容器包装には、お客様のもとに届くまで商品を守り、より良い品質を保持する役割があります。
サントリーは、循環型かつ脱炭素型社会の実現に取り組んでいます。
サントリーグループは、商品の源泉である自然の恵みに感謝し、多様な生命が輝き響きあう世界の実現にむけて、循環型かつ脱炭素社会への変革を強力に先導します。
プラスチックはその有用性により、われわれの生活にさまざまな恩恵をもたらしています。当社が使用するプラスチック製容器包装が有用な機能を保持しつつも、地球環境へネガティブな影響を与えないよう、多様なステークホルダーと、問題解決に向けた取り組みを推進していきます。また、問題解決に向けサントリーグループ社員の一人ひとりが責任ある行動に努め、持続可能な社会を率先して実現します。
Recycle & Renewable
2030年までに、グローバルで使用するすべてのペットボトルの素材を、リサイクル素材あるいは植物由来素材等100%に切り替え、化石由来原料の新規使用ゼロの実現を目指します。
すべての事業展開国において、各国の国情に応じた効率的なリサイクルシステム構築のために必要な施策を、政府機関や業界、環境NGO、NPOなどとともに積極的に取り組みます。
Reduce & Replacement
資源の有効活用のために、容器包装のデザイン変更などにより、プラスチック使用量の削減を推進するとともに、環境にネガティブな影響を与えない代替となる容器包装の導入の検討をすすめます。
Innovation
リサイクル率向上、環境影響を最小限におさえる素材領域などにおけるイノベーションに積極投資します。
New Behavior
人々の行動変容を促す啓発活動を実施するとともに、サントリーグループ社員一人ひとりが、ライフスタイルの変革に努め、分別収集の促進、河川、海岸の清掃活動などの社会貢献活動にも積極的に参加します。
ペットボトル軽量化のパイオニアとして、容器の軽量化を推進
BtoB(ボトルtoボトル)などの 技術で資源として循環
脱石油資源を目指し、バイオマス 由来樹脂を積極的に活用
サントリーグループは20年以上前から、ペットボトル・キャップ・ラベルなどの軽量化・薄肉化に取り組んできました。飲用時品質(中味の品質保持・容器の使いやすさ)を維持・向上しながら、資源の有効利用を目指しています。
使用済みペットボトルを新たなペットボトルに再生することを「ボトルtoボトル」水平リサイクルといい、ペットボトルを資源として何度も循環することができ、新たな化石由来資源の使用量の削減とCO2排出量の約60%削減が可能となります。メカニカルリサイクル※ による「ボトルtoボトル」水平リサイクルは環境負荷(原料調達からプリフォーム製造までの工程におけるCO2排出量)が最も少ないリサイクル手法であり、サントリーでは2011年、国内飲料業界で初めて技術を確立し、その後現在に至るまで「ボトルtoボトル」水平リサイクルを推進しています。
ボトルtoボトル(B to B)のメカニカルリサイクルシステムからさらに、複数の製造工程を削減する「F to Pダイレクトリサイクル技術」を協栄産業(株)をはじめとする日本・イタリア・オーストリア4社の技術を結集して開発に取り組み、2018年秋より世界で初めて製造を開始しました。この技術により新たに石油由来原料を使用する場合と比較し、CO2排出量は約70%を削減(従来のメカニカルリサイクルは約60%のCO2排出削減)※しました。
サントリーグループでは「ボトルtoボトル」水平リサイクルの推進とともに、植物由来素材等のペットボトルの開発を進めています。
2013年には植物由来素材30%使用のペットボトルを「サントリー天然水」550ml※に導入し、同2Lでも23年より全数に導入しています。(※自動販売機対応商品は一部除く)
また、2021年12月には、米国バイオ化学ベンチャー企業・アネロテック社と、植物由来素材100%ペットボトルの開発に成功し、実用化に向けて前進しました。
2019年3月より、「サントリー 南アルプスの天然水」に、植物由来素材を30%使用した国産最軽量※1となる1.85gのキャップを導入しました。
これにより従来のペットボトルキャップに比べ、石油由来原料の使用を約35%削減※2し、CO2排出量を約27%削減することができます。
2012年に国産ペットボトルのロールラベル※1として最薄の16μm(マイクロメートル※2)を達成しました。その後、さらに4μmの薄肉化に成功し、 2014年4月からは12μmのラベルを「サントリー天然水」2ℓペットボトル、550mℓペットボトルに導入。以降、ロールラベルを採用している全商品への展開を進めています。このロールラベルの薄肉化により、従来のラベル(16μm)に比べてCO2排出量を25%削減※3することができました。
従来のペットボトル梱包用の外装段ボールを使わず、透明フィルムによってペットボトル6本を梱包する「エコクリア包装」を導入することで、従来の段ボール包装に比べてCO2排出量を50%削減※しています。開封後に扱いやすく、処理もしやすい透明フィルムは、お客様からも高い評価をいただいています。
使用済みプラスチックの
再資源化事業に取り組む新会社
「株式会社アールプラスジャパン」設立
サントリーグループは、持続可能な社会の実現に向けて使用済みプラスチックの再資源化に取り組む共同出資会社、(株)アールプラスジャパンを設立しました。2020年6月から事業を開始し、現在(2024年5月時点)は44社が参画しています。米国バイオ化学ベンチャー企業である、アネロテック社と共に、ペットボトルを含むプラスチックを基礎化学品に戻すケミカルリサイクル技術を開発中です。この技術は、CO2排出量の削減やエネルギー消費の低減が期待されており、プラスチック課題の解決に貢献します。
参画企業一覧(2024年5月時点)
CIRCULAR
ECONOMY
これまでの社会の在り方を変えて、より良い未来をつくるためには、リサイクルにとどまらない新しい考え方が必要です。
サーキュラーエコノミーとは無駄・廃棄と汚染のない世界をデザインすること、製品と原料を使い続けること、自然のシステムを再生することを目指す新しい考え方です。
社会のあらゆる組織と個人の力がそこには求められることになります。
決して一企業だけでは実現できない夢ですが、私たちサントリーもできうる限りのことをしていきたいと思っています。ここに明らかにした「プラスチック基本方針」はペットボトルの世界でサントリーグループがサーキュラーエコノミーの実現に貢献したいという思いでもあります。
ペットボトル再生のために、分別と回収にご協力ください。
環境負荷の少ないパッケージを選んでください。
それがサーキュラーエコノミーの実現のために、あなたにできることです。
ビールやコーヒーなどの缶について、お客様の扱いやすさを確保しつつ、使用する資源量を極力減らすことを目指して軽量化を進めています。
アルミ缶は、2008年にビールの缶のフタ口径を小さくし、2014年にはビールやチューハイなどの低アルコール飲料の缶胴を薄くする取り組みを行いました。また、コーヒーのスチール缶も缶胴の薄肉化を実施し、着実に軽量化を推進しています。
飲料容器として歴史の長いガラスびんは、回収やリサイクルのルートが確立されています。リターナブルびんは、回収・洗浄して再利用。ワンウェイびんは、回収後に細かく砕いて「カレット」という状態に加工し、主にガラスびん製造の原料に使用します。また、断熱材やタイル・路盤材など、びん以外の用途にも活用されます。
「ザ・プレミアム・モルツ」の中びんは、2014年に約10g軽量化し て460gに。ラベルが貼られている胴部分の太さを0.2~0.3mm へこませ、びん同士がぶつかっても傷がつかないように工夫され ています。また、栓抜きで開栓する際に口欠けしにくい形状に改 善をするなど、びん品質の改善にも取り組んでいます。
サントリーグループでは、環境負荷低減に向けて、業界連携のもと飲料の段ボールカートンのショートフラップ化に取り組み、2012年春から清涼飲料の小容量ペットボトル製品にて導入を開始しています。この取り組みにより、従来の段ボールに比べて紙の使用量も約20%削減できました。
2019年よりビール製品およびRTD製品にもショートフラップ段ボールを展開しています。
2010年4月より焼酎・スピリッツの紙容器に、2014年2月よりワインの紙容器に、リサイクル適性の高い容器を採用し、現状では酒類紙容器製品の約9割について切替を完了しています※。
従来は品質保持のため、内側にアルミニウム蒸着を施した容器を採用していましたが、紙とアルミニウムを分離してリサイクルすることが困難でした。新しい紙容器では、非アルミニウムの透明基材蒸着を採用することにより、リサイクル適性を向上しています。