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石川 健人 |
第34回 芥川也寸志サントリー作曲賞(旧名:芥川作曲賞)は、8月24日(土)午後3時から東京・サントリーホールでの演奏会による公開選考の結果、石川健人氏作曲の「ブリコラ-じゅげむ」に決定しました。同氏には、賞状とあわせて賞金150万円が贈られました。
芥川也寸志サントリー作曲賞は、戦後のわが国音楽界の発展に多大な貢献をされた故 芥川也寸志氏の功績を記念して、サントリー音楽財団(現・公益財団法人 サントリー芸術財団)が日本作曲家協議会の支援を得て1990年4月に創設したものです。故人の深い音楽愛、明晰な音楽観と音楽の振興によせられた熱情を追慕して、わが国の新進作曲家のもっとも清新にして将来性に富む作品を対象に、演奏会形式により公開選考を行うという、作曲賞としてはわが国で初めてのユニークな試みとなっています。さらに、受賞作曲家には新しいオーケストラ作品が委嘱され、2年後にその初演を行なうという複合的な賞です。
サントリー芸術財団の母体となる鳥井音楽財団が1969年に設立されてから50年を迎えた2019年から、賞の志をより明確にするため、「芥川也寸志サントリー作曲賞」へ賞名変更するとともに、賞金を増額し、日本人新進作曲家のさらなる飛躍を応援しています。
なお、この日、公開選考に先だって、第32回受賞者 波立裕矢氏の受賞記念サントリー芸術財団委嘱作品「空を飛ぶために」の世界初演が行われました。
▽第34回芥川也寸志サントリー作曲賞
石川 健人(いしかわ・けんと)
『ブリコラ-じゅげむ』
<贈賞理由>
ブリコラージュと落語の「寿限無」という、通常では結びつかない組み合わせを見事に作品化した発想力と、独自の高度な手法を用いて日本文化のハイブリッドな側面をも表現した構築力が高く評価された。
<略歴>
1997年生まれ。社会問題や音楽外のあらゆる関心事からアイディアを参照し、多層的なテクスチャをつくりあげてゆく創作スタイルで第91回日本音楽コンクール作曲部門第1位(オーケストラ作品)、明治安田賞、三善賞、三菱地所賞ほか多数受賞。東京藝術大学作曲科を卒業後、同大学院音楽研究科作曲専攻首席修了。
第34回芥川也寸志サントリー作曲賞 選考経過
1.2024年2月26日(月)当財団会議室での選考会において、2023年1月1日より2023年12月31日の間に国内外で初演された日本人作曲家の管弦楽作品を対象に、譜面と初演録音により、本賞にふさわしい清新にして豊かな将来性を秘めた以下3作品を「第34回芥川也寸志サントリー作曲賞」の候補に選定した。
選考委員は、新実徳英・望月京・山本裕之の3氏。(50音順)
◆石川健人:『ブリコラ-じゅげむ』[2023]
初演=2023年6月16日
東京藝術大学第6ホール
ジョルト・ナジ特別招聘教授「作曲科ワークショップ 2023」
◆河島昌史:『e→e IV』[2022]
初演=2023年2月10日
バーゼル、ドン・ボスコ音楽文化センター内 パウル・ザッハー ザール
バーゼル作曲コンクール
◆山邊光二:『Underscore』[2022]
初演=2023年5月28日
東京オペラシティ コンサートホール
2023年度武満徹作曲賞本選演奏会
(50音順)
2.2024年8月24日(土)サントリーホール大ホールにおいて、上記3曲を公開演奏(指揮=杉山洋一、管弦楽=新日本フィルハーモニー交響楽団)。演奏終了後、新実徳英・望月京・山本裕之3選考委員による公開討議(司会=白石美雪)を行った結果、「第34回芥川也寸志サントリー作曲賞」受賞曲に石川健人氏の作曲による「ブリコラ-じゅげむ」が選定された。
3.公開選考終了後、直ちに同ステージにおいて贈賞式が行われ、サントリー芸術財団専務理事 田中 徹より賞状、賞金(150万円)が授与された。
なお、石川健人氏にはサントリー芸術財団より新しいオーケストラ作品が委嘱され、完成後に同財団主催のコンサートで初演される。(委嘱料100万円)
以上
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