INTERVIEW.09
TAKURO
YAMASHITA
PROFILE
山下 拓朗
サントリーシステムテクノロジー株式会社
D2Cシステム部
2006年入社
情報科学部出身
CAREER
若手が臆せず意見を通し生き生きと働く姿に惹かれ、2006年入社。初任配属は基盤事業部(大阪)のネットワークチームで、サントリーグループのネットワーク通信を支える基幹サーバのメイン担当になって間もなくFirewall停止による全サービス停止という大トラブルに遭遇。その後も何度かトラブルを経験するも、関係者が一致団結し立場に関係なく最善を尽くす対応に感銘を受ける。4年目で同部署内のコミュニケーションチームに、6年目に同部署内のグローバルチーム(東京)へ異動・M&Aによる海外各社のシステム統合に取り組んでいる。
CHAPTER.01
0.1秒のレスポンス遅延も見逃さず、システムトラブルに先手を打つ。
24時間365日稼働を支えるシステム担当者の矜持
入社7年目に同部署内のサーバチームに異動し、健康食品事業を展開するサントリーウエルネス(SWE)専任になりました。それまでの経験を活かし、PCからコールセンターなどの特殊環境に至るまでSWEのインフラすべての運用・開発の窓口として、主にコンサルティング業務を担当しています。
「セサミン」でおなじみのSWEは、設立以降、売上高は右肩上がりで伸び続けている成長企業で、サントリーグループの成長戦略の一端を担う重要企業です。通信販売形式のため、システムは24時間365日稼働が絶対条件と厳しい品質を求められます。
他にもSWEのシステムの特徴として、お客様の個人情報量が多く、サントリーグループの標準基盤よりシビアなセキュリティ水準が要求される点が挙げられます。むろんシステムダウンは論外。私自身も「システムは動いて当たり前」「その上で常に高品質のものを提供し続ける」意識を持ち続けるようにしています。ですから、お客様への応答が0.1秒遅くなれば「原因は?対策は?」と皆で議論することも日常茶飯事。コールセンターの場合は電話が1秒間途切れたらアウトです。この基準はグループでも特に厳しいレベルですね。
BtoCならでのスピード感も特徴と言えます。コールセンターではお客様に「いついつまでに回答します」と早い納期感でコミットしますので、インフラでも負けないよう事前に障害を検知し、レポートを上げるよう努めています。見えなくともシステムの先には最終カスタマーであるお客様がいる。何かあってからでは遅いのです。
「サントリーウエルネスのコールセンターは凄い」と言われたい。目指すは健康食品分野のNO.1コールセンター
今一番の目標は「健康食品のコールセンターといえばサントリーウエルネスが凄い」と評価されること。顧客の平均年齢が高いこともあり、コールセンターは重要なコミュニケーションの場と位置づけています。
システムの反応スピードを上げ、素早いレスポンスでお客様にストレスを感じさせないことはもちろん、私は特にリピーターのお客様に「今話しているこの人は、自分のことをちゃんとわかってくれているな」と安心する体験を提供したい。そのためにインフラ部門ができることは、お客様とのやりとりからバックデータを蓄積し、必要に応じて素早く表示させるシステムの構築であり、そういう積み重ねが「ITでサントリーの事業を変える」ことにつながるのだと思います。私自身、ITによる事業変革には思い入れが強いので、それを常に念頭において仕事に取り組んでいます。
「あなたのおかげでシステムが止まらなくなった」。盤石なシステム構築のためには下流工程の知識も不可欠
現在、SWEのインフラ専任窓口は私を含めて2人ですが、運用面は基盤サービス部と協力しながら数十人体制で対応しています。トラブルに対する早期対応の実績を重ねたおかげで、本来は叱責されるものであるトラブルなのにSWEから評価の言葉をいただけるようになりました(笑)。通販システムのデータベースサーバの入れ替え時もレスポンス遅延がなくなり安定したと喜んでいただけて。さらに嬉しかったのは「あなたが担当になってからシステムが止まらなくなった」という言葉。ピンチをチャンスにではないですが、トラブル対応によって大いに鍛えられましたね。
SSTの事業領域は、システム開発フローの上流工程にシフト中です。要件定義や設計プロセスはSSTで、それ以降の実装・テストは主に委託先にアウトソーシングするということも多くなっています。けれども顧客に要件ヒアリングするにも、システムトラブルに対応するにも、技術的な知識がないと最適な提案はできません。私は今後も上流だけでなく下流工程にもこだわり、技術を大切にして高品質なサービスを提供していこうと考えています。
(※SST=サントリーシステムテクノロジー)
CHAPTER.02
サントリーグループのイノベーター、そしてゆくゆくは世界で通用するIT人材へ
トラブル対応からコンサルティングへと仕事のレイヤーは上がりましたが、何をするにしても現場意識は身につきました。業務をこう変えたいという要望に対し、システム目線だけでなく、現場の体制、アプリケーションシステム、インフラシステムなど全体を見て、どういった着地点が最も有効か、総合的な目線から提案できるようになりました。
「コールセンターを新しく作りたいなら、あいつに相談すればいける」「インフラならあいつが一番詳しい」との評価をいただき、3年前からはSWEが独自展開している台湾現地法人のインフラ全般のコンサルティングも担当しています。サントリーシステム部門には別途セキュリティ部隊はいますが、インフラ全体について幅広く深い知識を持っているからと指名を受け、現地法人の各システム要件をまとめたり、システムの健全性を見ながらサントリーの評価軸に合わせてアドバイスをしています。
将来はインフラだけにこだわらずITの総合的なデザインをやってみたいですね。サントリーグループにITでイノベーションを仕掛ける、そのきっかけになりたいです。インフラ部門、サントリーグループ、さらには世界でも通用するIT人材として「あいつなら信頼できる」と言ってもらえたら最高ですね。