INTERVIEW.07
YUKI
YAZAWA
PROFILE
矢澤 薫
サントリーシステムテクノロジー株式会社
ビジネスプロセス改革部 EA推進グループ
2015年4月入社
CAREER
2015年入社。大学時代IT専攻ではなかったが、研修やOJTを通じて、サントリーシステムテクノロジー ビジネスサービス部酒類営業チームで、営業部門で使用する業務アプリケーションの運用などに従事。2022年に「より幅広い経験と技術を身に着けたい」と自ら志望して現在の部署に異動し、現在はITアーキテクチャ方針の策定・推進に従事。
CHAPTER.01
「対消費者」「対社内」の両方を担うSST
サントリーシステムテクノロジー(以下SST)の業務は、「消費者向け」と「社内向け」の二つの大きなカテゴリーに分かれています。消費者向けには、サントリーのお酒やソフトドリンクなど、サントリー製品に関連するウェブサイトの開発・運用をおこなっており、具体的には製品ホームページやブランドサイトの構築、さらにはECサイトの開発や管理などを行っています。また社内向けには、社内システムの開発・運用を行い、業務の円滑で効率的な遂行を支えています。
私が所属しているビジネスプロセス改革部は、主に後者の「社内システムの革新・改善」を担っており、その中で私は、2030年に向けたIT部門のビジョンに沿って、現在「共通基盤としてのシステム構造はどうあるべきか」という重要な問題に取り組んでいます。例えば社内システムのログイン認証において、顔認証や指紋認証など利用者志向のデザインを検討するなど、未来のあるべきシステムの形を模索しています。
CHAPTER.02
「ユーザーの姿が見える」仕事をしたいと思い選んだ環境
大学時代の研究は理系でしたが、IT専攻ではありませんでした。ただ、ロジカルで深く考えられる仕事がしたいと思い、就職活動ではIT系を中心におこなっていました。その中でも、「システム利用者の姿が目に見えるところで働きたい」という思いから、サントリーを選びました。
実際SSTにいると、システムを利用しているサントリーグループ社員とのやり取りが日常的に発生します。同じグループの社員と言えども、ユーザーの声を直接聞くことができ感謝してもらえるというのは、仕事の大きなやりがいになっています。またSSTとしても「ユーザーである社員が働く現場に足を運ぶ」「使っている現場をしっかりと見る」ことを大切にしており、それが現行システムの課題を特定し、改善に結び付ける重要なプロセスとなっています。
人に惹かれたのもサントリーを選んだ理由
複数の会社を受けている中で、最終的にサントリーを選んだのは人の要素が大きかったですね。面接時の雰囲気は他社と比べ堅苦しくなく、フラットな雰囲気で自分に合っていると感じました。良い意味で真面目過ぎないところが、働きやすさにつながっていると思います。
また、日常的に社員が「やってみなはれ」という言葉を口に出す訳ではないのですが、言葉そのものがなくても、チャレンジする人の背中を押してくれる雰囲気があります。
私自身、自ら志願し2022年に異動を経験しました。入社以来一貫して酒類の営業システム運用に従事し一通りの知識やスキルを身につけていたので、そのまま上を目指すこともできましたが「幅広く、新しい領域を学びたい」と異動を申し出たのです。希望を出しやすい、チャレンジを応援してくれる雰囲気があったからこそ、自らキャリアを切り拓くことができたのだと思います。
CHAPTER.03
同期と比べてITスキルが足りなかった入社時
前述した通り私の大学での専攻はIT関連ではありませんでしたが、同期のなかにはIT関連の研究をしていた人もいたので、入社初期のスキルにおいては彼らより劣っていたことは間違いありません。研修を受けた際も、正直なところ内容に追いつくのに苦労したこともありました。
しかし研修後の実務で、「まずはプログラムを書いてみる」という経験を積みました。駆け出しエンジニアとして、実践でのプログラミングは非常に重要だったと今も感じています。開発を協力会社に依頼する場合でも、自分でプログラミングの経験がないと「実装の可否」や「スケジュール感」などの判断も難しくなってしまいます。現在でも新人育成の一環として実践でのプログラミングがありますが、この方針は今後も続けてほしいですね。
要件定義での苦労が教えてくれた本質
サントリー製品をお取り扱いいただいている卸店様への「支払システムの要件定義」を担当した時のこと。このプロジェクトは関係者が10人以上いて、「本当にやりたいことは何か」「意思決定の軸は何か」を擦り合わせる過程が非常に困難でした。その結果、コンセプト立案だけで1年も費やしてしまいました。
ただ要件定義については、「スピードよりも正確さ」が重要だと考えています。共通認識を持たずに次のフェーズへ進むと、後になって新たな要求が出てきて開発に手戻りが発生してしまうからです。手戻りが発生すれば、その分だけ時間もコストもかかります。
このプロジェクトでは、共通認識を構築するために全員で「ウォークスルー」をおこないました。業務フローとシステムの動きを一連の流れで提示することで、システム完成後の状態を視覚化しました。このシステムは全国の卸店様が関わるもので、取り扱う金額も大きかったため、時間をかけて関係各所の認識を深めることができたのは非常に有意義だったと感じています。
CHAPTER.04
各現場で「ITを使う」が当たり前の感覚に
最近では、DXの意識もかなり社内に浸透してきたと感じています。私が入社をした時は「ITはIT部門で」という雰囲気がありましたが、現在は営業や物流など他部門から「この課題をITを活用して解決できないか」と自ら考える文化が根付いてきました。さらに、「自部署専用のツールは自分たちで開発する」という動きも見られるようになっています。
今後、この動きは更に広がるだろうと考えています。その時、SSTに求められるのは「ビジネスそのものを変えるようなシステム」「汎用的に使えるようなシステム」といった大きな仕事になるでしょう。そうなった時に向けて、今からさらにスキルを磨いておく必要があると感じています。
2022年に現部署に異動するまで、私の仕事は主に運用が中心でした。そのためシステム基盤に関連するスキルはまだ足りないと感じています。将来的にはサントリーのシステム全体を変革するような仕事に携われるよう、これからも実務を通じて必要なスキルと経験を身に付けていきたいですね。