― RTD市場は直近10年間で約2倍に成長。2億ケースを突破 ―
― 食事中に高アルRTDを選ぶ人が増加。新たなニーズも ―
― 外飲みユーザーのレモンフレーバーを飲む機会が増加 ―
RTD市場は、2018年まで11年連続で伸長し、直近10年間で市場規模は約2倍に拡大、2019年も引き続き拡大すると見込まれます。こうした中、サントリースピリッツ(株)は、RTDに関する消費者飲用実態調査を実施しました。
〈本レポートのトピックス〉
I.RTD市場について
II.消費者飲用実態調査
(1)自宅で飲む機会が最も増えたお酒はRTD
(2)食事中に高アルRTDを飲む人が増加。ユーザーの拡大に伴い、新たなニーズが生まれる
(3)若い世代にとって、はじめて飲むのに向いているお酒はRTD
低アルRTDは幅広い世代で飲用が増加
(4)外飲みユーザーは自宅でのRTD飲用機会が増加、よく飲むRTDフレーバーは「レモン」
(5)ノンアルRTD市場の伸長
(6)2019年の消費税増税後にRTDユーザーの家飲み機会が増える兆し
〈調査概要〉
・調査会社 (株)マクロミル
・調査対象 最近1ヶ月にアルコールを飲用した20-60代の男女4,000人
・調査方法 インターネット調査
・調査日 2018年12月15~16日
〈本レポートで使用する用語の定義〉 RTD:「Ready to Drink」の略語。そのまますぐ飲める缶チューハイや缶カクテル、ハイボール缶などのアルコール飲料 高アルRTD:アルコール度数の高いRTD 中アルRTD:アルコール度数の中程度のRTD 低アルRTD:アルコール度数の低いRTD ノンアルRTD:ノンアルコールRTD RTDユーザー:最近1ヶ月に自宅でRTDの飲用経験がある人 高アルRTDユーザー:最近1ヶ月に自宅でのRTD飲用経験があり、アルコール度数の高いRTDを飲む人 ノンアルRTDユーザー:最近1年以内にノンアルRTDの飲用経験がある人 高アルRTD主飲ユーザー:最近1ヶ月に自宅でのRTD飲用経験があり、アルコール度数の高いRTDを最も飲む人 外飲みユーザー:飲食店で週に1日以上お酒を飲むことがある人 |
※本レポートでは、小数点第2位を四捨五入しています。そのため、数字の合計が100%とならない場合があります。
※II.消費者飲用実態調査では、「前回調査時」や表中の「2017年」の表記は、2018年3月13日付「RTDに関する消費者飲用実態調査」を指しています。「2009年調査時」の表記は、2010年1月28日付「RTDに関する消費者飲用実態調査」を指しています。
I.RTD市場について
2018年のRTD市場は、2億492万ケース(対前年112%)と、はじめて2億ケースを突破し、11年連続で前年を超え、過去最大の市場規模に成長しました。2009年から10年間で約2倍以上の規模に成長し、2019年は2億2,637万ケース(対前年110%)に拡大すると推定されます。
II.消費者飲用実態調査
(1)自宅で飲む機会が最も増えたお酒はRTD
(1)-1)
自宅でお酒を飲む機会は増加 |
1年前と比較して、自宅でお酒を飲む機会の増減を聞いたところ、「増えた」と答えた人が30.1%となり、「減った」と答えた人(12.1%)を上回りました。
(1)-2)
最近自宅で飲んだお酒が「RTD」と答えた人は、 2009年調査時と比較して、全世代で大きく増加 |
最近1ヶ月以内に自分で選択・購入して自宅で飲んだお酒について聞いたところ、「RTD」と答えた人が2009年調査時と比較して、全世代で大きく増加していることがわかりました。
(1)-3)
自宅で飲む機会が最も増えたお酒のカテゴリーは「RTD」 |
酒類各カテゴリーについて、1年前と比較した自宅で飲む機会の増減を聞いたところ、RTDは「増えた」と答えた人が22.7%と、去年に引き続き、全カテゴリーの中で最も多いことがわかりました。
世代別でみても、60代を除く全ての世代で「RTD」が1位となりました。特に若い世代ほど、その傾向が顕著にあらわれました。
また、最近1ヶ月以内に自分で選択・購入して自宅で飲んだお酒について聞いたところ、20代、30代では、RTDが1位となりました。
(2)食事中に高アルRTDを飲む人が増加。ユーザーの拡大に伴い、新たなニーズが生まれる
(2)-1)
自宅で食事中にRTDを飲む機会が増加 |
酒類各カテゴリーについて、1年前と比較して、自宅で食事中に飲む機会の増減を聞いたところ、RTDは「増えた」と答えた人が22.8%と、「減った」(9.9%)を上回りました。
また、RTDユーザーでも、1年前と比較してRTDを自宅で食事中に飲む機会が「増えた」と答えた人が38.6%と、「減った」(5.2%)を上回りました。
(2)-2)
食事中にRTDを飲むことが増えた人は |
RTDユーザーで、食事中にRTDを飲むことが増えた人に、高アルRTDについて、1年前と比較して、自宅で飲む機会の増減を聞いたところ、「増えた」と答えた人が40.9%と、「減った」(14.9%)を上回りました。
(2)-3)
高アルRTD主飲ユーザーは |
自宅で食事をする時にRTDを飲む機会が増加した高アルRTD主飲ユーザーに、食事中に飲むお酒に期待することを聞いたところ、上位項目のうち「食事に合うこと」、「スッキリした味わいであること」、「飲みごたえがあること」、「味が甘くないこと」が、前回調査時よりも増加していました。その中でも特に期待が高く、かつ伸びているのは「食事に合うこと」でした。
(2)-4)
高アルRTD主飲ユーザーは中アルRTDも併飲 |
食事中にRTDを飲む機会が増加した高アルRTD主飲ユーザーに、自宅で飲むお酒の種類を聞いたところ、「中アルRTD」と答えた人が55.7%と、半数以上が中アルRTDを併飲していることがわかりました。
また、そのユーザーに対し、中アルRTDをいつ飲むか聞いたところ、「平日」と答えた人が76.4%と、「休日」(59.3%)を上回り、休日より平日に飲む傾向がわかりました。
(2)-5)
高アルRTD主飲ユーザーで、かつ中アルRTDも飲む人が |
食事中にRTDを飲む機会が増加した高アルRTD主飲ユーザーの中で、中アルRTDを併飲している人に、平日に飲んでみたい中アルRTDの特長を聞いたところ、「食事に合う」「甘くない」「果実感を味わえる」について、「飲みたい」が「飲みたくない」を大きく上回りました。
(3)若い世代にとって、はじめて飲むのに向いているお酒はRTD
低アルRTDは幅広い世代で飲用が増加
(3)-1)
20-30代が選ぶ、はじめて飲むのに向いているお酒は |
20-30代に、はじめて飲むのに向いているお酒について聞いたところ、「RTD」と答えた人が67.8%でトップとなりました。
(3)-2)
20-30代が、はじめて飲むのに向いているお酒に |
20-30代の中で、はじめて飲むのに向いているお酒として「RTD」と答えた人に、その理由を聞いたところ、「飲みやすそうだから」(67.5%)、「アルコール度数が低めであるから」(35.9%)、「味の種類が豊富で選べるから」(30.4%)、「手軽であるから」(25.6%)、「甘い味がするから」(24.1%)と答えました。
(3)-3)
低アルRTDを選ぶと答えた人が、1年前に比べて全世代で増加 |
RTDユーザーに、自宅で飲む際に選ぶRTDのアルコール度数を聞いたところ、「主にアルコール度数の低いものを選ぶ」と答えた人(28.1%)が、前回調査時(26.5%)よりも増加していました。
世代別でみても、20-30代、40-60代ともに、前回調査時よりも増加しており、世代を問わず、自宅で飲むRTDに主に低アルRTDを選ぶ傾向が強まっていることがわかりました。
(3)-4)
低アルRTDを飲む理由の上位は「気軽」「味の種類が豊富」 |
低アルRTDを飲用する理由を聞いたところ、20-30代、40-60代ともに、「飲みやすく気軽に飲めるから」、「味の種類が豊富で選べるから」が上位でした。
40-60代では、前回調査時と比較して、「お酒に弱くはないが、あまり酔いたくない時があるから」、「お酒が弱い人とも一緒に楽しめるから」と答える人が増加していました。
(4)外飲みユーザーは自宅でのRTD飲用機会が増加、よく飲むRTDフレーバーは「レモン」
(4)-1)
外飲みユーザーの「レモンサワー」を飲む機会が増加 |
外飲みユーザーに、サワーの種類ごとの、1年前と比較した飲食店で飲む機会の増減を聞いたところ、最も増えたのは「レモンサワー」(14.3%)、次いで「グレープフルーツサワー」(10.3%)でした。
(4)-2)
外飲みユーザーは自宅でのRTD飲用機会が増加 |
外飲みユーザーに、1年前と比較した自宅で飲む頻度の増えたお酒について聞いたところ、最も増えたのは「RTD」(23.3%)、次いで「ビール」(17.0%)、「新ジャンル(第3のビール)」(14.0%)でした。
また、1年前と比較して自宅でRTDを飲む頻度が増えたと答えた外飲みユーザーに、飲む頻度が増えたRTDのフレーバーを聞いたところ、最も増えたのは「レモン」(36.8%)、次いで「グレープフルーツ」(18.9%)でした。
(4)-3)
レモンフレーバーRTDの魅力は |
レモンフレーバーのRTDを飲むことがある人に、レモンフレーバーのRTDの特長について聞いたところ、「飲み飽きない味であること」、「飲みやすいこと」、「食事に合うこと」、「お酒の味が楽しめること」、「お店の味が楽しめること」を、「魅力的である」と答えた人が、「魅力的でない」と答えた人を上回りました。
(5)ノンアルRTD市場の伸長
(5)-1)
ノンアルRTD市場が伸長し、 |
2018年のノンアルRTD市場は630万ケース(対前年105%)と伸長。
RTDユーザーに、最近1年間のノンアルRTDを飲む機会について聞いたところ、飲んだことがある人は、4人に1人(28.1% SA n=2,106)にのぼることがわかりました。
(5)-2)
ノンアルRTDユーザーが魅力を感じるノンアルRTDの特長は |
ノンアルRTDユーザーに対して、ノンアルRTDの魅力的に感じる特長について聞いたところ、「すっきりした味わい」、「食事に合う」、「体に優しい」、「機能性表示食品であること(※)」、「甘くない」が「魅力的である」と答えた人が、「魅力的でない」と答えた人を上回りました。
(6)2019年の消費税増税後にRTDユーザーの家飲み機会が増える兆し
(6)-1)
2019年の消費税増税後は、家飲み機会が増える兆し |
2019年10月の消費税増税後、自宅でお酒を飲む機会がどのように変化するか聞いたところ、「自宅でお酒を飲む機会が増える」と答えた人が27.7%で、特にRTDユーザーは32.8%と、その傾向が強くみられました。
(6)-2)
2019年の消費税増税後、ノンアルRTDユーザーの |
「ノンアルコール飲料は軽減税率対象のため、消費税増税実施後も増税の影響を受けない」ことを説明した上で、ノンアルRTDユーザーに、ノンアルRTDを飲む頻度が増えそうか聞いたところ、「あてはまる」(36.0%)が、「あてはまらない」(17.7%)を上回りました。
消費税増税後は、ノンアルRTDユーザーのノンアルRTD飲用機会が増加することが予想されます。
以上