戦で戦う必要があります。そして誰よりも個々の店舗の状況や特長に精通することが大切であり、自社商品を活用して量販店の課題を解決するのが本部担当の主な役割です。ただ、そのことを理解する前は、相手の課題意識と自社の課題をすり合わせずに我の強い商談を推し進めていたため、出入禁止にされたこともありました。当時は未熟だったなと思います。
自ら開発した商品が
店頭で購入されるのを見て
思わず感激の涙。
社内公募を通過し、念願の商品開発部署に配属され、「伊右衛門」の展開品(濃いめ、玄米茶、ジャスミン茶)などのブランドマネージャーに就任しました。希望に満ち溢れ、「現場での経験を生かすぞ~!」と意気込んで臨んだものの、いざとなるとわからないことだらけ。営業現場で見てきたものは消費者ではなく流通だったことを痛感し、深く悩む日々を過ごしました。
そして右も左も分からないまま、苦しみながら商品化したのが「伊右衛門濃いめ」でした。リニューアル日にコンビニエンスストアで店頭視察をしていた際、男性のお客様が購入していく姿を見た時は、感激の涙と共に、思わず近づいてお礼を言いたくなるほどの嬉しさでした。「諦めずにやっててよかった」と、心が救われた瞬間でした。
商品化からTVCMまで一気通貫で
経験したことが大きな糧に。
日本茶から中国茶へ担当替えとなり、「おいしい腸活 流々茶」で初めて商品化からTVCMを含めたコミュニケーションまで担当しました。「お通じ習慣を改善する」という機能を備えた商品なのですが、私自身も「お通じ習慣」には長年の悩みがあったため、商品に注ぐ愛着もどんどん深くなる一方で、オフィスで「便秘!」「便秘!」と熱く語り合う日々を過ごしています。
責任の幅が広がる分、自分の不甲斐なさに直面する場面も多かったですが、商品化からコミュニケーションまで一気通貫で経験したことで、ブランドマネージャーとしての幅も広がったと思います。
* 内容・社員の所属は取材当時のものです。