バン
田んぼを見回る”田の番人”みたいに見えるところからバン
全長32cm。クイナの仲間で、メスオス同色です。体は黒っぽく、翼は緑色味のある黒褐色。脇に太めの白線が出て、よく目立ちます。下尾筒には目立つ白斑があります。額板くちばしは赤色で先は黄色。冬羽の時期には赤色が無くなります。指の長い太い脚を持ち、泥地も沈むことなく歩き回ります。泳ぎは下手で、水かきが無いので、首をふり体中を使ってやっと進んでいます。名前も似ているオオバンは、バンより一回り大きく額版が白色で、脚に水かきを持ち池沼や河川などの水面で見ることが多いです。バンはユーラシア大陸、アフリカ、南北アメリカなど世界中の熱帯・温帯域に広く分布しています。日本では小笠原地方を除き全国で繁殖していますが、北海道・東北地方では夏鳥です。池沼、湿地、蓮田、水田など草の生えた水辺に生息します。そうした湿地で見つかる植物の葉や昆虫、貝など小動物を食べています。
「クルルッ」と大きな声で鳴きます。この大きな声は良く聞こえるので、水田を害敵から守る「田の番をする鳥」としてバンの名が付けられたようです。また昔「稲負鳥」の名で呼ばれた鳥は、稲田の中を歩き回るこの鳥だったのではないかと、日本の鳥類学者、内田清之助先生は述べています。
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