山崎蒸溜所便り
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【山崎蒸溜所】こだわりが込められたウイスキーのボトルデザイン
2021年4月7日
こんにちは、水野めぐみです。
今回は、山崎ウイスキー館内にも展示している、サントリーを代表する4つのブランドのウイスキーボトルのデザインのこだわりをご紹介します!
さまざまな色や形状のウイスキーボトル
ウイスキーボトルは形状や色の違いなど、ブランドごとに異なっていて、眺めていても愉しむことができますよね。
この、ウイスキーボトルにはウイスキーづくりと同じように、そのブランドを表現するこだわりやメッセージが込められているんですよ。
さまざまな意味が込められた「ローヤル」
まずは創業者である鳥井信治郎が最後に手掛けた、サントリーウイスキー「ローヤル」のボトルをご紹介します。
「ローヤル」はサントリー創業60周年を記念して、翌1960年に誕生しました。
「ローヤル」のブレンド設計は、山崎蒸溜所に隣接する椎尾神社の鳥居にかかる桜吹雪をイメージしたと伝えられています。
「ローヤル」のボトルキャップのモチーフになった椎尾神社の鳥居
ボトルの重厚感のある四角いフォルムは、漢字の「酒」のつくりにあたる「酉」を表現してデザインされました。
またボトルキャップの上向きに緩やかにカーブしたデザインは、椎尾神社の鳥居をモチーフにしてつくられています。
鳥井信治郎の「鳥井」と「鳥居」(トリイ)をかけた意図も込められているんですよ。
サントリーの企業理念から名付けられた「響」のボトル
続いては、ブレンデッドウイスキーの最高峰「響」。
1989年、創業90周年を記念して誕生した響には、"人と自然と響きあう"というサントリーの企業理念が込められています。
「響21年」「響〈JAPANESE HARMONY〉」のボトルは24面の美しいカットが施されていて、1日24時間の「時」や、日本の多彩な四季の移ろいを一年で区分した二十四節気を表現しているんです。
一方で、酒齢30年以上の原酒がブレンドされた「響30年」は、30年を表現する30面カットのクリスタルボトルを使用し、より華やかで優美な輝きを放つボトルデザインになっています。
ボトルネックには、日本の伝統色の中でも高貴な色である「深紫(こきむらさき)」の帯を、ボトルのラベルには越前和紙を使用。
この越前和紙に、書道家の荻野丹雪氏が「響」の筆文字を力強くしたためています。
ウイスキーづくりを通して、世界中の人々や、かけがえのない自然と共生していきたいという企業理念をかたちにして生まれた「響」には、瓶やラベルの細部にいたるまでサントリーのこだわりが詰まっているんですよ。
亀甲模様が印象的な「角瓶」のボトル
続いては、皆さんにもお馴染みの「角瓶」をご紹介します。
「角瓶」をよく見ていただくと、ラベルに製品名の記載がありません。
実は「角瓶」の名称は、発売当初から変わらない角型の形状から、どこからともなく呼ばれ始めた愛称が、のちに正式な製品名となったものなんです。
そんな印象的な形状である「角瓶」のボトルは、サントリーの前身である寿屋で赤玉ポートワインのポスター制作にも関わったチーフデザイナー、井上木它(いのうえぼくだ)が手掛けたもの。
鳥井信治郎から贈られた薩摩切子の香水瓶をヒントに、特長的な亀甲模様のカットが生まれました。
ダルマの愛称で親しまれた「オールド」
最後はサントリー「オールド」です。1950年の誕生以来コロンと丸みのある形状から、ダルマやタヌキの愛称で親しまれています。
ボトルのデザインは、「日本の最高峰をどう表現するか」という思案の末に生まれました。
黒い丸型のボトルに朱色のボトルキャップは、黒漆と赤漆の和の器を連想させるデザインで、現在も伝統を守りつつ高級感を追求するブランドになっています。
ご紹介したウイスキーは、山崎ウイスキー館内にも展示されており、【山崎蒸溜所 360°フリーツアー】でもご覧いただけます。
VR技術を使った360度の視点で施設内を無料で見学できるコンテンツですので、ご自宅からゆっくり、デザインに込められたこだわりや想いを感じてみてください。
今回は、ウイスキーのボトルデザインに込められたこだわりや想いをご紹介しました。
ウイスキーを愉しむときは、ぜひボトルデザインにも注目してみてくださいね♪
【工場見学一時休止のお知らせ】新型コロナウイルスの国内感染拡大を受け、感染防止のため、当面の間、工場見学および場内全施設(ショップを含む)を休止させていただきます。見学・予約再開につきましては、日程が決まり次第、山崎蒸溜所ホームページでお知らせ致します。(2021年4月7日現在)