シロエリオオハム
脚が後方についていることから“あとあし”とも呼ばれ
陸では腹ばいで移動
全長65㎝。冬羽では、頭・首のうしろから背、さらに翼上面までが黒味の多い暗褐色で、顔の下半分、前首、胸、腹など下面は白色をしています。喉に褐色の細い横線があります。夏羽では、頭から後首が灰色になり、前首に紫黒色斑が現れ、首側には黒色の縦線があります。翼上面に多数の白斑が並んだ模様がでます。水面に浮いた姿で、脇の白色が水面より上にでることはないので、遠方でもオオハムと区別できます。浮いた姿はウ類のように体を低くすることが多いです。潜水は、首を水中へ入れて獲物を探し、その後に身体を低くし急に浮き上がる力を使って飛びこむように潜っていきます。潜水は得意で”あとあし”とも呼ばれる、みずかきの発達した脚のみで潜りますが、陸では腹ばいで移動します。短く「アァー アァー」と声を出し、繁殖期は「ウルォー」などと大きな声を出します。
北アメリカ大陸北部、アジア大陸最北部に分布・繁殖していて、冬には温帯域の海上に生息しています。日本には冬鳥として渡来し、全国の海上、沿岸に生息していますが時には湖沼へも渡来します。イカナゴなど小魚類を主食にしています。
瀬戸内海には「鳥持網代」(とりもちあじろ)という漁法がありました。群で小魚を捕らえる様子を利用したもので、上部から鳥が小魚を狙って潜ると、小魚は下へ逃げますが、下では小魚を狙ってタイが上がってきます。このタイを小魚を餌に釣る漁法。昭和までは細々と続いていましたが、海上を通る船が多くなり、鳥の群が小さくなって漁はできなくなっています。
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