山崎蒸溜所便り
11月11日、山崎蒸溜所にとって大切な日
2021年11月16日
こんにちは、水野めぐみです。
山崎蒸溜所でも季節はすっかり秋に変わり、木々が鮮やかに色づきはじめています。
山崎蒸溜所内の木々も色づいてきました
11月11日は、山崎蒸溜所にとって大切な日です。
山崎蒸溜所は今からおよそ100年前の1923年に建設開始され、翌1924年の「11月11日」に稼働しました。
この記念日にちなみ、山崎蒸溜所に隣接している椎尾神社では、サントリースピリッツ株式会社 山崎蒸溜所主催で、毎年11月11日に秋の祭礼が執り行われています。
山崎蒸溜所に隣接する椎尾神社
今回は、この秋の祭礼を山崎蒸溜所で担当している塩谷さんに話を聞きました。
椎尾神社の祭礼を担当している塩谷さん
水野「初めに、山崎蒸溜所と椎尾神社の関係について教えていただけますか?」
塩谷「サントリー創業者の鳥井信治郎がウイスキーづくりの拠点として山崎の地を見出した当時、隣接している椎尾神社は荒廃していたそうです。それを信治郎が地域の方々とともに再興させたという縁があるんです。信治郎はとても信心深かったといわれていて、椎尾神社には信治郎が奉納した神社幕や提燈、信治郎の志を受け継いで後に寄進した鳥居や神具などがたくさんあるんですよ。」
水野「私もさきほど、鳥井信治郎の名前が記された神社幕を見つけました。今も大切に受け継がれているんですね。」
塩谷「はい。信治郎の魂が宿る神具を飾ることは私たちにとって、創業者の信念やものづくりの精神に想いを馳せ、今一度確かめる機会になっています。」
鳥井信治郎が奉納した神社幕
水野「椎尾神社の秋の祭礼では、どんなことに携わっているのですか?」
塩谷「関係者の役割分担や神具の準備から祭礼当日のお飾りや司会進行までを担当しています。祭礼に直接関わる関係者だけでなく、地域にお住まいの方々とも協力をさせていただき、皆さまと山崎蒸溜所をつなぐ役割をしています。」
祭礼当日、手水を終えたら本殿へ
水野「祭礼当日はどんな様子なのでしょうか。」
塩谷「祭礼は数名の神職や地域の皆さま、山崎蒸溜所の関係者、合わせて十数名で執り行われます。参列される地域の皆さまに見守られるなか、祭礼は厳かにすすみ、雅楽が演奏される中で巫女が神楽を奉納します。」
水野「山崎蒸溜所では、1924年11月11日の11時11分に、最初の原酒の一滴が生まれたといわれており、この祭礼も11時11分ぴったりに始めるんですよね。」
塩谷「はい。11時11分になったのを確認し、時間ちょうどに始めています。 1並びには縁起をかつぐという意味もありますね。 毎年、無事に歴史を重ねられたことに感謝する想いを込めて、時間にもこだわっています。」
厳かに行われる祭礼の様子
水野「この秋の祭礼を担当するなかで、大切にしていることを教えてください。」
塩谷「祭礼に向けて事前に、蒸溜所の従業員たちが力を合わせて清掃を行うのですが、信心深かったと言われている信治郎に想いを馳せながら神社を敬う気持ちを大切にしています。 椎尾神社に限らず、お世話になっている山崎の地の神社仏閣は、ウイスキーづくりを見守ってくださる守り手とも言えると思います。」
心を込めて、祭礼前には清掃を行う
水野「私も椎尾神社にいると、なんだか不思議な力に守られているようにも感じます。」
塩谷「実は私は、この山崎で一番好きな場所が椎尾神社の境内なんです。 鳥居をくぐった瞬間に、空気が変わり、浄化されるといいますか、エネルギーを感じますよね。過去には、祭礼の日に朝から曇っていても写真撮影の時だけ光が差したり、台風で周囲の竹林が荒れてしまった際も稲荷や本殿は無傷だったりと、偶然かもしれませんが、不思議な体験をしたこともあります。やはり神様に守られているのかもしれませんね。」
今回は、塩谷さんから、椎尾神社の祭礼を通して地域の皆さまとともに伝統をつないでいきたいという想いを聞きました。
「2023年に100周年を迎える山崎蒸溜所を、皆で一丸となってより良い形で次の世代へ繋いでいきたい」と熱く語っていたのが心に残りました。
皆さんも、山崎蒸溜所にお越しの際には、ウイスキーづくりを見守る椎尾神社にも足を運んでみてくださいね。
(こちらの記事にて実施していたアンケートは終了しました。ご協力ありがとうございました。)
【工場見学一時休止のお知らせ】新型コロナウイルスの国内感染拡大を受け、感染防止のため、当面の間、工場見学および場内全施設(ショップを含む)を休止させていただきます。見学・予約再開につきましては、日程が決まり次第、山崎蒸溜所ホームページでお知らせ致します。(2021年11月16日現在)