全世界4万人、その6割が日本以外で働くサントリーグループ。
一人ひとりのたゆまぬ挑戦を礎に“Global One Suntory”として発展していくため、人事では「全社員型タレントマネジメント」と「ダイバーシティ経営」を基本方針としています。人に関わるすべての施策を貫くこの二つの概念は、全社員による「やってみなはれ」のさらなる進化と新しい価値を創出するドライブになっています。
「サントリーは人が命。一人ひとりが持てる力を最大限発揮し、活躍することが会社の成長につながる」という考えのもと、さまざまな働き方を想定したきめ細かい人材育成施策を展開、個に寄り添った運用を行っています。目指す姿は「全社員が自立したプロフェッショナルとして、自らのキャリアをデザインし、新たな価値を生み出し続けるグローバルカンパニー」です。
上司、人事とともに社員が自らのキャリアを考える「キャリアビジョン」を軸に、会社・部門横断的なジョブローテーションや、「サントリーリーダーシップスピリッツ(マネジャー相当職対象)」「考動項目(メンバー相当職対象)」に基づいた現場での育成および適材適所の配置を推進、すべての社員がキャリアをポジティブに楽しみ、活躍できる場の実現に取り組んでいます。
サントリーの人材育成制度の中心にあるのは、社員・上司・人事が三位一体となった「キャリアビジョン」です。社員は自らの将来的なキャリアを見据え、10年後の姿を自らデザインし、そこから逆算して中期や直近でどんな経験を希望したいかを「キャリアビジョンシート」に申告。それをもとに上司と面談を実施、長期的な「なりたい姿」とその実現に向けた取り組みについてプランを策定します。
「人材は全社の財産。全社で個を育成する」と考え、本人の能力を最大限活かす視点で会社や事業・部門をまたがるジョブローテーションも積極的に行っています。イントラネット上の「キャリアビジョン情報サイト」では、多様なキャリアデザインを支援する情報が公開されています。
年1回の「キャリアビジョン」面談のほか、年3回、上司・部下で個々の業務や考課について話し合う面接を実施しています。メンバー層には、年初に上司と設定した業務計画の目標およびプロセスの達成度評価に加え、サントリー社員として求められる社員像を示した「考動項目」に照らした評価もフィードバックされます。評価基準を公開し、計画の立案から結果まで上司ととことん話し合い、明確にフィードバックされる仕組みにより、社員一人ひとりにとって公正かつ納得性の高い評価制度を目指しています。
入社1年後には一人前の社員として責任ある仕事を任せられるよう、OJTとOff-JTの両面から新入社員を育成していきます。入社時集合研修では、グローバルビジネスに関するプログラムや、ビジネスマナーのシミュレーションを実施。さらに入社半年後には1泊2日の「VALUE研修」を行い、創業の精神「やってみなはれ」や、「利益三分主義」を体験的に理解します。若手社員のローテーションにも積極的に取り組んでいます。入社4年目、9年目の社員全員と人事が面談する仕組みを整え、一人ひとりのキャリアビジョンや適性を直接把握。現場のトップ、人事が一体となり、本人がより成長できるよう営業から広報、マーケティングからシステム部門など、会社や事業・部門をまたがった異動を行っています。
若手のローテーションの具体例としては、次のものがあります。
■営業現場での経験を踏まえて宣伝・マーケティングの道へ
■飲料マーケティングから酒類マーケティングへの同じ職種で事業をまたがる
■財務部での海外会社のM&A業務を経て、その買収先の会社での財務管理に携わる
■ものづくり現場での経験を踏まえて、商品の開発・味づくりに携わる
サントリーのグローバルな発展を支えるため、社内のグローバル人材の育成に全力を注いでいます。国内外のビジネススクールに留学し、英語による経営学修士(MBA)を修得する制度、グローバル業務遂行に必要なスキルを個別に設定・修得する「キャリアチャレンジ」制度などを用意。
他にも、海外グループ会社に社員を派遣するトレーニー制度を設けています。
さらに、国内外のサントリーグループから選抜されたリーダー層を対象に、様々なプログラムを準備。世界各国からの参加者のリーダーシップ開発に取り組んでいます。
サントリーでは、人材の多様性を推進し、多様な価値観や発想を取り入れ、活かすことによって、より大きな価値を創出する「ダイバーシティ経営」を基本方針としています。
誰もがサントリー社員としての自覚と誇りを持ち、自らの心を解き放ち自分らしくいきいきと働ける職場、仲間の個性や多様性を強みとして活かす組織の実現に向け、2021年11月より、新たに「DEI Vision Statement」を制定しました。
サントリーグループ全体でDiversity, Equity & Inclusionを推進していきます。
私たちは、国籍や年齢、性別などに関係なく公平に尊重され、一人ひとりの個性が受け入れ活かされるDiversity, Equity & Inclusionの実現を通して、新しいこと・オモシロイことの創出にチャレンジしています。
近年のダイバーシティ強化に向けた一連の施策が、成果を上げ始めています。女性の活躍推進を目指し、全女性管理職を対象とした「Diverse Leadership Forum」の開催、産休前ガイダンス・育休後フォローアップセミナーによる復職者支援、さらに復職者を部下に持つ上司への情報発信など、本人だけでなく職場を巻き込んだ取り組みを進めた結果、出産・育児による休職からの復職率100パーセント、そして女性管理職社員の比率は現在10.5%まで拡大しています。
シニア層社員のニーズに応えるため、65歳定年制を導入。ベテラン従業員が長年培った経験と知識を活かして、一層活躍できるようサポートを進めていきます。また障がいのある社員に対しても、採用だけでなく現場の受け入れ体制強化にも注力。障がい者雇用率は、サントリーホールディングス(株)2.82%、サントリー食品インターナショナル(株)2.66%に上ります。
サントリーでは「女性が働きやすく、かつ成果を上げている会社」を目指し、“復職後の早期フルモード化”を後押ししています。育児との両立支援策として、最長7か月間、認証保育園並みの負担額でベビーシッターサービスを利用できる制度を整備。産休前ガイダンスや育休後フォローアップセミナーも開催しています。「働き方改革」を銘打ち、ワークスタイル革新にも着手。働く場所と時間の制約をなくし、多様な働き方が可能となる仕組みを整えています。柔軟な働き方を目指し、フレックスタイム制の導入、テレワーク環境の整備、サテライトオフィスの拡充などを実施しています。評価制度においても、昇格が育児などのために遅れるのを防止するため、出勤率が100%に満たない社員にはみなし評価を実行しています。さらに、若手女性におけるキャリアの不安・壁にアプローチし、キャリアにおける選択肢を広げ、中長期のキャリアを考える事を目的としたセミナーの実施、サントリーグループグローバルの女性管理職を対象としたネットワーキングイベントを開催したり、産休前ガイダンスには男女を問わず興味のある方/パートナーも参加可能とし、社員全体を巻き込んだ意識改革にも挑戦しています。
従業員一人ひとりが心身ともに健康な状態で活躍できるよう、安心して働ける環境を整備しています。
サントリーの働き方改革やダイバーシティ強化の取り組みは、社外からも高い評価を頂いています。
働き方
第4回「日経Smart Work大賞」において、初の「殿堂入り企業」に選出されました。
日本経済新聞社が実施する「第4回日経Smart Work経営調査」においてサントリーグループは、総合ランキングで最高ランクとなる5つ星を3年連続で獲得に加え、「人材活用力」「イノベーション力」「市場開拓力」の3部門でいずれも3年連続で最高評価の「S++」を獲得しました。
とりわけ、「人材活用力」では、女性やシニア、外国人の活躍を促すダイバーシティ推進や在宅勤務、モバイルワークなどの制度や環境を整え、多様で柔軟な働き方を実現している点が高く評価されました。
人生100年時代の新たな働き方のため「プラチナキャリア」実現に取り組む企業を表彰する第3回「プラチナキャリア・アワード」にて優秀賞を受賞しました。
多様な人材の活躍推進
「女性の活躍推進が進んでいる企業」としての最高認定「えるぼし(3段階目)」、「子育てサポート企業」として最高認定「プラチナくるみん」を獲得しました。 (参考:厚生労働省HP)
LGBTなどの性的マイノリティに関する取り組みの評価指標において最高評価の「ゴールド」を受賞※
※LGBTなどの性的マイノリティに関するダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援する任意団体「work with Pride」が、2016年に日本初の職場におけるLGBTなどのセクシュアル・マイノリティへの取組みの評価指標「PRIDE指標」を策定(ご参考:サントリー公式HP「サントリーグループのCSR」)
障がい者が職場でいきいきと活躍するための環境整備を評価いただき、「障害者雇用エクセレントカンパニー賞」の産業労働局長賞を受賞しました。
(ご参考:サントリー公式ホームページ)