菊池 友里Yuri Kikuchi
2009年に「ハイボールブーム」が起こり、「角瓶」の売上が伸びていく最中の2011年に、私はウイスキー部に異動し、「角ハイボール缶」の担当になりました。「角ハイボール缶」は「ハイボールブーム」の真っ只中の2009年に発売され、積極的な展開を図っていました。しかし、私が担当する頃は、やや伸びに陰りが見え始め、正直、社内的には「少しブームが去った商品」と位置づけられていたように思います。
そんな状況のなかで、ブランド担当としての私の仕事がスタート。お客様の声を聞くなかで、「絶対に缶だからこそ、伝えられることがある」という確信が芽生えたのを覚えています。「角ハイは居酒屋では飲むけど家では飲まない」というお客様が多くいましたが、その理由は「作り方がわからない」「瓶1本買うのはハードルが高い」ということでした。そんな方にこそ、気軽に家で角ハイボールを楽しんでいただくための「『入口』的存在」として、缶を提案する余地はまだまだある!」と感じたのです。再度ブランドのコンディションを上げるべく、リニューアルを伴うリマーケティングをすることに。最も苦労したのは、「歴史が長い角瓶のブランド」の「缶製品」として、どこまで「角瓶」のブランド資産を守りながら、どこまで新しい提案をできるか。手軽に身近に感じてもらい、「一部のお酒好きの人だけが飲むお酒」というイメージを変えたい。中味担当やデザイナーと議論を重ね、どこまで変えていいのか?悩む日々が続きました。そして、迎えたリニューアルは大成功!昔からのお客様も離れることなく、新しいお客様も獲得することが出来ました。
ハイボールの一つの楽しみ方として「缶で飲むスタイルを家庭内でも定着させたい!」。多くの酒類品が「ビール」や「チューハイ」など缶で気軽に飲むスタイルになっている時代。当たり前のように、お酒が好きなご家庭の冷蔵庫に「角ハイボール缶」が冷えて待っている。そういう世界まではまだまだ道半ばだと思いますが、そういう日を目指して、日々頭に汗をかいて提案していきたいと思っています。