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©Jörgen Axelvall |
知的で誠実な創作活動と、独自の作曲技法や音楽観で、次世代に影響を与え続ける作曲家
唯一のオペラ『羽衣』、待望の日本初演
サントリーホールは2025年8月28日(木)19:30より大ホールで、「第55回サントリー音楽賞受賞記念コンサート 近藤 譲(作曲)」を開催します。
サントリー芸術財団は、1969年の創設以来、日本の洋楽発展に最も顕著な功績のあった個人または団体に「サントリー音楽賞」を贈呈しており、第55回(2023年度)は、作曲家・音楽評論家の近藤譲が受賞しました。海外で最も著名な日本の作曲家のひとりであり、独自の作曲方法や音楽捉え方は次世代に大きな影響を与え続けています。2023年に開催された「コンポージアム」は、彼の現在を一望できる機会となり、その知的で誠実な活動に対して、贈賞が決定しました。2024年には文化功労者に選出されるなど、多方面からの高い評価も得ています。受賞記念コンサートのプログラムは、欧州で高く評価され、各所から上演を熱望されている唯一のオペラ、『羽衣』を日本初演します。サントリーホールのステージ上、豪華布陣のキャストで展開される幻想的な羽衣伝説の世界にご期待ください。またブルーローズ(小ホール)では、オペラ『羽衣』の前に近藤譲のドキュメンタリー映画を上映します。
〈贈賞理由より(2024年3月発表)〉
近藤の作品は、声高に激情を叫ぶようなものとは異なり、いつも静かに、しかしくっきりとした輪郭を示すもので、その影響は年月を超えて、今一層光を放つようになっている。
2023年度の「コンポージアム」(5月23-28日、東京オペラシティ)は、近藤の人と作品に焦点をあてたもので、ドキュメンタリー映画の上映とトーク、世界初演2曲を含む管弦楽の演奏会(そこには70年代の作品から最新作までが並んだ)、そして武満徹作曲賞の審査、さらには同時期に開催された作曲のマスタークラスや関連公演も含めてこの作曲家の現在を一望できる機会となった。(抜粋)
※公演詳細はこちらからご覧ください。https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20250828_M_3.html
[チケットのお申し込み・お問合せ] サントリーホールチケットセンター TEL 0570-55-0017(10:00~18:00、休館日除く) サントリーホール・メンバーズ・クラブWEB suntoryhall.pia.jp [写真・資料のご請求、ご取材・お問合せ] サントリーホール 広報部 TEL 03-3505-1002 FAX 03-3505-1007 〒107-8403 東京都港区赤坂1-13-1 suntory.jp/HALL/ |
― 記 ―
第55回サントリー音楽賞受賞記念コンサート
近藤 譲(作曲)
Commemorative Concert of the 55th Suntory Music Award
Jo Kondo, Composer
【日時】
2025年8月28日(木)19:30開演(18:50開場)*休憩なし
【会場】
サントリーホール 大ホール
【出演】
指揮:ピエール=アンドレ・ヴァラド Pierre-André Valade, Conductor
メゾ・ソプラノ:加納悦子 Etsuko Kanoh, Mezzo-Soprano
舞踊:厚木三杏 Mia Atsugi, Dance
ナレーター:塩田朋子 Tomoko Shiota, Narrator
フルート:多久潤一朗 Jun-ichiro Taku, Flute
読売日本交響楽団 Yomiuri Nippon Symphony Orchestra
女声合唱団 暁 Akatsuki, Female Choir
合唱指揮:西川竜太 Ryuta Nishikawa, Chorusmaster
【曲目】
近藤 譲:『接骨木(にわとこ)の3つの歌』
Jo Kondo: Three Songs of the Elderberry Tree for Solo Violin with Percussion Accompaniment
近藤 譲:オペラ『羽衣』*日本初演・演奏会形式(舞踊付)
Jo Kondo: Hagoromo [Japanese premiere, concert version in opera with dance]
【主催】サントリーホール
【チケット料金】
S席9,900円 A席7,700円 U25席2,200円
【チケット発売】
サントリーホール・メンバーズ・クラブ先行発売 4月12日(土)10時~18日(金)
一般発売 4月19日(土)10時~
【チケット取り扱い】
サントリーホール・メンバーズ・クラブWEB suntoryhall.pia.jp
※メンバーズ・クラブは要事前登録(会費無料・WEB会員は即日入会可)
サントリーホールチケットセンター 0570-55-0017(10:00~18:00、休館日を除く)
サントリーホール窓口(10:00~18:00、休館日を除く)
※18時以降開演の公演がある場合は開演時刻まで営業
※先行期間中は窓口での販売は致しません。
チケットぴあ t.pia.jp
イープラス eplus.jp
ローソンチケット l-tike.com
※U25席はサントリーホールチケットセンター(WEB・電話・窓口)のみ取り扱い。25歳以下、来場時に身分証提示要。
■『羽衣』作品とあらすじ
近藤譲のオペラ『羽衣』(1994)は、フィレンツェ五月音楽祭(フィレンツェ市立歌劇場)の委嘱で作曲され、ロバート・ウィルソンの演出で初演された。台本は作曲家自らが担当し、世阿弥の原文から核となる部分を抽出して構成されている。
駿河の三保の松原で、伯陵という漁師が松の枝に掛かった美しい羽衣を見つけ、家宝にしようと持ち帰ろうとすると、天に帰るために羽衣が必要だと嘆く天人が現れ、返してほしいと訴える。漁師は、最初は聞き入れないが、天人の悲しむ姿に心を動かされ、天上の舞を見せてもらうことを条件に羽衣を返すことにする。羽衣をまとった天女は、三保の松原の春の美しさを賛美しながら優雅に舞い、やがて富士山の方へ舞い上がり、霞の中に姿を消していった。
■併催企画
オペラ『羽衣』日本初演の機会にあわせて、作曲家・近藤譲のドキュメンタリー映画を上映します。
『A SHAPE OF TIME -the composer Jo Kondo』(2016年)
(監督:ヴィオラ・ルシェ/ハウケ・ハーダー、約100分、日本語字幕付)
2025年8月28日(木)17:00開始(16:30開場)18:50終了予定
全席自由 一般席1,000円 U25席500円
※サントリーホールチケットセンター(WEB・電話・窓口)のみの取り扱い、U25席は25歳以下、来場時に身分証提示要。
※都合により、内容が変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。公演の最新情報はホームページにて発表いたします。(URL=suntory.jp/HALL/)
※就学前のお子様は同伴・入場いただけません。
【プロフィール】
■作曲:近藤 譲 Jo Kondo, Composer
1947年生まれ。東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。ロックフェラー財団やブリティッシュ・カウンシルの招きで米国、英国に滞在。ハーバード大学、イーストマン音楽院、ケルン大学、ハンブルク音楽大学ほか、欧米の多数の大学で講演や講師、客員教授などを務め、ガウデアムス国際作曲コンクール、芥川作曲賞、武満徹作曲賞などの作曲コンクールの審査員も務めた。パリの秋、ハダースフィールド国際音楽祭、タングルウッド音楽祭、コンポージアム(東京)など、国内外の音楽祭で特集が組まれている。1980~1991年、現代音楽アンサンブル「ムジカ・プラクティカ」音楽監督。作品は、オペラ、オーケストラ、室内楽、独奏曲、合唱、電子音楽など広範におよび、作品の楽譜は主に英国のヨーク大学音楽出版局(UYMP)から出版されている。1991年尾高賞、2005年中島健蔵音楽賞、2018年芸術選奨文部科学大臣賞、2024年サントリー音楽賞を受賞。2012年アメリカ芸術・文学アカデミー外国人名誉会員(終身)に、2024年文化功労者に選ばれた。エリザベト音楽大学、お茶の水女子大学、東京藝術大学などで教鞭をとり、現在は昭和音楽大学教授、お茶の水女子大学名誉教授。日本現代音楽協会理事長。主な著書に、『線の音楽』、『聴く人』、『ものがたり西洋音楽史』(毎日出版文化賞特別賞)がある。
■指揮:ピエール=アンドレ・ヴァラド Pierre-André Valade, Conductor
フランスのコレーズ生まれ。1991年パリでアンサンブル・クール=シルキュイを創設し、2008年まで音楽監督を務めた。2013年よりアンサンブル・オルケストラル・コンタンポラン(リヨン)の首席客演指揮者、2014年よりマイター・アンサンブル(テルアビブ)のレジデント・コンダクターを務めている。世界中の主要な音楽祭から定期的に招かれ、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団をはじめ数多くのオーケストラで度々客演を重ねている。録音では、1999年にディアパソン・ドール賞、アカデミー・シャルル・クロ賞を受賞。2001年フランス芸術文化勲章「シュヴァリエ」を受勲。特に20世紀以降の作品の演奏に定評があり、サントリーホールでは、2008年にグリゼー:『音響空間』や、2018年にブーレーズ:『プリ・スロン・プリ』を指揮。直近の来日では、〈コンポージアム2023〉近藤 譲の音楽に出演し、作曲家からの信頼も厚い。
■メゾ・ソプラノ:加納悦子 Etsuko Kanoh, Mezzo-Soprano
東京藝術大学大学院修了後、ケルン音楽大学にて研鑽を積む。ケルン市立歌劇場との専属契約では40以上の演目に出演。シュトゥットゥガルト州立歌劇場、ベルギー・フランドルオペラをはじめ、ヨーロッパ各地で客演。国内でも新国立劇場オペラなどに多く出演。NHK交響楽団などのオーケストラとも共演を重ねる一方、ドイツ歌曲にも定評があり、ベルク、シェーンベルクを中心としたプログラムのリサイタルは度々放送もされている。最近ではNHK-FM「オペラ・ファンタスティカ」のナビゲーターも務めるなど活動の幅を広げている。CD『メアリ・スチュアート女王の詩/シューマン 後期歌曲集』は、レコード・アカデミー賞部門賞を受賞。令和元年度(第70回)芸術選奨文部科学大臣賞(音楽部門)受賞。二期会会員。
■舞踊:厚木三杏 Mia Atsugi, Dance
元新国立劇場バレエ団ファースト・ソリスト。昭和音楽大学バレエコース講師。2010年ニムラ舞踊賞受賞。小川亜矢子、アベ・チエに師事。英国ロイヤル・バレエ・スクールに留学後、スターダンサーズ・バレエ団に所属。ジェローム・ロビンズ振付『牧神の午後』で主役デビュー。文化庁派遣芸術家在外研修員として英国バーミンガム・ロイヤル・バレエで学ぶ。新国立劇場シーズン契約ソリストとして『眠れる森の美女』、『白鳥の湖』、『ドン・キホーテ』、『ジゼル』、『ライモンダ』などに主演。ボリス・エイフマン振付『アンナ・カレーニナ』、石井潤振付『カルメン』ほか、ナチョ・ドゥアト、ジョージ・バランシン、トワイラ・サープ、厚木凡人など現代的な感覚の作品にも出演。
■ナレーター:塩田朋子 Tomoko Shiota, Narrator
福岡県出身。1984年文学座研究所へ入所し、89年に座員となる。平成21年度倉敷演劇鑑賞会賞・特別賞受賞(『ゆれる車の音』)。『ガラスの動物園』、『ヘンリー五世』、『円生と志ん生』、『ジキル&ハイド』など、劇団内外の数多くの舞台に出演。今年5~7月には全国4都市で開催されるミュージカル『二都物語』に出演。また声優としてもケイト・ブランシェット、エマ・トンプソン、ミシェル・ヨー、フランシス・マクドーマンドの、ほとんどの作品の吹き替えをしている。
■フルート:多久潤一朗 Jun-ichiro Taku, Flute
無数の特殊奏法や民族楽器の奏法を駆使し自作自演を軸に活動中。東京藝術大学在学時より現代音楽を中心に活動を始め、国内外の作曲家の新作初演を多数手がける。ソリストとしてもこれまでに新日本フィルハーモニー管弦楽団はじめ数々のオーケストラと協奏曲を共演。超絶技巧フルートトリオ『マグナムトリオ』リーダーとしては世界各国の音楽祭に招かれる。テレビ朝日『題名のない音楽会』などに多数出演し、NHK『クラシックTV』では「The Artist」コーナーで自身の特集が組まれた。
■読売日本交響楽団 Yomiuri Nippon Symphony Orchestra
1962年、クラシック音楽の振興と普及のために読売新聞社、日本テレビ放送網、読売テレビのグループ3社を母体に設立された。創立以来、世界的な指揮者、ソリストと共演を重ねている。現在、常任指揮者をセバスティアン・ヴァイグレが務め、サントリーホールや事業提携を結んでいる東京芸術劇場などで演奏会を多数開催。2017年11月にはシルヴァン・カンブルラン指揮のメシアン『アッシジの聖フランチェスコ』(全曲日本初演)が好評を博し、第49回サントリー音楽賞などを受賞。22年2月には文化庁芸術祭大賞を、24年7月には三菱UFJ信託音楽賞奨励賞を受賞した。演奏会などの模様は日本テレビで放送されている。
https://yomikyo.or.jp/
■女声合唱団 暁 Akatsuki, Female Choir
都立芸術高校(現 都立総合芸術高校)音楽科卒業生により2007年に結成され、全団員が音楽大学在学・卒業。新しい音楽のあり方を追求している。これまでに、数多くの作曲家の34新作を初演。2011~16・24年「湯浅譲二・松平頼暁 合唱作品による個展」、2013~23年日本作編曲家協会主催「The Chorus Plus I~VI」、2018年ミューザ川崎シンフォニーホール主催「オルガンの未来へ IV」、「八村義夫 生誕八十年祭」、2022年「鈴木治行 合唱作品による個展」、2023年「近藤譲 合唱作品による個展」(〈コンポージアム2023〉関連公演)に出演。
https://chorakatsuki.wixsite.com/chor-akatsuki
■合唱指揮:西川竜太 Ryuta Nishikawa, Chorusmaster
東京藝術大学在学中、声楽科有志と共に、1人1パート編成の声楽アンサンブル「ヴォクスマーナ」を創設し、指揮者に就任。2011~16・24年「湯浅譲二・松平頼暁 合唱作品による個展」、2018年「八村義夫 生誕八十年祭」、2022年「鈴木治行 合唱作品による個展」、2023年「近藤譲 合唱作品による個展」(〈コンポージアム2023〉関連公演)を企画・指揮。現代音楽セミナー&フェスティバル 秋吉台の夏2013に招聘講師・演奏家として参加。音楽の新しい時代の創造を目指し、作曲家と協力して220作品を初演。2012年第21回朝日現代音楽賞、2018年第30回ミュージック・ペンクラブ音楽賞クラシック部門 現代音楽部門賞を受賞。
https://ryutanishikawa.wixsite.com/ryutanishikawa
以上