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DX TOP INTERVIEW

ダイナミックな変革
に挑める
未開の荒野がここにはある

PROFILE

室元 隆志

サントリーホールディングス株式会社
常務執行役員・デジタル本部長
サントリーシステムテクノロジー株式会社
取締役
1988年入社

CAREER

サントリー入社以来、宣伝部、業務用営業などを経て、2000年よりデジタルマーケティング業務に従事。サントリーホームページの立上げ、基盤整備、ビジネス活用のR&D、広告ROIの効率化、EC、ブランドなどのデジタルマーケティングなどを手がける。2021年1月より現職。

CHAPTER.01

メーカーの存在意義が
問われる時代だからこそ
新しい価値を生み出す「手段」としてのDXが必要

サントリーはこれまで、飲料や酒類、サプリメントなどを通じて人々の暮らしに「潤いや活力」をもたらしてきました。そしてモノづくりだけでなく、心に刺さるクリエイティブ、飲酒文化を創る飲み場、イベント・プロモーションなどを通じて付加価値を生み出し、他社との差別化を図ってきました。
近年のハイボール復活への仕掛けづくりも、リアルな体験の場から新しい飲酒文化を創出し、お客様に提供した成功例の一つと言えるでしょう。

しかし時代が大きく変わりゆく中、今後は今までの店頭中心、販売中心の思考から、顧客価値をどう高めるかを考える「顧客起点」の思考へシフトすることが求められます。

上海視察で抱いた強い危機感

私自身が強くその危機感を抱いたのは、5年ほど前に上海に視察に行ったときでした。その当時、中国の都市部では自転車シェアリングが急成長し、自転車を買う消費者は大きく減少。その結果、自転車メーカーは「シェアリングサービスに自転車を供給するだけの存在」になり、地位が大きく下がっていたのです。「メーカーの存在意義が脅かされる時代が来た」「日本でも、飲料・食料業界でも同じことが起こるかもしれない」と非常に強い危機感を抱きました。実は、この危機感を社内で共有するために、今でも毎年5~10人程度を中国視察に連れて行っています。

「日本は中国とは違うから」「飲料・食品業界ではそんなことは起こらない」と考えるのは、あまりに楽観的すぎるでしょう。
大手のショッピングセンターやECモールなどが市場での主導権を握ったら彼らが持つ豊富な顧客データを基に開発されたPBブランドしか売れない世界が来ないとも限らない。その世界では、サントリーは「指定された値段・スペックのものを、製造するメーカー」になってしまいます。

そうならないためには、お客様をどこよりも一番理解した上で、期待を超えるモノやサービスを常に生み出し続けられる会社になる必要があると私は考えています。そこで不可欠なのが、お客様にとっての新しい価値を生み出す「手段」としてのDXです。

CHAPTER.02

リアルのアセットとお客様の課題を
起点にして新しい価値を提供することが我々のやるべきDX

サントリーにはこれまで築いてきた強いアセットがあります。宣伝クリエイティブ力、デザインの力、強力な営業力、飲食店のネットワークなど、一朝一夕には作れない「リアルのアセット」です。さらには「お客様を喜ばせたい!」という創業以来のDNAがあります。
こうしたアセットを活かし、さらにお客様が日々の生活の中で感じている様々な課題をしっかりと理解すること。この「リアルのアセット」と「お客様の理解」の2つを起点にして、新しい驚きと価値を生み出し、そして提供し続けていくことが我々がやるべきDXであり、そこに「終わり」はありません。

例えばCMもイベントも今までは一斉にマス向けに提供してきましたが、デジタル技術を使えば一人ひとりにパーソナライズされた形でお届けできます。サービスの分野なら、使っていくうちにどんどん「その人」向けに進化させることも可能になるでしょう。デジタルの力で顧客体験を創り、それにより顧客を理解し、さらに良質の体験を提供していくフィードバックループを回すことができるわけです。
現実問題として、飲料、酒類、サプリメントなどリアルな商品のパーソナライズは、非常に難しいと思っています。しかし、例えば「自宅用のお酒の8割が夕食時に飲まれている」というデータに基づき、夕食を豊かにするためのサービスを創出するとします。リアルな商品だけではできないことも、そうしたデジタル接点と組み合わせれば一人ひとりに良質な家飲み体験を提供することが可能になります。

「モノ」に留まらないサービス企画も進行中

まだ企画段階なので詳しくは語れませんが、「食卓を豊かにしたいけど時間がない」「スキル不足で上手く料理ができない」など人それぞれ置かれている状況が違う中、デジタルの力で「その人」の悩みを解決し、食卓が豊かになるようパーソナライズされていくようなサービスを作ろうとしているところです。

DXは、お客様のことを誰よりも深く理解し、お客様に良質な体験を提供するという目的のための手段です。DXの推進そのものが目的とならないためにも、どうすれば顧客に新しい価値を提供できるのか、本質的な部分を常に自分たちで考えていくことが大切だと考えています。

「データ・AI活用」に必要な強固なシステム基盤構築

なおデータを扱う上では、強固なシステム基盤構築も重要です。必要な時に必要なデータをすぐに取りだし、AIモデルの構築も可能なシステム基盤の開発にも注力しています。

データというとお客様起点のデータを連想しがちですが、サントリーグループには300を超える業務システムが稼働しており、膨大な量の貴重なデータが存在しています。それらの業務システムを安定的に稼働させることはもとより、日々蓄積されるデータを活用して業務改善を行い、それを通じてお客様に還元する。そのようなサイクルを回すべく、システム基盤開発・業務データ活用にも力を入れています。

CHAPTER.03

「やってみなはれ」の言葉に挑戦心がかき立てられ、デジタル時代の新しい価値創出に挑める人材を求む

消費財メーカーであるサントリーは、既存の流通を通じたビジネスが売上の大半を占めており、デジタルネイティブな企業ではありません。ことDXに関しては、まさに未開の荒野が目の前に広がっている状態であり、発想力とやり方次第でダイナミックに変革できる余地があります。

そうした状況下で我々が求めるのは、創業以来のDNAである「やってみなはれ」精神をデジタル時代に体現でき、デジタル時代の新しいサントリーの価値創出を担える人材です。
自分がアイデアを出してもいいし、事業や営業のエキスパートと共に価値創出の戦略を共創してもいい。まさに自ら鎌を手にして荒地に立ち向かい、自由にけもの道を作っていただくようなイメージです。逆に言うと、舗装された道を100kmで走ればいいという環境では全くないので、そこに不安を感じる人には向いていないかも知れません。

私自身も30年以上サントリーで働いていますが、若手の頃から何度も会社から「やってみなはれ」と背中を押されてきました。時には無茶振りとしか思えない状況に放り込まれて七転八倒した結果、驚く程自分が成長していたという経験を重ねてきました。
サントリーには、これまでに築き上げた「リアルのアセット」があります。「顧客を喜ばせたい」というDNAもあります。「やってみはなれ」と背中を押す文化もあります。そして今、産業構造の転換の中で大きく変革しようとしています。
デジタル時代の新しい価値提供やコトづくりにチャレンジしたい想いがあって、「やってみなはれ」の言葉にピンときたら、まずは扉を叩いてみてください。