― こだわりの美味を実現する「直火蒸溜」を水素専焼(※4)で実現 ―
― 東京ガスグループ・(株)SRCと共同で技術検証を実施 ―
― サントリー白州蒸溜所への導入を目指す ―
当社は、1923年にウイスキーづくりへの挑戦を開始して以降、絶えず「ウイスキー文化の創造・発展」「美味品質」に取り組み、ウイスキーの魅力をお伝えするとともに品質向上へ弛まぬ研鑽を続けてきました。
ウイスキーづくりは、当社の企業理念である「人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、『人間の生命(いのち)の輝き』をめざす。」ことを体現する事業です。これからも常に革新を続け、世界中の人々と自然と共生していくことで、「世界中から愛されるサントリーウイスキー」を目指し、その実現に向けて“グリーンで美味なウイスキーづくり※1”にも取り組んでいます。
今回、サントリー山崎蒸溜所内のパイロットディスティラリー※2にて、世界で初めて※3「直火蒸溜」を水素専焼※4で行う実証実験に成功しました。蒸溜したニューポット※5は、従来の都市ガスで「直火蒸溜」を行った時と変わらず、美味なウイスキーづくりに重要な“コクがあり力強い味わい(骨格)”をもつ品質であることが確認できました。
※1 「美味の追求」と「環境課題への取り組み」の両立を目指すウイスキーづくり
※2 山崎蒸溜所の一角にある品質研究・技術開発用の小型蒸溜施設。直火加熱に加えて電気式加熱も可能な蒸溜釜を有する、ウイスキーづくりのチャレンジの象徴
※3 1KL以上の蒸溜釜でのウイスキー「直火蒸溜」において(当社調べ)
※4 水素100%での燃焼。ただし、安全上の理由で、燃焼開始時・終了時のみ都市ガスも使用
※5 ウイスキーの製造工程における「蒸溜」を終えたばかりの無色透明な原酒
なお、サントリーグループは、スコットランドにおいても、ビームサントリー社が英国政府の補助※6を受け、スーパークリティカル・ソリューション社との協働のもと、グリーン水素※7を活用したウイスキーづくりの脱炭素化を目指しています。今回のサントリー山崎蒸溜所内のパイロットディスティラリーでの実証実験は、“グリーンで美味なウイスキーづくり”という共通の目標に向けた取り組みの一環として、この英国政府の補助金を一部使用しています。
※6 英国エネルギー安全保障・ネットゼロ省のGreen Distilleries Competition基金
※7 製造工程においてもCO2を排出しない水素
●水素専焼によるウイスキーの「直火蒸溜」について
水素は、“高温で燃え、燃焼速度が速い”ことなど、従来の都市ガスとは異なる特性があります。今回、水素に対する技術的知見のある東京ガスグループ※8と燃焼設備メーカーである株式会社SRCとの技術検証を経て、安全対策を実施のうえ、パイロットディスティラリー内の燃焼設備を水素燃焼仕様に変更し、これまで同様の“コクがあり力強い味わい(骨格)”をもつニューポットの蒸溜を実現しました。
今後、サントリー白州蒸溜所での蒸溜において、実用化に向けた製造設備規模での技術検証に取り組みます。なお、サントリー白州蒸溜所への導入の際は、サントリー天然水 南アルプス白州工場およびサントリー白州蒸溜所内の「やまなしモデルP2Gシステム」で生成した「グリーン水素」の使用を検討しています(ニュースリリースNo.14542参照)。
※8 東京ガス株式会社、東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社
●「直火蒸溜」のこだわり
当社は、ウイスキーづくりに欠かせない原料に加えて、仕込・蒸溜といった製造工程における原酒の「つくり込み」、貯蔵環境、美装に至るまで、お客様にお届けするまでの全ての工程にこだわることで「美味品質」を実現しています。なかでも、蒸溜工程において高温で加熱する「直火蒸溜」は、コクがあり力強いタイプの原酒づくりにつながる、「美味品質」に欠かせない製法と考え、山崎蒸溜所・白州蒸溜所の初溜工程※9で実施しています。
※9 モルトウイスキーの製造における1回目の「蒸溜」工程
今後も、「美味」を追求しつづけるとともに、環境課題に取り組むことで、“グリーンで美味なウイスキーづくり”にチャレンジしていきます。
●東京ガスグループ
「ウイスキーの水素『直火蒸溜』実証実験に成功」に関する資料
https://www.suntory.co.jp/news/article/mt_items/14584-2.pdf
以上
サントリーお客様センター https://www.suntory.co.jp/customer/