― 世界的権威のある化粧品技術者学会「IFSCC(※4) 2023 congressバルセロナ大会」で発表 ―
サントリーウエルネス(株)生命科学研究所(所長:中井正晃、京都府相楽郡精華町)は、40代以上のミドル・シニア層男性のスキンケア習慣が、肌体感※1の改善と幸福度※2(Well-being)の上昇に影響することを世界で初めて※3解明しました。「IFSCC※4 2023 congressバルセロナ大会」で9月4日(月)~7日(木)に発表します。
※1 「自分の肌について自分自身が体感したこと」をアンケートで評価
※2 主観的Well-being尺度(人生に対する満足尺度、協調的幸福感尺度、心理的Well-being尺度)アンケートで評価
※3 PubMed(米国立医学図書館が提供している医学・生物学分野の代表的な文献検索システム)にて、検索ワード「skincare」or「lotion」or「milky lotion」or「moisturizer」or「cream」or「cosmetics」and「well-being」による検索結果のうち40-64歳の男性を対象とした研究の学術文献を調査し該当なし(2023年8月当社調べ)
※4 国際化粧品技術者会連盟
▼発表演題
「Skin care habits influence on well-being indices such as interdependent happiness and life satisfaction with improvement in the skin conditions of middle and senior men(スキンケア習慣はミドル・シニア層男性の肌を改善するだけではなく、人生満足度や協調的幸福感などのWell-beingに影響を与える)」
▼発表者
サントリーウエルネス株式会社 生命科学研究所
山田えりか、須藤優里、松岡龍雄、竹本大輔、中尾嘉宏、出雲貴幸、中井正晃
サントリーホールディングス株式会社 研究企画部
泉玲子
▼研究の背景
近年、価値観の多様化や身だしなみ意識の向上によって、男性スキンケア市場は伸長する一方、女性に比べ、男性の皮膚生理に関する研究報告は多くありませんでした。また、スキンケア習慣に関する幸福度(Well-being)の研究報告は、男性・女性いずれにおいてもほとんどありませんでした。
しかしながら、40代以上のミドル・シニア層の男性は、加齢に伴う肌の老化や印象の変化により、自己肯定感の低下に繋がることが予想されます。
今回我々は、40代以上のミドル・シニア層男性のスキンケア習慣が、肌の改善だけでなく幸福度の上昇に影響すると考え、スキンケア習慣による肌体感および心理評価の各指標の変化を解析しました。
▼試験方法
40歳以上65歳未満のスキンケア習慣(日焼け止めを除く)のない健常男性71名を対象に、サントリー独自の「WOW高浸透型エマルジョン※5」技術を用いたサンプルを1日2回(朝晩洗顔後)、30日間顔全体に塗布いただきました。サンプルの使用前、使用開始から10日後および30日後に、肌体感と心理評価(主観的Well-being)をアンケートにて調査しました。
※5 WOWはWater in Oil in Waterの略で、内水相、油相、外水相の3相の構造をした乳化物(エマルジョン)のこと。「経時安定性を有するW/O/W型エマルジョンおよびその製造方法」として特許を取得(特許第5563723号)しています。
▼結果
肌体感については、サンプル使用開始から10日後および30日後に、肌の乾燥・肌のツヤ・顔色の明るさ・肌の脂っぽさ・そり負け・目の下のたるみ・ほうれい線などが有意に改善しました。
図1.スキンケア習慣による肌体感の変化 |
心理評価については、サンプル使用開始から10日後および30日後に、人生に対する満足尺度・協調的幸福感尺度・心理的Well-being尺度が有意に上昇しました。
図2.スキンケア習慣による主観的Well-being尺度(人生に対する満足尺度、協調的幸福感尺度、心理的Well-being尺度)アンケート結果の変化 |
▼まとめ
これまでスキンケアに関する研究報告がほとんどないミドル・シニア男性を対象に研究を行ったところ、スキンケア習慣によって、肌体感の改善と幸福度(Well-being)の上昇が示されました。
以上のことから、ミドル・シニア男性のスキンケア習慣が、人生の満足度や自己肯定感を高め、他者との関係性を築くための一助になる可能性が示唆されました。
以上