山崎蒸溜所便り
白州蒸溜所便り
【蒸溜所で働く人】未来に引き継ぐウイスキーづくり~蒸溜釜の更新編~
2023年3月24日
こんにちは、水野めぐみです。
今回は、蒸溜工程で働くスタッフのインタビュー第二弾をお届けします。
※写真は撮影時のみマスクをはずして撮影しています
登場するのは入社7年目の松田さんです。
今回は昨年のオーバーホール(メンテナンス)期間に行われた、普段お客様にはお伝えしていない蒸溜釜の入れ替え工事の様子を中心に話を聞きました。
水野「山崎蒸溜所では昨年の7月から9月にかけて、製造を一部お休みしメンテナンスに入っていましたね。このオーバーホール期間にはどのようなことを行っていたのでしょうか。」
松田「一例にはなりますが、蒸溜釜の点検を行いました。銅でつくられた釜の厚みの計測をして、銅のすり減り具合や焦げつき方などの確認を行っていきます。釜の状態を見ると、熱がどのように伝導していくのかも分かるんですよ。」
水野「蒸溜釜はメンテナンスしながら30年程度は使用できるといわれていると聞きました。」
松田「そうですね。蒸溜釜は厚さ5㎜~15㎜の銅板でできていて、形や大きさもさまざまです。長年使用することで経年変化が生じますが、毎年のオーバーホール期間にしっかりと状態を点検していくんです。」
水野「今回は蒸溜釜の入れ替えもありましたね。」
松田「未来のウイスキーづくりを見据え、新しく設計した釜へ入れ替え工事を行いました。傷みやすい部品だけを交換することもあれば、今回のように釜ごと新しくすることもあり、安定した品質のウイスキーづくりのための環境を整えることも大切な仕事のひとつです。」
松田「日々、つくり手たちはそれぞれの製造工程を通じてウイスキーづくりと向き合っています。私自身も日頃の経験を積み重ねることで、学びや発見を得ています。
先輩から受け継いだ知識に自分の経験を加えて後輩へ繋げていく。そうすることで伝統と革新を兼ね備えた山崎のウイスキーづくりが受け継がれていきます。後輩を育てながらも先輩の言葉を受け止め自分も成長していけることが楽しいですね。」
穏やかな口調で語る松田さん
※写真は撮影時のみマスクをはずして撮影しています
最後に松田さんにオススメのウイスキーの愉しみ方を聞いてみました。
松田「私はあまりお酒が強くないんですが、先輩から教えてもらった飲み方を紹介させてもらいます。まずハイボールを作って、その上から違うウイスキーをそっと注いで浮かべるんです。アルコール度数が違うことから、後から注いだウイスキーが浮かびハイボールが二層になります。ゆっくり飲み進めることで2種類のウイスキーの味わいが愉しめる贅沢な飲み方です。ぜひご自宅で愉しんでみてください。」
終始優しい口調の中にも、ウイスキーづくりにかける熱意を感じさせる松田さん。インタビューを通じて、徹底した設備管理のもと100年続くウイスキーづくりが行われていることがよくわかりました。
今後も美味しいウイスキーを皆さまのもとへお届けします
2回に渡り蒸溜工程で働く若きつくり手にインタビューを行い、蒸溜工程への想いや山崎のウイスキーづくりへのこだわりをお伝えしました。
これからも蒸溜所ならではの情報や、つくり手の想いをお伝えしていきます。
前回のブログ【蒸溜所で働く人】未来につながるウイスキーづくり~蒸溜工程編~
※国産ウイスキーは、現在大変ご好評をいただいており、私どもの想定を上回る販売状況となっております。また、原酒を熟成させる期間が数年単位で必要なウイスキーは生産数量をすぐに増やすことが難しいため、国産プレミアムウイスキーは充分な数量をご提供することが困難な状況が続いており、皆様にはご迷惑をおかけしております。現在、原酒の増産に努めておりますが、今しばらくはこのような状況が続くものと考えられます。お客様には多大なるご迷惑、ご不便をおかけし心よりお詫び申し上げます。
【お知らせ】工場見学の営業に関する最新情報は、山崎蒸溜所ホームページにてご案内しています。ご来場前に必ず、営業日・時間、予約方法等のご確認をお願いいたします。「山崎蒸溜所ギフトショップ」へのご来場には、「山崎蒸溜所ツアー」または、「山崎ウイスキー館見学」のご予約が必要です。