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シングルモルトウイスキー「山崎」 の誕生と歩み

2020年3月13日

こんにちは!水野めぐみです。
明日3月14日は、シングルモルトウイスキー「山崎」の誕生日です。
今回は誕生から36年目を迎える、「山崎」の歩みをご紹介します。


20200313_yamazakibirthday_1.JPGウイスキーづくりの情熱は鳥井信治郎から佐治敬三へ


「日本にもいつかウイスキーの時代が来る。自分の手でウイスキーをつくりたい。」
サントリーの創業者・鳥井信治郎は大きな夢を胸に、1923年「山崎蒸溜所」の建設に着手しました。
信治郎は「良い原酒は良い水が生み、良い熟成は良い自然環境なしにはあり得ない」という信念のもと、蒸溜所の候補地を全国各地から探し、最後に選ばれたのが山崎の地でした。
やがて信治郎の情熱のもと、「角瓶」や「オールド」、「ローヤル」などのブレンデッドウイスキーの名酒が生み出されていきます。
その後、信治郎の夢は2代目マスターブレンダー(※)・佐治敬三へと受け継がれます。
社名が前身の「寿屋」から「サントリー」に変わったのもその頃です。
国内のウイスキーの需要は伸び続け、人々のライフスタイルも多様化していきました。
(※)マスターブレンダー:ブレンドの最高責任者


20200313_yamazakibirthday_2.JPG末来を見据えた佐治敬三の決意から「山崎」が誕生した


当時はバランスのよいブレンデッドウイスキーが主流の時代。
ひとつの蒸溜所で生まれたウイスキー原酒だけを組み合わせてつくられるシングルモルトウイスキーは、個性が強く、世界でも限られた人々にしか受け入れられていませんでした。
そんな時代にあって、敬三は「日本を代表するシングルモルトウイスキーをつくろう。」 と決意します。
「人々の価値観が多様化すれば、個性の強いシングルモルトがきっと求められる。」という、マスターブレンダーとしての読みがあったのです。


20200313_yamazakibirthday_3.JPG「山崎」誕生を支えた多彩な香味のモルト原酒


敬三が目指したのは、 "スコッチのシングルモルトとは異なる、日本的なテイスト"でした。
そしてそれを可能にしたのは、新たな香味創造のために長年蓄えられていた、多彩なモルト原酒の数々です。
これらのモルト原酒を真摯に選び抜き、理想の香味を目指して数え切れないほどのテイスティングとブレンドを重ねました。
試行錯誤することおよそ2年、辿り着いた答えは「ひとつの個性が突出することなく、多彩な原酒が混ざり合い、高め合うように調和する香味」でした。


20200313_yamazakibirthday_4.JPG発売当初の「山崎」


1984年3月14日、穏やかで奥深く確固たる個性を持った、シングルモルトウイスキー「山崎」が誕生したのです。
この「山崎」にかける並々ならぬ情熱は、そのラベルにも表れています。
ラベルに書かれている「山崎」の字は敬三の手によるもの。
幾度となく書き直し、最も力強く、端正な文字が選ばれました。
「崎」のつくりの部分にも彼の想いがこめられていて、よく見ると「奇」の部分が「寿」の文字に模られていることが分かります。
サントリーの前身である「寿屋」と門出を祝うおめでたい意味を表しているんです。


20200313_yamazakibirthday_top.JPG「山崎」のラインナップ


その後も「山崎」の歩みは続きます。
1992年に「山崎18年」、1998年には「山崎25年」を発売しました。
そして、山崎発売からおよそ20年、山崎蒸溜所建設着手からちょうど80年目にあたる2003年、世界的に権威ある酒類コンペティション ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)で、「山崎12年」が金賞を受賞。
ジャパニーズウイスキー では初の栄誉に輝きました。
さらに2012年には「山崎18年」がカテゴリー最高賞「トロフィー」を受賞。
山崎ブランド、そしてサントリーウイスキーの品質が世界的にも極めて高いレベルにあることが認められました。


20200313_yamazakibirthday_5.jpg「山崎ウイスキー館」では「山崎」の歩みを辿れます


創業者・鳥井信治郎の志は現在もつくり手たちに脈々と受け継がれています。
最高品質のウイスキーづくりを目指して、伝統の技の継承と、未来を見据えた革新を続けていきます。
ぜひ皆さんも、「山崎」に注がれたつくり手の情熱を感じてみてくださいね。


★山崎蒸溜所のホームページはこちら

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