山崎蒸溜所便り
【山崎蒸溜所】新工場長にインタビューしました!
2024年8月23日
こんにちは、水野めぐみです。
今回は2024年4月に山崎蒸溜所の工場長に就任した有田工場長に、山崎蒸溜所やウイスキーづくりについてインタビューしてきました。
2024年3月まで白州蒸溜所の工場長を務めていた有田工場長。
まず、山崎蒸溜所の工場長に就任が決まった時の率直な気持ちを聞きました。
新工場長としての意気込みを語る有田工場長
有田 「正直、大変なことだと思いました。日本最初のモルトウイスキー蒸溜所で、100年以上の歴史がある場所の工場長としての重み、そして13年の永きに渡り勤めた藤井工場長の後任としての重みを感じています。ですが、17年間ほど山崎蒸溜所で働いていたので慣れ親しんだ場所でもあります。」
水野 「着任前は大変なことだというイメージも持ったとのことですが、着任後は山崎蒸溜所に対するイメージが変わりましたか?」
有田 「イメージに変わりはありません。ただ今は、メンバー全員と面談を行ったので、それぞれの人柄や、雰囲気もだんだん分かってきました。良好な関係づくりをすることで業務が円滑に進むと考えていますので、白州蒸溜所の頃からメンバーと気軽に話し合える関係を築くように意識していました。」
日々忙しい中でも、メンバーとのコミュニケーションを大切にしているという有田工場長。
水野 「長年ウイスキーづくりに携わっている有田工場長にとって、ウイスキーづくりの魅力は何でしょうか?」
有田 「ウイスキーは人の力でつくる部分もあれば、そうでない部分もあると考えています。うまく人と自然が交わりながら、ウイスキーづくりをしていくことが大切です。同じ材料や設備でつくったとしても、同じウイスキーができるわけではありません。その土地や、自然の影響を受けながらウイスキーはつくられます。そこにウイスキーづくりの魅力があるし、その蒸溜所ならではの特長を引き出すことに面白さがあります。」
ウイスキー館横の遊歩道を歩く有田工場長
有田 「今のウイスキー市場は恵まれた環境ですが、入社当時はウイスキーの売上げが右肩下がりで、どうすればウイスキーをお客様に手にとっていただけるか、議論を重ねた時代もありました。そのような時代でも、ご支持くださったお客様がいらっしゃったからこそ、今があると思うので、この気持ちは今後も大切にしていきたいです。」
続いて、山崎蒸溜所内のお気に入りの場所を聞いてみました。
有田 「お気に入りは、新しくなったウイスキー館です。ウイスキー館の展示は、山崎蒸溜所の歴史、原酒のつくり込み・つくり分けについて、ものづくりへの想いなど、展示一つひとつに見応えがあります。日本のモルトウイスキーの原点を感じていただけるので、ぜひごゆっくりご覧いただきたいです。私も山崎蒸溜所の工場長就任前に、白州蒸溜所メンバーと見学に来て、40分程かけてじっくりとまわりました。」
水野 「そうだったんですね。中でも有田工場長のおすすめの展示はありますか?」
有田 「皆さまのお好みに合わせてご覧いただけたらと思っています。日本のウイスキーや山崎蒸溜所の歴史については1階、サントリーのものづくりやウイスキーへのこだわりについては2階というように分かれていますので、一番興味をお持ちになられた部分を中心にご覧いただき、何か持ち帰っていただけるものがございましたら、こちらとしては嬉しいですね。」
特に醸造の仕事に長く関わり、
蒸溜室には思い入れがあるという有田工場長
山崎蒸溜所と白州蒸溜所、両工場長を経験された有田工場長だからこそ感じる、それぞれの蒸溜所の魅力や違いを語ってくれました。
有田 「山崎は深めていく【深化】、白州は新しいことに挑戦していく【進化】だと思います。白州は常に自然を感じながらものづくりをしており、自然と共生しながら新しいことにチャレンジできる場所です。一方、山崎は自然よりも歴史を感じます。日本最初のモルトウイスキー蒸溜所であり、ウイスキーが日本で根付いていない時代からどのようにウイスキーの需要創出をするか考えてきた場所です。ウイスキーづくりの歴史や重み、つくりのこだわりがより出ていると感じます。」
水野 「同じ『シンカ』という読みの言葉ですが、山崎蒸溜所と白州蒸溜所の違いを的確に表していますね。続いて、有田工場長についても聞かせてください。まず、有田工場長にとっての癒しの時間はどんな時ですか?」
有田 「お酒を愉しむ時間が好きですね。ウイスキーだけではなく、家にビールやワインもたくさんストックしています。」
水野 「いまお話しいただいている表情からも、本当にお酒が好きなことが伝わってきます。このインタビューのために用意してもらった、おすすめのマリアージュも素敵ですね。」
有田工場長おすすめのマリアージュ
ハイボールと「炙りサーモンとアボカドのネギ醤油添え」
ハイボールにおすすめのマリアージュとして、有田工場長がつくった「炙りサーモンとアボカドのネギ醤油添え」を紹介してもらいました。撮影は娘さんが担当したとお話しされる工場長。父親としての一面も垣間見ることができました。
有田 「ソーダは少なめでしっかりとウイスキーの味わいを感じられるハイボール。料理は素材そのものの味を活かした、和風の味付けです。それぞれの味わいを楽しみながらも、合わせることで味わいに一層深みが増す、バランスの良いマリアージュを目指しました。」
インタビュー中も穏やかに応えてくれました
最後に、有田工場長から蒸溜所便りを読んでくださっている皆さまへのメッセージです。
有田 「工場長が変わっても、やることを大きく変える必要はないと考えています。これまで築かれてきたウイスキーづくりをしっかりと続けていき、おいしいウイスキーを皆さまにお届けしたいと思います。味わいだけでなく、ボトルをご覧いただいても綺麗だと思っていただけるような、高品質な製品にこだわっていきたいです。蒸溜所にお越しいただいた方には、実体験としてこだわりを感じていただき、ウイスキーを愉しまれるお時間をより豊かにお過ごしいただけると嬉しいです。」
インタビュー中も、終始穏やかな笑顔で質問に答えてくれた有田工場長。
週末は20kmほどランニングをしていて、年1回はフルマラソンの大会に出るなど、スポーツマンとしての一面も教えていただきました。もしかしたら、今日もどこかでランニングをしているかもしれませんね。
山崎蒸溜所にご来場された際は、有田工場長おすすめのウイスキー館の展示もぜひ時間をかけてご覧ください。
皆さまのお越しをお待ちしております♪
※ご来場には事前予約が必要です。詳細は山崎蒸溜所ホームページでご確認いただき、予約のうえご来場ください。