山崎蒸溜所便り
【100周年企画】藤井工場長にインタビューしました!
2023年11月22日
こんにちは、水野めぐみです。
山崎蒸溜所は今年100周年を迎えました。今回は100周年記念企画の第三弾として、山崎蒸溜所 藤井敬久工場長にインタビューをしてきました。
山崎蒸溜所 藤井工場長
藤井工場長に話を聞いたのは10月31日。山崎蒸溜所は、改修工事のため工場見学および場内全施設の営業を今年5月から休止していましたが、まずは翌日にリニューアルオープンを控えた今の心境を聞きました。
水野 「改修工事が無事に終わり、久しぶりにお客様を迎える気持ちを教えてください。」
藤井 「お客様が期待を持って来場される場所なので、喜びと同時にプレッシャーも感じています。新たな取り組みも増えましたし、お客様をお迎えするのが初めての若手メンバーもいるので、大丈夫かなと少し心配な気持ちもあります。」
山崎ウイスキー館のエントランスに残る壽屋時代の看板と
水野 「来場されたお客様へおすすめしたい見どころや、感じていただきたいことはありますか。」
藤井 「サントリーの歴史が感じられる場所である山崎蒸溜所で、ウイスキーづくりのこだわりに触れて、ものづくりの現場を楽しんで帰ってほしいですね。」
とりわけ藤井工場長が期待を寄せるのが、リニューアルに伴って新設された『山崎蒸溜所ものづくりツアープレステージ』。こちらのツアーは、製造工程の一部を実際に蒸溜所で働くつくり手よりご紹介するパートを準備しています。
藤井 「つくり手が日頃ウイスキーづくりの中で感じていることを、自分の言葉でお客様に伝える機会が増えますので、つくり手自身もお客様の反応や期待を直に感じて、その後のウイスキーづくりに繋げていけるような機会になればと思っています。」
山崎ウイスキー館に新たに設置された歴代工場長のネームプレートを見つめる藤井工場長
藤井工場長が入社したのは、1985年。2000年にブレンダー室に配属になり、工場長に着任したのは2010年のこと。
歴代の中で最も長く山崎蒸溜所の工場長を務めています。
水野 「長きにわたり山崎蒸溜所で働いていて、特に印象に残っていることはありますか。」
藤井 「そうですね。ブレンダー室に配属になったころはウイスキーが売れていなくて、需要が少ないなか、営業と一緒にウイスキーの訴求に回ったことが印象に残っています。ただ、どの時期も思い出深く、歳の近い先輩方にかわいがってもらった現場も楽しかったですし、工場長に着任してからは、ウイスキーの需要も高まり、貯蔵庫の増築などに苦戦しながらもやりがいを感じています。」
「工場長歴が長くなったのは、結果としてそうなっただけ」と語る藤井工場長。
せっかくの機会なのでプライベートな部分も少し聞いてみました。
場内を歩きながらさまざまなエピソードを聞きました
水野 「山崎の周辺に、決まった曜日に通う居酒屋があるそうですね。」
藤井 「店の常連の人たちと親しくなり、その人たちと会うのが楽しみで通っているんです。自分の父親と同じ世代の人たちと語らうその時間が、楽しく好きなんです。」
水野 「素敵なご縁ですね。その居酒屋を覗くと、もしかしたら工場長に会えるかもしれませんね。」
新しくなったテイスティングラウンジにて
現在のウイスキー人気について「ブームという言葉は使いたくない」と、藤井工場長。今後の山崎蒸溜所について、「消費者も時代に合わせて変化していくため、同じことを繰り返すのではなく、新しい提案をしていくことが大事ですね。基盤がしっかりしているからこそ、その時代に合わせて新しいウイスキーを生み出すことができる。」と語ってくれました。
インタビューを通じて感じたのは、この山崎蒸溜所でウイスキーが苦しい時代も勤しんできた藤井工場長だからこそのウイスキーへの想いと、蒸溜所で働くメンバーへの未来への期待でした。一過性のブームではなく、時代にマッチし、常に消費者の皆さんと共にあるウイスキーづくりを目指し、山崎蒸溜所は次の100年に歩みを進めます。
【100周年企画】第一弾、第二弾はこちらから
★ジャパニーズウイスキーの始まりの場所~山崎蒸溜所~
★鳥井信次郎とジャパニーズウイスキー~やってみなはれ~
【お知らせ】「山崎蒸溜所ものづくりツアー」と「山崎蒸溜所ものづくりツアー プレステージ」は抽選制となります。
詳細につきましては、山崎蒸溜所のホームページにてご確認をお願いいたします。