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ニュースリリース
  • No.sfa0058(2023/8/28)

第33回 芥川也寸志サントリー作曲賞
向井 航氏の作品「ダンシング・クィア オーケストラのための」に決定

向井 航

 第33回 芥川也寸志サントリー作曲賞(旧名:芥川作曲賞)は、8月26日(土)午後3時から東京・サントリーホールでの演奏会による公開選考の結果、向井 航氏作曲の「ダンシング・クィア オーケストラのための」に決定しました。同氏には、賞状とあわせて賞金150万円が贈られました。

 芥川也寸志サントリー作曲賞は、戦後のわが国音楽界の発展に多大な貢献をされた故 芥川也寸志氏の功績を記念して、サントリー音楽財団(現・公益財団法人 サントリー芸術財団)が日本作曲家協議会の支援を得て1990年4月に創設したものです。故人の深い音楽愛、明晰な音楽観と音楽の振興によせられた熱情を追慕して、わが国の新進作曲家のもっとも清新にして将来性に富む作品を対象に、演奏会形式により公開選考を行うという、作曲賞としてはわが国で初めてのユニークな試みとなっています。さらに、受賞作曲家には新しいオーケストラ作品が委嘱され、2年後にその初演を行なうという複合的な賞です。
 サントリー芸術財団の母体となる鳥井音楽財団が1969年に設立されてから50年を迎えた2019年から、賞の志をより明確にするため、「芥川也寸志サントリー作曲賞」へ賞名変更するとともに、賞金を増額し、日本人新進作曲家のさらなる飛躍を応援しています。
 なお、この日、公開選考に先だって、第31回受賞者 桑原ゆう氏の受賞記念サントリー芸術財団委嘱作品「葉落月の段」の世界初演が行われました。 

▽第33回芥川也寸志サントリー作曲賞
向井 航(むかい・わたる)
『ダンシング・クィア』オーケストラのための 

<贈賞理由>
 既存の作品とは異なる提示に作曲家の生き様が現われ、そのアクチュアリティのある表現が高く評価された。

<略歴>
 1993年生まれ。東京藝術大学音楽学部作曲科を首席卒業後、渡独。受賞歴に安宅賞、クロアチア国際作曲コンクール優勝、メンデルスゾーン全音楽大学コンクール独連邦大統領賞、日本音楽コンクール作曲部門第2位及び岩谷賞、第27回芥川作曲賞最終候補など。現在アントンブルックナー私立大学博士研究員。

第33回芥川也寸志サントリー作曲賞 選考経過

1.2023年3月8日(水)オンラインによる選考会において、2022年1月1日より2022年12月31日の間に国内外で初演された日本人作曲家の管弦楽作品を対象に、譜面と初演録音により、本賞にふさわしい清新にして豊かな将来性を秘めた以下3作品を「第33回芥川也寸志サントリー作曲賞」の候補に選定した。
選考委員は、稲森安太己・小鍛冶邦隆・渡辺裕紀子の3氏。(50音順) 

◆田中弘基:『痕跡/螺旋(差延II)』オーケストラのための(2021~22)
初演=2022年5月21日
東京藝術大学奏楽堂
藝大定期 第410回 藝大フィルハーモニア管弦楽団
新卒業生紹介演奏会

◆松本淳一:『忘れかけの床、あるいは部屋』スコルダトゥーラ群とオーケストラのための(2016/2018/2022)
初演=2022年11月10日
NHK 505スタジオ(東京都渋谷区)
第91回日本音楽コンクール作曲部門本選会 

◆向井 航:『ダンシング・クィア』オーケストラのための(2022)
初演=2022年9月17日
杉並公会堂 大ホール
アンサンブル・フリーEAST 第17回演奏会

(50音順)

2.2023年8月26日(土)サントリーホール大ホールにおいて、上記3曲を公開演奏(指揮=石川征太郎、管弦楽=新日本フィルハーモニー交響楽団)。演奏終了後、稲森安太己・小鍛冶邦隆・渡辺裕紀子3選考委員による公開討議(司会=白石美雪)を行った結果、「第33回芥川也寸志サントリー作曲賞」受賞曲に向井 航氏の作曲による「ダンシング・クィア オーケストラのための」が選定された。

3.公開選考終了後、直ちに同ステージにおいて贈賞式が行われ、サントリー芸術財団代表理事 堤 剛より賞状、賞金(150万円)が授与された。
なお、向井 航氏にはサントリー芸術財団より新しいオーケストラ作品が委嘱され、完成後に同財団主催のコンサートで初演される。(委嘱料100万円)

以上

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