今回は、世界で唯一の青紫色のカーネーション「ムーンダスト」を使った素敵なアレンジメントをご紹介します。
テーマは「春の夕暮れ」。
淡い水色の春の空が夕日をうけて徐々に暮れていく様子はとても上品でつつしみ深く、心ひかれます。そんな夜空に向かう春の夕暮れ時を花で表現できたら、素敵ですよね。
空想をめぐらし、イメージを膨らませたらいよいよアレンジメントのスタートです!
可憐で清楚なたたずまいが魅力のムーンダストは今回のテーマにピッタリ。
そんなモダンでエレガントなムーンダストと華やかで可愛らしいオレンジ系の花を用意します。
花選びの際、小花を一つ加えるとアレンジメントのボリュームを抑え、重たくなるのを防ぐことができます。
主役となる花を中心に、全体のバランスをみながら交互に束ねます(写真1) 。
青紫系とオレンジ系のように反対色を組み合わせる際は、色同士がぶつからないようどちらの花も濃淡のグラデーションをつけて選べば、互いの強さを和らげられます。
さらに、グリーンを間に入れたり、全体のバランスをみて一方の色を少なめにするなどの工夫を凝らすと、より立体感が出てアレンジメントの完成度がアップします。
(写真1)全体のバランスをみながら束ねます。
(写真2)花器の周りにアイビーを這わせて
束ねた花をひもで結び、形が崩れないよう固定して、花器を用意します。
これはキッチンに眠っているグラスなどでもいいと思います。
今回は、無地のガラスの器なので、お庭のアイビーを少し摘んで活用します。
花器の周りにアイビーを這わせ、また中にも入れました。アイビーを中に入れるのは、器にさした時の花のぐらつきを防ぐためです。
<花材>
●青紫系:
最も濃い青紫色のムーンダスト・ベルベットブルー
深い青紫色のムーンダスト・プリンセスブルー
淡い赤みがかった青紫色のムーンダスト・ライラックブルー
●オレンジ系:
ラナンキュラス、バラ、スプレーバラ、ガーベラ
●葉物:斑入りのアイビー
<資材>
ガラス製の花器
青紫系の色は、その個性の強さから、洋服などでは他の色とあわせにくいと敬遠されがちですが、フラワーアレンジメントの世界では、「どんな花色にも合わせやすい重宝する色」に変身します。
みなさんも是非、いろんな色との組み合わせで楽しんでみてください。
ところで、色と花の素敵な関係をご存知ですか?
ストレスを感じたとき、緑をながめたりした経験をお持ちの方も多いでしょう。
そんな時、何気なく選んだ花の色に、心の奥底で必要としているエネルギーや不思議なチカラが隠されていたりします。
例えば、今回はあえて反対色といわれる青紫系とオレンジ系をチョイスしていますが、激しい赤と静かな青という両極端な性質を兼備えた青紫色は、その微妙なバランスが感性を豊かにし、心の均衡を整えるといいます。一方、陽気で明るい印象のオレンジは、周囲を活発にする働きがあるそうです。