公益財団法人サントリー文化財団(理事長 鳥井信吾)は、第40回「サントリー学芸賞」を下記の9名に贈呈することに決定しました。贈呈式は12月10日(月)に東京で行う予定です。
本賞は「政治・経済」「芸術・文学」「社会・風俗」「思想・歴史」の4部門に分かれ、正賞として楯、副賞として200万円を贈呈します。毎年、前年1月以降に出版された著作物を対象に選考し、広く社会と文化を考える、独創的で優れた研究、評論活動をされた方を顕彰しています。1979年の本賞創設以来、受賞者の数は今年度を含め338名にのぼります。
<受賞者および対象作品>
〔政治・経済部門〕
阿南 友亮(あなみ ゆうすけ)(東北大学大学院法学研究科教授)
『中国はなぜ軍拡を続けるのか』(新潮社)
君塚 直隆(きみづか なおたか)(関東学院大学国際文化学部教授)
『立憲君主制の現在 ―― 日本人は「象徴天皇」を維持できるか』(新潮社)を中心として
韓 載香(はん じぇひゃん)(北海道大学大学院経済学研究院准教授)
『パチンコ産業史 ―― 周縁経済から巨大市場へ』(名古屋大学出版会)
〔芸術・文学部門〕
京谷 啓徳(きょうたに よしのり)(九州大学大学院人文科学研究院准教授)
『凱旋門と活人画の風俗史 ―― 儚きスペクタクルの力』(講談社)
真鍋 昌賢(まなべ まさよし)(北九州市立大学文学部教授)
『浪花節 流動する語り芸 ―― 演者と聴衆の近代』(せりか書房)
〔社会・風俗部門〕
溝井 裕一(みぞい ゆういち)(関西大学文学部教授)
『水族館の文化史 ―― ひと・動物・モノがおりなす魔術的世界』(勉誠出版)
〔思想・歴史部門〕
島田 英明(しまだ ひであき)(日本学術振興会特別研究員)
『歴史と永遠 ―― 江戸後期の思想水脈』(岩波書店)
新居 洋子(にい ようこ)(日本学術振興会特別研究員)
『イエズス会士と普遍の帝国 ―― 在華宣教師による文明の翻訳』(名古屋大学出版会)
山本 芳久(やまもと よしひさ)(東京大学大学院総合文化研究科准教授)
『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波書店)
-敬称略-
<選考経過>
2017年1月以降に出版された日本語の著作を対象に「政治・経済」「芸術・文学」「社会・風俗」「思想・歴史」の4部門において各選考委員より優れた作品が推薦され、2回にわたる選考委員会での審議を経て、受賞者および作品が決定されました。
選考に際しては、個性豊かで将来が期待される新進の評論家、研究者であること、本人の思想、主張が明確な作品であることに主眼が置かれています。また、代表候補作品だけでなく、これまでの一連の著作活動の業績を総合して選考の対象としています。
<選考委員>
政治・経済部門
猪木武徳氏(大阪大学名誉教授)
大竹文雄氏(大阪大学教授)
北岡伸一氏(国際協力機構理事長)
船橋洋一氏(アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長)
牧原 出氏(東京大学教授)
待鳥聡史氏(京都大学教授)
芸術・文学部門
大笹吉雄氏(演劇評論家)
沼野充義氏(東京大学教授)
三浦 篤氏(東京大学教授)
三浦雅士氏(文芸評論家)
渡辺 裕氏(東京大学教授)
社会・風俗部門
奥本大三郎氏(埼玉大学名誉教授)
川本三郎氏(評論家)
玄田有史氏(東京大学教授)
佐伯順子氏(同志社大学教授)
佐藤卓己氏(京都大学教授)
袴田茂樹氏(新潟県立大学教授)
思想・歴史部門
宇野重規氏(東京大学教授)
鹿島 茂氏(明治大学教授)
苅部 直氏(東京大学教授)
田中明彦氏(政策研究大学院大学学長)
堂目卓生氏(大阪大学教授)
<公益財団法人サントリー文化財団について>
当財団はサントリーの創業80周年を記念して1979年に設立されました。以来、わが国の国際化、情報化の時代に応えて、社会と文化に関する学術研究の助成、これらの分野における優秀な人材の育成をめざし、わが国および世界の学術文化の発展に寄与することを目的に事業を進めて参りました。2010年5月に財団法人から公益財団法人に移行しました。
ホームページ http://suntory.jp/foundation/
以上