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コウ・ジョー・ケン、はじめての対談です。コウ・ジョー・ケン、はじめての対談です。

コウ・ジョー・ケン、はじめての対談です。

2023.3.30

ジョー
いよいよだね。緊張するわー。
コウ
自己紹介、どうする?
ジョー
考えてなかったー。
ケン
失礼があったらいけないよね。
コウ
肩書はどう言おう?自分たちの。
ジョー
んー、旅人?
ケン
怪しくない?-探求者、とか?
ジョー
いやいや、より怪しいでしょ。
コウ
やべっ、もういらっしゃった。
サントリーのものづくりの真髄にせまる!

サントリーのものづくりの真髄にせまる!

ものづくりの世界を探求する不思議な旅人、コウ・ジョー・ケン。ファクトリップ(工場をめぐる旅)を重ねていくうちに、サントリーのおいしさの源、ものづくりの真髄が、どうやら“水”にあることを知った3人。その核心に迫るべく、今回は水の専門家に会いにいきました。
さぁ、サントリーの会議室に、レッツ・ファクトリップ!

天然水の人、現る。

某日。コウ・ジョー・ケンの3人は、水の専門家がいるというサントリー田町オフィスに訪れました。

「よろしくお願いします」と、3人の存在に驚くこともなく登場したのは、サントリーホールディングス株式会社サステナビリティ経営推進本部課長の市田智之さん。

天然水のプロフェッショナルを前に、3人の目は輝きます。

コウ)
はじめまして。
“ものづくりを追求する不思議な旅人”をやらせてもらっています、コウです。

ジョー)
ジョーです。本日はお忙しい中お時間いただき、ありがとうございます。

ケン)
ケンです。お会いできて光栄です。

市田さん)
はじめまして、市田です。挨拶がすごいちゃんとしてますね。

コウ)
ありがとうございます。早速なんですが、水って、人間がつくってるんですか?

市田さん)
すごい早速で、すごい角度の質問ですね。

ジョー)
不躾ですみません。地球出身じゃないもので。

市田さん)
あー、そうでしたか。人間が水をつくっているか、と言われると、答えはNOだと思います。海や川や湖の水、地下水や水蒸気も含め、地球上には常に13億3800万立方キロメートルの水があり、それが循環しています。

コウ)
めっちゃありますね、水。青いですもんね、地球。

ジョー)
なるほど、その中でも特別な水が、サントリーさんがいう“天然水”ってやつなんですか?

ケン)
“天然水”と” ミネラルウォーター”って同じですか?

市田さん)
実はミネラルウォーターと呼ばれる水にもいくつか種類がありまして。

・ナチュラルミネラルウォーター
地中でミネラル分が溶解した地下水。ろ過・沈殿・加熱殺菌以外の処理をしていない。

・ミネラルウォーター
地中でミネラル分が溶解した地下水。ろ過・沈殿・加熱殺菌の他、オゾン殺菌・紫外線殺菌・ミネラル分調整・ブレンド等を行ったもの。

・ナチュラルウォーター
ミネラル分の溶解が少ない地下水。ろ過・沈殿・加熱殺菌以外の処理をしていない。

・ボトルドウォーター
飲用可能な水。水道水でもよい。処理方法に限定はない。

農林水産省のミネラルウォーターの品質表示ガイドラインをわかりやすくするために簡略化したものです。

市田さん)
「サントリー天然水」は上の図でいう“ナチュラルミネラルウォーター”に当たり、サントリーの飲料はほぼこの天然水をベースにつくられているんです。

天然水は、どうやってできるの?

コウ)
なるほど。すべてのおいしさの秘訣は、天然水だと。じゃー、その天然水は、どうやってできるんですか?

市田さん)
海から蒸発した水は、やがて雲となり、山に雨や雪を降らせます。それを受け止めるのが森。豊かな森におおわれた山こそが、実は長い時間をかけて天然水をつくりだす「大きな大きな装置」なんです。

ジョー)
えっ、森がおいしい水をつくるですか?

市田さん)
そうなんです。雨や雪解け水は森の土にしみ込んで、ゆっくりと地中の奥深くに浸透する中で、きれいに濾過されます。幾重もの地層に磨かれるうちに天然のミネラルが溶け込み、おいしい天然水となって工場で汲み上げられます。

ケン)
ほー。まさに美味しい水をつくる装置ですね。自然のろ過装置というか。森全体が天然水の工場、ともいえるのかも。

市田さん)
雨がポツリと落ちてから、地中に染み入り、天然水になるためには、およそ20年以上かかります。

ジョー)
20年!まじっすか。

森が天然水をつくる。あれ?人間はなにしてるの?

コウ)
時間はかかるけど、森さえあれば、おいしい天然水ができるんですね。

市田さん)
ただ森があればいいかというと、そういうわけでもなく。大切なのはふかふかの土なんです。

コウ)
ふかふかの土?水をつくるのに、土?-農業の話ですか?

左がふかふかの土

市田さん)
森の中で、落ち葉や草の根などの有機物が供給されると、小動物や微生物の力で土がふかふかの手触りに変わってきます。スポンジのようになった土壌には雨水が浸み込みやすくなり、また微生物的な水質浄化機能も高まっていきます。
このふかふかの土をつくるのが、多様な生物が暮らす森なんです。豊かな生態系ピラミッドが形成されていて、多様な生きもの、植物がいる森こそが、おいしい天然水をつくる。水と同じように、土もまた、人間のチカラだけではつくれないんです。

コウ)
なるほどー。森の生き物たちがふかふかの土をつくってると。あれ?うーーん…。

市田さん)
どうしました?

コウ)
これまでのお話の中で、なかなか人間が出てこないですね。森がつくった天然水を汲み上げてるだけ?

コウ)
わっ、急に出てきた!よく見たら、市田さんじゃないですか。

市田さん)
はい、森の市田です。

ジョー)
そうか!市田さんこそが、森の生態系ピラミッドの頂点に君臨する存在だったんですね!

市田さん)
ちがいます。普通のおっちゃんです。私たちは、この森の豊かな生態系が育まれるために、いろんな活動をしているんです。

ケン)
ほぅ。生態系って、自然にできていくものではないんですね。

市田さん)
うーん、本来は自然にできていくものなのかもしれません。でも、現在の森は、そのバランスが崩れてしまっているところも多いんです。

ケン)
生き物が住みにくい森になってしまっている、と。

市田さん)
そうです。それも、私たち人間の活動が影響していたりします。人間の存在が崩してしまったバランスは、人間の手でまた整えていかなければならない。私たちが行っているのは、そういう活動でもあります。

多様性が大事なのは、森も同じ。

市田さん)
この写真の森、どう思います?

コウ)
怖いです。

市田さん)
ですよね。これは戦後、人間が家や街をつくるために木が必要になり、早く育つ木を植えたのはいいものの、その後適切に伐採されることなく、
手入れ不足になってしまっている森です。太陽の光が届いていないから暗く、木も元気なさそうで、草なども育っていませんよね。土もカッチカチです。

市田さん)
こっちの森はどうですか?

ジョー)
おぉ。全然違いますね。

市田さん)
手入れされていなかった暗い人工林も、適度に間伐をしてあげることにより光が差し込み、下層植生が生えてきます。そこにたくさんの生きものたちが集まり、ふかふかな土をつくってくれます。そうした森を目指して間伐をするのも、私たちが行っている活動のひとつです。

ジョー)
市田さんもチェーンソーを持って木を切ってるんですね。

市田さん)
いや、木を伐採するのはすごい知識や技術が必要なので、そこは地域の森林事業体の方と連携させていただいています。でも、サントリーの社員は、人事研修として、一度は天然水の森に入って森林整備体験をすることになっています。ノコギリなどを使って行う常緑樹の除伐は、素人でも簡単にできるため、研修のメイン・プログラムのひとつとして人気なんですよ。

コウ)
社員自らが森に入ってるんですね。素晴らしい。

市田さん)
目指すは、上の写真のような森。いろんな木があって、見るからに豊かそうですよね。人間社会も会社もそうですが、森も多様性があったほうがいいんです。そのために、間伐だけではなくいろんな活動を行っているのが、私たちサントリーの「天然の森」という取り組みであり、天然水のものづくりと言えるかもしれません。

自分たちが汲み上げる2倍以上の天然水を育む。

ケン)
いやー。想像してたよりすごいですね、スケールが。

コウ)
途中、「森がつくった天然水を拝借してるだけじゃん、人間」とか思っちゃって、ごめんなさい。

市田さん)
いやいや「拝借している」というのは、その通りなんですよ。私たちは自然の資源である天然水を生命線に商売をしています。だからこそ、拝借しっぱなしではいけない。「国内工場で汲み上げる量の2倍以上の地下水を育む」ということを目標に掲げ、実際に達成することができています。

サントリーでは、水源涵養(かんよう)機能の向上と生物多様性の再生を目的とした活動である「天然水の森」を2003年にスタートさせました。現在では、15都府県22ヵ所、約12,000ヘクタールにまで拡大し、国内工場で汲み上げる地下水量の2倍以上の水を涵養しています。

ジョー)
2倍!めちゃくちゃお返ししているじゃないですか。

ケン)
すごいなー。人間。

市田さん)
そう思っていただけるとうれしいですね。私、今はこうやって専門家っぽく水や森のことを喋っていますが、もともとは全く違う部署、お酒の営業だったんです。

ジョー)
えー、そうだったんですか!?

市田さん)
それが今は、森に通うようになるなんて、自分でもびっくりです。今日みたいにスーツ着てオフィスにいるほうが珍しくなってしまいました。

コウ)
なにか変化はありましたか?

市田さん)
そうですねー、子どもとの会話が変わりましたね。それまでは「営業先でこんな美味しいお店あったんだよ」とかだったのが、「今日、シカ見たよ」とか「こんな動物いたよ」とかになりましたからね。

ケン)
お子さん、喜びそうですね。

市田さん)
自分の子どもだけでなく、小学生を対象にした「水育」という環境教育活動もやっていたりします。最初は森に入るのを怖がっていた子どもたちも、体験プログラムを通じてふかふかの土を触ったり、差し込む光を五感で感じたりすることで、森に対する愛着のようなものを感じるようになってくれたりするんです。

コウ)
森に愛着を持ってくれたら、天然水のことも大切に感じてくれそうですね。

市田さん)
まさしく。その感覚は、子ども達だけでなく大人の方にもぜひ体感してほしいですね。実際に私自身が森を体験することで変わっていった人間なので。

ジョー)
今日お話を聞いただけでも、「森ってすごい!」「天然水って尊い!」ってなりましたもん。

市田さん)
まだまだご紹介したい活動も知っていただきたい課題もあります。
次はぜひ、天然水の森で。

コウ)
スーツじゃない森の市田さんに会えるのを楽しみにしています。

ケン)
本日は本当にありがとうございました!
いま天然水飲んだら、きっとより美味しい気がします。

市田さん)
染み入りますね。皆さんもぜひ。

コウ)
では、お言葉に甘えて。(グビッ)

サントリーのものづくりの真髄ともいえる天然水のことを学んだコウ・ジョー・ケン。
しかし、それは3人が思っていたよりも壮大で、しかもとんでもなく奥深い世界。
天然水について、そしてサントリーという会社のものづくりについて探求するファクトリップは、どうやらまだまだ続きそうだ。

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人間だけじゃつくれないけど
人間もちゃんとつくってた