園芸コラム

ベランダガーデナーになろう!

イギリスをはじめ、ヨーロッパでは街中の窓辺やベランダが美しい色鮮やかな花で彩られています。「海外の素敵な風景」を見ていても、ため息が出るほどすばらしい、そのカラフルで明るい風景にうっとりしてしまいますね。
国内でも「ベランダガーデニング」という言葉はすでに浸透していますし、実際にベランダや窓辺で花を育て、素敵に演出されている方は大勢いらっしゃいます。こんな身近なガーデニングスペースを有効に利用しない手はないですね。一方で、ベランダは狭いし環境条件も悪いから・・・と敬遠される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は「ベランダガーデニング」をテーマに、ガーデニングスペースとしての有効利用法から注意点など、失敗しないベランダガーデニングの奥義をお伝えするほか、ベランダガーデニングの素敵な風景などをご紹介します。ベランダからガーデニングライフをはじめてみるのもいいですね。

画像:構図を工夫する

ベランダガーデナーのメリット

画像:ベランダガーデナーのメリット

ベランダは、リビングや部屋の延長として一体化した生活空間になる上、庭としても、距離を身近に感じる事ができるので、最も日常的に親しみを感じながらガーデニングを楽しめる場所です。さらに室内でも観葉植物などを楽しめば、ベランダとあわせて両方で演出を楽しめます。いつでも花の様子を観察できたり、窓越しに見える植物に癒される生活は、どこか日常から離れたような、とても潤いある心地のいいものです。
「ベランダガーデニング」のメリットはたくさんあります。生活の場としてのスペースを確保しなければならなかったり、いくつか注意点もありますが、ぜひこの身近な空間でガーデニングを楽しみ、豊かな暮らしを手に入れましょう。

植物選び

まず、自分のベランダをどんな庭にするかイメージを固めます。
「和風にしよう」「ヨーロッパ調にしたい」など具体的にイメージを持つことが大切です。

次に植物選びです。
イメージに合う植物を探すのはもちろんですが、ベランダの方角によって日照条件が異なるので、自分のベランダの置き場所にあった植物を選びましょう。向きによっては日照時間が限られるベランダもありますが、「サマーウェーブ」などは半日陰でも元気に育ち、たくさん花をつけます。

このように特性を生かした植物選びがポイントになります。
ほかにも、花色やプランターとの相性などをみながら、自分が作りたいベランダガーデンのイメージに合わせて植物を選んでいきましょう。

画像:植物選び

イメージや色合いなどを考えましょう。
白いベランダに映えるサフィニア・ローズとライトブルーの混色植え

画像:植物選び

画像のサマーウェーブ(ラージブルー)、エンジェルスイヤリング(アメジスト)、ならびにテラスライム等は、半日陰でもよく育つからベランダガーデニングにピッタリ。

ベランダの環境を整える

一方でベランダは、通気性(逆に風の強さ)、日当たり、温度、置き場所といった具合に、園芸を楽しむスペースとしてはかなり過酷な条件を伴います。夏場など日中の温度が50℃近くまで上がる場合もあり、これは植物にとって過酷な状況です。その対策を以下に提案します。

コンクリートに直接鉢を置かない

コンクリートに木製のスノコやウッドパネルを敷き詰めるとか、鉢台をおく、または鉢の下にレンガを置くなど、コンクリートに直接鉢を置くのは避けることをお勧めします。
これには、植物への日当たりもよくなり、ナメクジがつきにくくなるというメリットもあります。
ただし、すのこなどを床に敷く場合は、避難用のハッチをふさがないように注意しましょう。
エアコンの室外機に手頃な机を設置すれば、室外機の上にも鉢が置けるスペースができていいですね。

日差し、強風、乾燥への対策

強いビル風が吹く、夏になると強い西日が当たるなど、ベランダにはそれらをさえぎる木などがないので、それらを遮るための対策を講じなければなりません。

-日差し対策:
よしずや寒冷紗で半日くらい陰を作ったり、手すり部分を利用してネットやすだれをかけるなどしてあげましょう。鉢花が暑さでちょっとへたっている時には、日陰に避難させてやり、葉水をやると効果的です。

-強風対策:
鉢や植木をしっかりと固定し、吊り鉢などは、吊り手が外れて鉢が落下しないように注意します。

-乾燥対策:
「ひさしがあるため雨水が植物にかからない」「エアコンの室外機から出る熱風に植物が直接当たる」このように、ベランダは乾燥しやすい環境です。
時々株全体に水をかけてあげると、葉からの蒸散作用を抑制して根からの水分吸収とのバランスを保て、また、ハダニの防止にも効果があります(※このとき、花に水をかけるとシミが出来る場合もあるので注意が必要です)。
エアコンの室外機対策としては、トレリスを置くなどすれば、風よけになる上、全体のイメージを崩す心配もありません。

画像:日差し、強風、乾燥への対策

夏場、日の当たるベランダはよしずや寒冷紗で半日くらい陰を作って日差し対策を

日差し、強風、乾燥への対策

日差し、強風、乾燥への対策

ハンギングや鉢棚を利用し、ベランダを広く有効に、そして何より安全に使うのがベランダーの極意です。

ベランダガーデニングにおすすめのグッズ!

いよいよ植物を並べます。このときは、やはり部屋の中からの見栄えを重視することをお勧めします。そこで、限られた場所で有効なグッズをご紹介します。

画像:トレリスを使う

トレリスを使う

スペースが限られているので、上から吊り下げたり、壁面にトレリスを取り付けてハンギングなどで仕立てると、よりベランダガーデンの自由度が広がります。

←サフィニア・パープル、ホワイトなど

つる性の植物を使う

つる性の植物を植えて、ラティスにはわせればぐっと奥行きがでます。

→(画像左)サンパラソル・ホワイト、(画像右)サフィニアブーケ・イエローとアイビーの寄植え

画像:つる性の植物を使う

画像:ポットフィートを使う

ポットフィートを使う

ポットフィートとは、鉢を乗せる小さな足台のこと。これを使うだけでもコンクリートの熱から鉢を守り、通気性もよくなります。
デザインや素材もさまざまなので、ご自身のプランに合わせた演出が可能です。

オブジェやライティングを使う

ベランダでは、植物だけではなくライティングやオブジェを設置するなどして、ベランダならではのリラックス空間を楽しみましょう。
風情ある眺めをリビングや部屋から楽しめることこそ、ベランダガーデニングの醍醐味ではないでしょうか。
ライティングやオブジェで風情ある眺めをリビングや部屋から楽しめるのがベランダガーデニングの醍醐味!

画像:オブジェやライティングを使う

画像:大きな木を取り入れる

大きな木を取り入れる

狭いからと、小さな花鉢やプランターを置くことの多いベランダですが、小型の草花ばかりでは物足らなくないですか?
そこで、思いきってシンボルツリーを設置するのも狭いベランダに広がりをもたせることのできるテクニックの一つです。
このとき、木の枝や葉が茂りすぎると、時に暑苦しさを感じることがありますので、混雑してきた際には適度に整えましょう。

ベランダガーデンの世界観がいっきに広がりをみせます。

ベランダガーデニングの注意点とエチケット

ベランダに洗濯物を干すなど、日常生活に必要なスペースが必要な場合は、その場所をきちんと確保しなければなりません。そして「避難経路の確保」です。
避難用ハッチの上にものを置かない、避難経路を植木で妨げないなどくれぐれも注意しましょう。
大がかりな棚を置くことができない場合は、小さいトレリスを使用するなど、移動が簡単にできるものを利用することをお勧めします。
集合住宅など、共有スペースを利用する際は、周囲に迷惑をかけないエチケットが不可欠です。
お住まいの集合住宅の規約などをご確認の上、配慮しなければなりません。

どうぞ皆さんも思い思いのベランダガーデニングをお楽しみください。

園芸コラム一覧ページに戻る

ページの先頭へ

ページの先頭へ