ヘラサギ
しゃもじのような大きなくちばしを
左右に振りながら餌を挟みとる
全長86㎝。全身白色で大型のトキ科の鳥。英名はくちばしの形からspoonbill。目からくちばしの間に細い黒線があります(注意深く見ないと見落とすことも)。繁殖期には頭の後方へ白色の飾り羽がでて、胸が黄色くなります。くちばしは、しゃもじ型で長く、上下から圧力をかけたように扁平で、先がやや膨らんでいます。全体がほぼ黒色で、この膨らみ部分は黄色です。脚は長く、黒色です。
首を伸ばしてくちばしをやや開き加減にし、首を左右に振って水底を探って、貝類、小魚類、カニ・エビ類、カエル・オタマジャクシなどくちばしに触った小動物を食べています。若鳥は、くちばし全体がうすい橙色で、翼の先は灰黒色をしているので、成鳥との区別ができます。休息時に頭、くちばしを背に乗せるので、背が水面と水平になり、サギ類のななめになった休息姿とも区別ができます。飛行時には首を伸ばしています。「ウフー」と聞こえる低い小さな声。
ユーラシア大陸中緯度より南に分布・繁殖し、冬には、アフリカ、インド、中国南部に渡ります。インドでは留鳥。日本では主に冬鳥として渡来し、海岸の干潟、池沼、水田などの水辺で見られます。現在は年に数羽程度が見られますが、明確に毎年渡来する越冬地と言えるものはありません。1960年~70年代に鹿児島県出水平野のツル渡来地に、40羽以上の群が越冬していた時期がありました。
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