山崎蒸溜所便り
山崎蒸溜所のさまざまな原酒とブレンドについてご紹介
2024年4月8日
こんにちは、水野めぐみです。少しずつ寒さも和らいできましたね。
山崎蒸溜所では、歩いていると柔らかな風に乗って、時折ウイスキーの香りが感じられます。
今回は、「もっと知りたい」とたくさんのお声をいただいたウイスキーのブレンドについて、原酒のつくり込みやつくり分けに触れながらご紹介します。
山崎蒸溜所では、異なる個性を持つ複数の原酒をブレンドし、それぞれの製品の香りや味わいを仕上げています。
ブレンドが織りなす香味によって、ウイスキーならではの余韻も愉しむことができますよね。
原酒の個性の違いは丁寧な「つくり込み・つくり分け」で生まれます
ウイスキーのもととなる原酒は、長期熟成に耐えられるよう、仕込・発酵や蒸溜の工程で丁寧につくり込まれ、異なるさまざまな樽で熟成過程を経ることで、ウイスキー特有の香りや味わいの個性が育まれていきます。
そのため、樽熟成の時間はウイスキーにとって、大切な工程のひとつ。生まれたてのニューポットは、木製の樽で貯蔵し寝かせることで、熟成とともに琥珀に色づき、複雑な熟成香やまろやかな芳香が付与されます。
原酒のつくり分けのためさまざまな樽を使用します
貯蔵にはさまざまな木樽を使用しますが、サイズや形状、樽材の種類や産地によって、育まれる原酒に個性が生まれます。たとえば、アメリカ産のホワイトオークの樽で寝かせた原酒は、熟したリンゴのような柔らかい香り立ちで、穀物系の甘みを感じることができます。
国産のミズナラ樽では、伽羅(きゃら)や白檀(びゃくだん)といった香木のような香りと、カスタードやミルクキャラメルを思わせるクリーミーな味わいを感じることができるんですよ。
ほかにも、前歴でワインやシェリー酒を寝かせていた樽を使用することなどでも、できあがる原酒の香りや味わいが変化し個性が生まれます。
こうして多種多様につくり分けた個性豊かな原酒をブレンダーの設計に基づいてブレンドし、目指すべきウイスキー製品の味わいへと仕上げていきます。
原酒を確認するブレンダー
ブレンダーは原酒の熟成状況を確認し、ブレンドの配合を決定しています。
多いときは1日100種類以上の原酒をテイスティングしているんですよ!
ブレンドする原酒によっては1滴でバランスが変わるものもあるので、原酒を見極め調製していきます。
経験を積み重ねたブレンダーの腕の見せどころです。
そうしてブレンドされたウイスキーは、最後に樽やタンクで寝かせ、香味などを安定させたうえで瓶詰めし、ようやく製品として世の中へ送り出すことができます。
このように、ウイスキーの魅力である複雑で調和のとれた香りや味わいは、多種多様な原酒を目指したつくり込みとつくり分け、そしてブレンドによってつくられるのです。
香りや味わいがより感じられるおすすめの飲み方「トワイスアップ」
じっくりウイスキーの香りや味わいと向き合うときには、トワイスアップで愉しむのがおすすめです。
常温の水と1対1で割ることで、アルコールの中に隠されていた香りが開き、新たな個性を感じることができますよ。
ぜひ、お試しくださいね。
※詳しいトワイスアップの方法はこちら
柔らかな日差しが降り注ぐ山崎蒸溜所
今回は、ウイスキーのブレンドについて、原酒の個性を違いに触れながら紹介しました。
ウイスキーは、製品によって目指す味わいが異なりますので、どんな原酒がブレンドされているのか想像を膨らませながら味わってみるのはいかがでしょうか。
※ご来場には事前予約が必要です。詳細は山崎蒸溜所ホームページでご確認いただき、予約のうえご来場ください。